
【古野電気】高専出身の女性エンジニア2人に聞く「仕事・就活・働きやすさ」のリアル
「高専から就職って実際どうなんだろう?」
「女性エンジニアとして働くのって不安…」
そんな疑問を持つ方に向けて、古野電気で活躍する高専出身の女性エンジニア2名にインタビューしました。
仕事内容や就活の進め方、入社前後のギャップ、働きやすさまで、リアルな声をお届けします。
どんな仕事をしているの?
Q. お二人のご所属と担当業務を教えてください。
A.Nさん
システム機器事業部 製造部 製造1課 生産技術課係に所属しています。入社7年目です。
担当業務は大きく3つあり、1つ目が作業指導書の作成と現場への指導、2つ目が治具の設計・制作、3つ目が業務効率化や生産現場の改善活動です。
H.Sさん
舶用機器事業部の開発技術部 PLM推進課に所属しています。入社6年目です。
現在は、PLMシステムと呼ばれる社内の製品情報管理システムを担当していて、その保守・運用を行いながら、現場の要望をもとに改善を進めています。
PLMシステムは、製品の企画・設計・製造・保守・改良など、ライフサイクルに関わる情報やプロセスを一元的に管理するシステムで、いわば設計と製造をつなぐ存在です。
日々の業務としては、ユーザーからの問い合わせ対応や、新しい機能を追加するためのヒアリングや打ち合わせも行っています。
高専の学びは今の仕事にどう活きている?
Q. 高専での学びは、今の仕事に活かされていますか?
A.Nさん
チェッカーなどの電気検査治具の製作では、高専で専攻していた電気電子の知識が土台として役立っていると感じます。
ほかにも、生産技術は実装・組立・検査・梱包の生産工程を担当する部署でもあるので、大なり小なり生板製造や機械組立、材料、品質工学など幅広く業務に必要な知識を学ぶ機会があります。
そうした基礎の部分でも、学生時代に学んだことが活きていると実感しています。
ただ、前向きな意味で学生時代にもっと学んでおけばよかったと思うこともあります。
H.Sさん
今の仕事では電子系の内容が中心ではあるのですが、製品の構造を理解する場面も多くあります。
その際、機械の知識があることで、「どのような仕組みになっているのか」をイメージしやすくなっています。
就活はいつから動き出した?きっかけは?
Q. 就職活動はいつ頃から意識しましたか?
A.Nさん
本科4年生のときに参加したインターンシップが大きなきっかけでした。
実際に企業で働く現場を見たことで、「もう少し専門性を高めたほうがよいのではないか」と感じ、その経験から、すぐに就職せずに、専攻科へ進学することを選びました。
本格的に就職活動を始めたのは、専攻科1年の夏頃です。
H.Sさん
最初に就職を意識したのは、高専3年生のときに参加した企業説明会です。
当時、仲の良かった先生に「こういう企業もあるよ」とおすすめしてもらい、実際に話を聞きに行ったことがきっかけでした。
その後、4年生の夏に古野電気のインターンシップへ参加したことで、就職活動への意識が高まりました。

この会社を選んだ決め手は?
Q. 数ある企業の中で、古野電気を知ったきっかけ・興味を持った理由を教えてください。
A.Nさん
高専は求人票の数がとても多く、企業選びにはかなり苦労しました。最初は業界や職種のイメージが明確ではなかったため、まずは一つひとつ求人票を丁寧に見ていくところからスタートしました。
そんな中で古野電気に目が留まったのは、魚群探知機というニッチな業界で国内外にトップシェアを持っている点や、グローバルに事業を展開している点に興味を感じたからです。
また、事業領域が幅広く、将来的にさまざまな仕事に関われる可能性があると感じたことも、大きな魅力でした。
H.Sさん
古野電気が「ホワイト500」(経済産業省が認定する健康経営優良法人の上位認定)に選ばれていることを知ったことが、志望理由の一つです。大手企業が多く名を連ねる中に選ばれていると知り、働く環境への安心感につながりました。
Q. 最終的に入社を決めた理由は何ですか?
A.Nさん
決め手となったのは、研修制度や福利厚生が充実している点です。様々なサポート体制が整っていることから、「人を大切にしている会社だ」と感じました。
OBや座談会社員のお話を伺う機会があり、実際に男性社員でも育児休暇を取得している方がいたり、育児や介護に関するセミナーが開催されていたりと、制度が実際に活用されていることや職場の雰囲気を知ることができたことも大きな後押しとなりました。
こうした点から「長く働けそうな環境かどうか」と「仕事の選択肢の幅があるか」という2点を重視し、入社を決めました。
H.Sさん
ホワイト500に選定されている点に加えて、生活面の条件も大きな決め手でした。
出身が鳥取ということもあり、地元に帰りやすいかどうかは就職先を考えるうえで重要なポイントでした。兵庫であれば高速バスで帰省しやすく、距離的にも安心感がありました。
また、本社のある西宮市は神戸や梅田へのアクセスも良く、プライベートも充実させやすい立地だと感じました。
仕事面だけでなく生活面も含めて考えたときに、自分に合った環境だと感じ、入社を決めました。
入社前の不安・実際どう?
