
農林水産業界とは? 理系の職種 ・年収・将来性・ESで志望動機の書き方
農林水産業界とは、農業・林業・水産業を中心に、食料や資源を生産する基盤産業です。
本記事では理系の学生向けに、仕事内容、年収、将来性、必要スキル、向いている人、就活でのESの志望動機の書き方まで網羅的に解説した、農林水産業界の業界研究です。
【業界研究】 農林水産業界とは?
農林水産業界とは、食料や資源を生産する一次産業であり、近年はAIやIoTなどの技術活用やバイオ技術の導入により、理系の人材の活躍領域が拡大しています。
農林水産業界の特徴
- 食料を支える社会基盤産業
- 景気に左右されにくい
- 地球温暖化など、自然環境の影響を受ける
- AIやIoTを活用したスマート農業やバイオ技術による技術革新が進行中
農林水産業界の企業の年収例
給与水準が高くないと思われがちな農林水産業界ですが、特に技術革新に注力している大手をはじめとした先端技術を活用している企業では、他業種と待遇面で比較しても遜色がない企業があります。
区分 | 社名 | 平均年間給与 |
農業機械 | クボタ | 8,609,216円 |
井関農機 | 6,306,638円 | |
水産 | ニッスイ | 8,355,658円 |
極洋 | 8,911,995円 | |
農業 | サカタのタネ | 7,018,000円 |
ホクト | 6,123,130円 | |
日本甜菜製糖 | 6,734,184円 |
出典:
【クボタ】 第136期(2025年)有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
【井関農機】 第101期(2024年)有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
【ニッスイ】 第110期(2024年度)有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
【極洋】 第102期(2024年度)有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
【サカタのタネ】 第84期 有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
【ホクト】 第62期(2024年度)有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
【日本甜菜製糖】 第127期(2024年度) 有価証券報告書 【従業員の状況】平均年間給与
農林水産業界での働き方
- 実証実験では屋外作業が必要な、職場やプロジェクトがある場合も
- 本社以外に、職種によっては地方勤務がある場合も
- 現場での作業が必要な場合、季節による繁忙差がある(旬などによる需要の変動)
- 研究開発職は比較的、勤務地や時間が安定している

農林水産業界の構造
農林水産業界は「農業・林業・水産業」の3分類に分かれます。
農業業界
- 作物生産(米・野菜・果樹)
- 畜産(酪農・養豚・養鶏)
- スマート農業(AI・IoT活用)
農学、農業経済、農業工学、農芸化学、農業資源、食料、バイオテクノロジー、応用生物、畜産・獣医学、生産技術などの農学系統の理系の学生におすすめの分野です。
林業業界
- 木材生産
- 森林管理
- バイオマスエネルギー
森林科学、森林経営、森林学、農林資源などの環境・資源分野の理系の学生に有利なフィールドと言えます。
水産業界
- 漁業(沿岸・遠洋)
- 養殖業
- 水産加工
理系の中でも、水産化学、水産資源、海洋環境、水産養殖、生命科学などの、水産・環境系統の理系の学生と相性が良い分野です。
上記で「農業・林業・水産業」の3分類によって、それぞれに向いている専門分野・専攻を記載しましたが、記載している分野以外にも、近年は情報系の学卒・院卒は、どの分類でも採用が増加しています。
農林水産業界の人気の理系職種の一覧、仕事内容
農林水産業界で人気の理系の職種と、学卒・院卒の専攻・専門分野として、相性がよいのは、どのような分野か確認してみましょう。
研究・開発
- 品種改良(農作物・魚類)
- バイオ技術開発
- 飼料・肥料の研究
研究開発職が希望の院卒に、有利な理系の職種が多くあります。
生産技術
- 生産効率の改善
- 農作業などの自動化・IoT導入
理系の生物・農学系では学卒採用も、多く見受けられます。
品質管理・品質保証
- 成分分析
- 人体や対象動物などの影響の検査・評価
- 規格適合性の検査・評価
微生物、環境衛生、分析化学などの知識を活かされることが多く、この職種では理系の学卒採用も比較的、見受けられます。
環境・資源管理
- 森林保全
- 水産資源管理
- 環境評価
「自然と関わることができる理系の職種」を検討している学生のニーズには、合致していると言えるのではないでしょうか?
【業界研究】農林水産業界の大手企業
- クボタ(農業機械)
- ヤンマー(農業機械)
- 日本ハム(畜産・食品)
- マルハニチロ(水産)
- ニッスイ(水産)
農業・食品分野は、環境・バイオ分野の中で、学卒が比較的多い理系の職種です。
【業界研究】農林水産業界の将来性・今後の動向
- スマート農業の拡大(AI・IoT)
- 人手不足による自動化の需要
- 食料に対する安全の重要性が増加する
- 日系企業による海外での生産拡大
将来性は、「通常~高い」と考えられます。
根拠は、技術革新が進むことによって成長できる企業が多いからです。
技術革新による進歩に関われる点は、農学や生物系の理系の学生にとって魅力的です。 このため、志望業界の候補として十分に検討できる分野と言えるでしょう。

