【先進技術&エンジニア紹介 コンチネンタル・ジャパン】 チーフエンジニアインタビュー
コンチネンタルはブレーキシステム、車載センサー、車載エレクトロニクス、HMIなど多くの革新的な技術や製品をモビリティ社会へ送り出し、自動車技術の発展に貢献してきました。シャシー系やインテリア系など幅広い範囲で、歴史の長い従来技術から先進的なものまで、これまでにも多くのものをカーメーカーへ提供してきました。そのような幅広い事業領域において様々なバックグラウンドをもつエンジニアが活躍しており、コンチネンタル・ジャパンでは新卒採用だけではなく、中途採用も積極的に行ってきました。他社での経験を活かしながら更なる成長を目指し、コンチネンタル・ジャパンで活躍しているエンジニアがチームを構成してパフォーマンスを発揮しています。
今回は、ヘッドアップディスプレイ技術とそれに携わるエンジニア Yuanrun.Tにフォーカスして、その組織が扱っている技術とエンジニア自身の経歴などについてインタビューをしましたので、皆さんにご紹介します。
Yuanrun.T/ ヒューマンマシン・インターフェース事業部(Business Unit HMI)
中国の大学を卒業後、現地にてエンジニア業務を経験し、その後日本の大学院へ進学。大学院修了後は日本企業へ就職し、車載製品関係の仕事に携わり数年間の実務経験を積む。その後、2016年にコンチネンタル・ジャパンへ転職し、計器・ドライバーHMI(現 ヒューマンマシン・インターフェース)事業部にて勤務を開始。現在は、同事業部にてチーフエンジニアとして日々新技術に携わりながら、数名の部下の管理も担当。
先進技術について
Q. 現在、国内で展開を検討・予定している最先端技術があると伺っていますが、どういった技術なのでしょうか?
先進技術と言えるものは2年前に発表したWaveguideヘッドアップディスプレー(HUD)です。ドライバーの視線の先でホログラムのような虚像を映し出し、ドライバーが直感的に関連情報を視線の先で直接確認できるようになります。虚像のサイズを大きくするのがいまのトレンドですが、容積を大きくすることが難しいのです。Waveguide HUDはミラーを使っていないため容積が小さい。従来のHUDよりも容積を3分の1まで小さくしながら、虚像のサイズを大きくすることができるのが、この技術のすごさです。そして、この技術はコンチネンタルにしかできないことなのです。
※Waveguide HUDについては下記リンクをご参照ください。
Q. その技術製品はどのように社会貢献していきますか? もしくは、ご自身の観点より将来的にどのように社会貢献していってほしいと願いますか?
Waveguide HUDが導入されたときのインパクトとして、拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR HUD)を実現できるようになります。今あるHUD技術でもある程度のものはできるのですが、容積サイズや、熱の問題もあります。Waveguide HUDが採用されることによって、そういった問題の解決が期待されています。AR HUDを高級車のみならず、一般車にも搭載させることによって、安全かつ快適に運転できる体験をより多くのユーザーに提供することが可能になります。
Q. このプロジェクトの面白い部分、難しい部分を教えてください。
もともとはアメリカのとある企業が持つ技術でしたが、コンチネンタルはその企業と提携しました。車載向けには独占契約としています。この技術は非常に難しく、車載分野への応用は初めての事例になります。すでに民生製品の量産に実績があるにも関わらず、解決すべき技術課題が多くて、実用化にはまだ時間が掛かると思われます。実用化へ向けて、開発やテストなどを繰り返しているところです。
ご自身のキャリアについて
Q. コンチネンタルへの入社のきっかけや決め手について教えてください。
コンチネンタル・ジャパンは転職活動を通じて知りました。先進技術開発に携わりたいという気持ちが強く、そのチャンスがあればと考えながら企業を探していました。当時、コンチネンタル・ジャパンはカスタマープロジェクトリーダーのポジションを募集しており、最先端技術に触れることができる業務内容に興味をもっていたため、転職することを決めました。
Q. 入社して良かったと感じたことは何でしたか?
管理職として入社し、しばらくは自分のノウハウや能力を試すことができる業務であったため、非常に良い経験ができたと思います。また、コンチネンタルでは先進技術開発に積極的であり、常に新しい製品や技術が生み出されていて、それらに触れながらグローバルに仕事ができていることには満足していますね。
Q. 現在の仕事内容とその魅力について教えてください。
現在のポジションはチーフエンジニアです。
常に新しい技術を見る仕事でもあります。その新しい技術をお客さんへ紹介・提案し、取り入れていただくことが私のミッションです。一方で、昨年から部下を5人管理するようになりました。自分の仕事の管理だけではなく、人の管理まで担当するようになって仕事の幅が広がり、やりがいを感じています。年齢層も幅広く、苦労することもありますが、それも自分のキャリアの幅を広げるという意味ではとても良い経験となっています。
日常的に新しい技術に触れられる環境があり、エンジニアや組織の人間としてキャリアップしていくことができるという点が魅力だと感じます。
Q. ご自身の業務の中で達成感を感じるのはどんな時ですか?また、大変なのはどのようなときですか?
新しい技術をお客様へ紹介したとき、関心を持ってもらえると達成感を感じます。新しい情報をキャッチして、相手に分かりやすいように噛み砕いていく。ここが自分たちの力が問われるところなのです。
以前、あるカーメーカーのマネージャーがコンチネンタルのドイツ拠点で現地社員に直接話を聞いたことがあります。その際何が起こったかというと、ドイツ現地の社員が専門性の深い話をそのまま伝えてしまったため、そのマネージャーが興味をなくしてしまいました。コンチネンタルが何をやっているのか分からないという印象を与えてしまったのです。
このようなエピソードからも、自分たちの身近なものに例えるなど、いかに分かりやすく説明するということが、どれほど重要かとてもよく分かります。
Q. ご自身の将来について、今後の描かれているキャリアパスを教えてください。
いくつかのキャリアパスを検討しています。たとえば、セグメントチーフエンジニアも視野に入れていますが、量産に戻り、あるカーメーカーのPJで経験を積んで次のステップへいくことも考えています。また、中国へ向けたビジネスがあれば関わっていきたいという気持ちも持っています。
コンチネンタルでは、国内外問わず、社内異動であればグローバルネットワークを通じて海外拠点への異動のチャンスを検討することもできます。そういった選択肢を持てるという点がコンチネンタルの良いところですね。
学生へのメッセージ
Q. 次世代エンジニアの方々へメッセージをお願いします。
コンチネンタル・ジャパンには仕事の進め方や働き方、キャリアパスの選択などにおいて自由な文化があります。また、グローバルネットワークを重視している環境はとても良いと思いますし、自主的に何かを成し遂げていけるようになる環境もあると感じます。成果物をしっかり出していくという根本もあり、私自身もそれはあってしかるべきだと考えています。このような環境を面白いと思える方にコンチネンタルへ入社して頂きたいですね。
2020年8月現在