Q. 入社前に不安だったことはありますか?
A.Nさん
一番不安だったのは、女性として長く働き続けられる環境かどうかという点でした。
将来的な結婚や育児といったライフイベントを考えたとき、職場の理解やサポート体制が整っていないと、働き続けることが難しくなるのではないかと感じていました。
H.Sさん
高専で学んだ知識だけで仕事についていけるのかという点と、人間関係への不安が大きかったです。
インターンシップでは良い印象を受けていたものの、「実際に入社したら雰囲気が違ったらどうしよう」という気持ちはありました。説明会やインターンシップでの印象と、日常の職場環境との間にギャップがあるかもしれない、という不安は正直ぬぐいきれませんでした。
Q. 実際に入社してみてどうでしたか?
A.Nさん
福利厚生の充実度については、入社前に感じていた通りで、安心できる環境だと実感しました。
一方、仕事面では最初は苦労することもありました。
入社当初は開発課に所属しており、開発業務と並行して、仕事の流れや業務に必要な知識を学び、理解を深めていく必要が当然ありました。私にとってそれらの両立は簡単ではありませんでした。
特に、納期が限られている状況では、思うように仕事を進められず、もどかしさを感じる場面もありました。
H.Sさん
入社後はすぐに仕事を任されるというよりも、まずは指導員の方がついてくださり、丁寧に説明を受けながら業務を進めていく形でした。分からないことがあってもその場で相談できる環境で、親身にフォローしていただけたので、安心して仕事に取り組むことができました。
不安に感じていた人間関係についても、実際に働いてみると優しい方が多く、インターンシップで受けた印象そのままに、安心して働けています。
1日の働き方のリアル
Q. 1日の仕事の流れを教えてください。
A.Nさん
出勤後はまず、メールとその日のスケジュールを確認するところから1日が始まります。
その後、生産調整会議に参加し、現在の生産状況や協力業者からの要望などを確認します。これらの内容を踏まえて作業指導書への反映や、治具の製作などの対応を行います。
業務を進める中で分からないことや判断に迷うことがあれば、関係部署や周囲の方に相談しながら進めるよう心がけています。

H.Sさん
9時過ぎに出社し、メールやTeamsの確認からスタートします。
日々システムに関する問い合わせが届くため、まずはその対応を行うことが多いです。その後は、新しい機能の導入に向けた設計書の修正や開発業務を進めつつ、1時間ほどの打ち合わせに参加します。
お昼休憩を挟んだ後は、ホームページの更新やマニュアルの修正・更新作業を行います。問い合わせ対応は午後も続くため、ユーザーサポートと開発業務の両方をバランスよく進めながら1日を終えます。
成長を感じた瞬間
Q. 成長を感じたエピソードを教えてください。
A.Nさん
生産工程全体の流れや仕事の進め方を把握できるようになってきたことで、以前よりも自分で考えて動ける場面が増えてきました。
経験を積む中で「次の工程では何が必要か」が自然とわかるようになり、優先順位を自分で判断しながら効率よく業務を進められるようになったと感じています。
周囲から「仕事が早くなったね」と声をかけていただくこともあり、自分自身でも着実な成長を実感しています。
H.Sさん
入社してすぐに関わり始めたPLMシステムが、5年越しに実際に稼働したときが、最も成長を感じた瞬間です。
プロジェクトでは、打ち合わせを重ねたり、設計書を作成したり、関係するユーザーへの説明会を行ったりと、導入に向けたさまざまなプロセスを一つひとつ経験しました。システム導入の進め方はもちろん、仕事への向き合い方まで、幅広く学ぶことができました。
実際に稼働したときは「やっと形になった」という達成感とともに、自分自身の大きな成長を感じることができました。
仕事が楽しいと感じる瞬間
Q. 仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?
A.Nさん
治具や業務効率ソフト制作など、ものづくりそのものはもちろん楽しいのですが、特にやりがいを感じるのは生産の立ち上げに関わる場面です。
立ち上げの際は、社内の関連部署だけでなく協力業者の方々とも連携しながら進めていくため、多くの人と関わりながら一つのものを作り上げていく一体感が、大きな原動力になっています。
ものづくりと現場の両方に関われる点も、この仕事ならではの魅力だと感じています。
H.Sさん
問い合わせ対応がうまくいったときや、自分が関わった成果にフィードバックをもらえたときに、やりがいを感じます。
例えば、作成したマニュアルに「見やすい」「分かりやすい」と言っていただいたり、システム改善後に「使いやすくなった」とコメントをいただいたりしたときは、特に嬉しく感じます。自分の仕事が誰かの働きやすさに直接つながっていると実感できる瞬間が、日々の励みになっています。

女性エンジニアとして、実際どう感じている?