【業界研究】農林水産業界に必要な専攻や専門分野
- 農学・生命科学
- 生物学・化学
- 環境工学
- 情報系(AI・データ分析)
従来は農学・生物・環境の専門分野が中心でしたが、特に近年では情報系人材の需要が急増していますので、情報系の分野での理系の職種を探している学生にとっては、狙い目と言えるのではないでしょうか?
農林水産業界で働くことが向いている人柄・性格
- 自然や環境に興味がある
- 社会貢献性を重視する
- 現場での仕事に抵抗がない
- 長期視点でのアウトプットがしたい
農林水産業界で働くメリット
- 社会貢献性が高い
- 景気に左右されにくい
- 今後、技術革新の余地が大きい
社会貢献や技術革新に興味がある学生にとって、良い環境と言えるでしょう。
農林水産業界で働くデメリット
- 年収がやや低め
- 本社勤務以外では、地方勤務が多い
- 天候リスクがある
温暖化など、自然環境が相手であることに起因するリスクがあることを理解する必要があります。

【業界研究】農林水産業界の就活FAQ
Q. 院卒は有利なの?
→研究・開発職では有利。特に品種改良やバイオ系は院卒が主流です。
一方、生産技術などでは学卒の採用も期待できます。
Q. 残業や働き方はきつい?
→部署やプロジェクトにより、季節や天候により繁忙期があります。
収穫期や繁忙期は忙しくなる一方、閑散期は比較的落ち着きます。
Q. 年収はなぜ低めなの?
→一次産業は価格競争が起きやすく、高付加価値化が難しいためです。
ただし、新技術の導入によって付加価値が大きくなり、改善傾向にあります。
Q. 待遇がよい企業はある?
→あります。
特に大手食品企業や農業機械メーカー、商社系は比較的待遇が良い傾向です。
Q. 地方勤務は必須?
→会社や部署によって多くの場合あります。特に生産・現場系は地方配属が基本です。
ただし、本社機能や研究所は都市部での勤務の場合もあります。
Q. 将来性はある?
→あります。食料需要は世界的に増加しており、スマート農業や、バイオ技術により成長余
地があります。
Q. 理系で特に有利な専攻は?
→農学・生命科学が王道ですが、最近は情報系(AI・データ分析)も強く求められていま
す。
Q. 大学時代の研究で、農業・水産分野が未経験でも農林水産業界に就職できる?
→可能です。特に理系の学生は専門知識を活かせるため有利ですが、未経験でもインターン
や企業研究を通じて志望動機を明確にすれば十分にチャンスがあります。
Q. インターンは参加すべき?
→必須レベルで、参加すべきです。
特に現場理解が重要な業界で、実体験が志望動機に直結することから、ESで実体験にも
とづく重みのある書類が作成できるようになることで、選考が通過しやすくなる大きなメ
リットがあります。
Q. ブラックになりやすい分野はある?
→大手企業はほとんどがホワイト企業ですが、企業により労働環境の整備に問題がないとは
言い切れません。平均勤務年数・勤務体系・残業など、必ず確認しましょう。
Q. ストレスは?
→農林水産業界では自然環境の変化が、業務、待遇や勤務の繁閑などに影響を与える場合が
あります。自然環境というコントロールできないことに影響を受けることへのストレス
は、避けられないと言えるでしょう。
Q. 農林水産業界と他業界との違いは?
→・ IT業界:デジタル中心 vs 自然中心
・ メーカー:加工中心 vs 生産中心
・ インフラ業界:安定性が近いが、個別に見ると収益性に差がある

農林水産業界で就活する場合、ESでの志望動機の書き方
農林水産業界は、志望動機の完成度が入社試験での選考通過率に大きく影響する業界です。このため、志望動機は検証・校正を行って、記載しましょう。
■ 基本構成
① なぜ農林水産業界か?
② なぜその企業を選ぶのか?
③ 自分の専攻や経験(インターン含む)とのつながり
■ 高評価のポイント
・ 「食料問題」「環境問題」を軸にする
・ 自分の研究・専門分野とつながっている
・ 企業の強みに触れる内容となっている
■ 例文①(一般的なパターン)
「私は◯◯の研究を通じて食料問題に関心を持ちました。中でも貴社は△△分野に強みを持ち、技術で課題解決している点に魅力を感じ志望しました。」
■ 例文②(技術志向パターン)
「大学でデータ分析を学ぶ中で、農業分野における効率化の可能性に興味を持ちました。貴社はスマート農業に積極的に取り組んでおり、自身のスキルを活かして生産性向上に貢献したいと考え志望しました。」
■ 例文③(社会貢献志向パターン)
「幼少期から食に関わる経験を通じて、安定した食料供給の重要性を実感してきました。貴社の取り組みは社会課題の解決に直結しており、その一員として価値を提供したいと考え志望いたしました。」
■ 例文④(環境・サステナビリティ志向パターン)
「環境工学を専攻する中で、持続可能な資源利用の重要性を学びました。貴社は環境配慮型の農業・水産事業を推進しており、自身の知見を活かして持続可能な社会の実現に貢献したいと考え志望しました。」
農林水産業界の業界研究まとめ
農林水産業界は、食料と資源を支える重要な産業であり、理系の学生の就職先としても注目されています。
近年はAIやバイオ技術の導入により、理系の人材の活躍の幅が広がっています。
特に、社会貢献性を重視する理系の学生にとっては、有力なキャリア選択肢のひとつの業界と言えるでしょう。