Q.エンジニアとして大切にされていることは何ですか。
A.Nさん
普段は特に意識していなかったのですが、女性ならではの細やかな気配りや丁寧さは、仕事の中で自然と活きていると感じています。
作業指導書の作成や治具の設計で「読みやすい」「使いやすい」といった声をいただくことがあり、自分では当たり前にやっていたことが、気づけば強みになっていたのだと思います。
H.Sさん
「細やかさ」は、私も仕事の中で強みとして活きていると感じています。
特にマニュアル作成では、「どうすれば一目で理解できるか」をユーザー目線で常に意識しています。文字の配置や色の使い方など、細部にまでこだわることで、より見やすく使いやすいものになると考えながら取り組んでいます。
今後挑戦したいこと
Q. 今後チャレンジしたいことを教えてください。
A.Nさん
今後は、開発課や協力業者からの要望により的確に応えられるよう、治具の設計技術や検査ソフトに関するスキルをさらに伸ばしていきたいと考えています。
また、海外製品の製造にも携わってみたいです。
国内とは異なり、出荷ルールや使用できる物質の環境法規など、求められる知識や対応力も大きく変わります。そうした難しさも含めて、グローバルなものづくりに関わる経験を積んでいきたいです。

H.Sさん
5年間の業務を通じて、製造の流れやシステムの役割への理解がようやく深まってきたと感じています。これまでは指導員や先輩方のサポートを受けながら業務を進めることが多く、システムの要件や仕様を決める場面でも、自分から積極的に意見を出す機会はあまりありませんでした。
ただ、積み上げてきた知識や経験は確実に自分の中に蓄積されています。今後はそれを自信に変えて、現場のニーズを的確に捉えながら、自分の意見をしっかり発信できるエンジニアを目指していきたいと思っています。
【後輩へ】理系女子・高専生へのアドバイス
Q. これから就活する高専生にアドバイスをお願いします。
A.Nさん
2つお伝えしたいことがあります。
1つ目は、「等身大の自分で長く働けるイメージが持てるかどうか」を大切にしてほしいということです。条件や知名度だけでなく、実際に自分がそこで働く姿をリアルにイメージできるかどうかを、企業選びの基準の一つにしてみてください。
2つ目は、うまくいかないことがあっても落ち込みすぎないことです。失敗を振り返ることは大切ですが、必要以上に引きずらず、前を向いて進んでいくことが、結果的に良い方向につながると思います。
H.Sさん
できるだけ多くのインターンシップに参加してみることをおすすめします。
実際に現場を見て体験してみないと、会社の雰囲気や働き方、自分に合うかどうかはなかなか分かりません。さまざまな企業を見ることで、自分がどんな仕事に興味があるのか、どんな環境が合っているのかも自然と見えてきます。
就活を難しく考えすぎず、いろいろな会社や仕事を知る機会として、気軽に参加してみるのもいいと思います。
Q. 働くイメージは、どうやって持てばいいですか?
A.Nさん
インターンシップへの参加やOB・OG訪問、企業説明会など、実際に見て・聞いて・感じる機会をできるだけ多く持つことが大切だと思います。最近は企業の採用サイトやインタビュー記事も充実しているので、そういった情報もうまく活用しながら、少しずつイメージを具体化していくのが良いと思います。
高専からの就職は選択肢も幅広く、自分次第で大きく可能性を広げられます。だからこそ、自分の目で見て、自分の言葉で語れる「自分なりの軸」を、就活を通じて見つけていってほしいと思います。
今回お話を聞いた2人に共通していたのは、「実際に見て、感じて、自分で判断した」という就活への向き合い方でした。
高専からの就職は、選択肢も多く、可能性も広い。
だからこそ、まずは一歩踏み出してみることが大切です。
古野電気では、高専生のインターンシップ・会社説明会への参加を随時受け付けています。「どんな会社か知りたい」という気持ちから、ぜひ気軽にエントリーしてみてください。









