【ダッソー・システムズのブランド紹介】 SIMULIA編

ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームは、知識とノウハウのプラットフォームであり、企業と人々が全く新しい方法でイノベーションを起こすためのゲームチェンジャー的なコラボレーション環境です。3DEXPERIENCEプラットフォーム上には、現在、13のブランドアプリケーションがあります。

全体の概要についてはこちらの記事をご覧ください→ ダッソー・システムズの13のブランドとは


今回は世界を解き明かすリアリスティック・シミュレーションを可能にするアプリケーションを提供するシミュレーション・ソフトウェア【SIMULIA】をご紹介します。

SIMULIA JAPANの今村さんにお話を伺いました。

今村さん

役職と仕事内容をおしえてください

私の所属は、SIMULIAブランドで、ブランドマーケティングを担当しています。

SIMULIAの主な機能をおしえてください

SIMULIAはシミュレーション・ソフトウェアのブランドなので、SIMULIAには数々のシミュレーションツールがあります。

例えばクルマの衝突実験などをする構造解析、乗り物の空気抵抗を考えるのにつかわれる流体解析、建設機械の環境騒音を考慮する音響解析、携帯電話の5Gの活用を可能にする電磁界解析、クルマの乗り心地を良くする機構解析といった数値シミュレーションツールです。

SIMULIAを使うメリットは何ですか?

数値シミュレーションを使う事によって、物理的にモノを作っておこなう実験をシミュレーションに置き換える事が出来ます。例えば、携帯電話を何回落とすと壊れるのかといった落下実験をプロトタイプの携帯電話を沢山製造して人がずーっと落とし続ける代わりにシミュレーションで落下実験を実施します。実験をシミュレーションに置き換えることで、物理実験のように「何回落としたら壊れる」だけでなく、どこからどうやって、「どうして」壊れていくのかも理解することが出来ます。

また、心臓の血管を広げる為に使われるステントと言われる医療器具は、生きている人に開発中のステントを入れて実験すると言った物理実験が不可能なため、シミュレーションが活用されています。

また、5Gのような新しい通信システムの開発では、今まで以上の通信スピードを目指しますが、合わせてスマホから出る電磁放射線の影響を低くするといった、相反する条件を満たすためにシミュレーションが利用されています。

ダッソー・システムズでは11のインダストリーを定義していますが、SIMULIAはどのインダストリーを対象としていますか?

すべてのインダストリーで多岐に渡り使われています。

以下の各インダストリーでは、製品等が破損しないか、安全に使用できるか、やけど・部品が熱によって溶けないか、同様に、製品が発熱しても効果的な風流れで冷却できるか、製品が移動・動作する場合にもスムーズに問題無く動くか、移動・動作している時に異常な音や振動が発生しないかを製品設計している段階からコンピュータ上でシミュレーションを行い評価・検討することで、短期間で効率的に製品設計が可能になるからです。

航空宇宙・防衛:

軽く安全な機体設計、ジェットエンジンの性能検討、機体・エンジンのバードストライクの影響を検討、機内の効果的な空調システムの設計、落雷時の安全性等

自動車・輸送機械・モビリティ:

自動車の燃費・電費を向上するための軽量で高剛性なボディ設計、バッテリが安全に使用できるかの検討、衝突時の安全性、運転中の騒音や振動、乗り心地などの性能向上、効率的に車内が快適になる空調設計等

医薬品・医療機器:

心臓を数値モデル化し手術やカテーテルなどの医療機器が安全に効率的に使用できるかの評価・検討、ステント・人工関節・義足・注射針なども破損や変形しないかの検討等

産業機器:

建設機械などで油圧駆動する機器の設計、どの速度域でもタイヤが破損しない等の安全性の検討や騒音、振動を小さくする性能設計等

ハイテク:

スマートフォン等の発熱対応の設計やロバストなアンテナ設計、プリンターの機構設計等

建設・都市・地域開発:

都市や建物内の熱や風流れを評価し、空調システムや都市設計へ活用

パッケージ製品・小売業:

おむつ、パッケージの安全性や触り心地等

ビジネスサービス:

進化する自動車用電動機の設計技術

https://compassmag.3ds.com/jp/13/All/node_4034#_ga=2.94531676.1977419354.1591326053-aab91130-3af3-11e9-807f-079c390f5ab8

エネルギー・資源 :

GEOVIAブランドアプリケーションを使って発掘された貴金属の最適な使用目的を検討

ホーム・ライフスタイル:

自転車、トランポリンの安全性等

船舶・海洋:

アレーアンテナ(海上にいてもWiFiがつながるようなアンテナ設計)、ヨットの設計

https://www.3ds.com/insights/customer-stories/sunreef-yachts

どんな役割の人に使われていますか?

解析者、設計者といわれる方々です。

他のブランドアプリケーションとの相互関係はありますか

CATIAで設計されたデータから直接SIMULIAのシミュレーションツールを使って、解析する事が可能です。また、CADのデータ、解析結果などをENOVIAでデータ管理し、効率的にデータの再利用・活用をして頂けます。Additive Manufacturingでは、CADのデータからDELMIAでヴァーチャルプリンター環境を設定し、積層造形のシミュレーションの一連の作業を実施する事が可能です。

3DEXPERIENCE プラットフォーム上にあるおかげで他のソフトウェアとの連携がとれて、開発のすべての工程がプラットフォーム上で行えるのですね
具体的な開発の流れをおしえてくれますか

プラットフォームに情報を乗せる事で、バラバラだった情報が一つの場所にまとまるだけでなく、利用者(設計者,プロジェクトプランナー,製品管理者)もそれぞれを繋いで実行できるので、情報の共有が容易になりより早く問題を解決する事が出来ます。

例えば、みんなが使っているスマホ。これも、アンテナ基地局が近くにあるから使えていますよね。こらから5Gになると、新しいアンテナ基地局が必要になります。そのための新しいアンテナを作るとき、重要なことは,早く設計・設置(みんなが早く使えるようになるため)、電波受信の精度を高く(いつでも,どこでも5Gネットワークに接続できて電波が切れなくするため)、動きながらでも利用できる(車や電車に乗っている時に通信をしたり、自動運転などにも利用できるように)、など設計の条件であったり、市場からの要求などを色々と考えないといけません。3DEXPERIENCE プラットフォームでこの問題を解決するとき、以下のような流れになります。

ここでは、①~⑧は、別々のチームであったり、監督者・設計者であると仮定します。この場合、いろんな立場の人が登場するため、それぞれやりたい事を満足させて行くには、いろんな機能・結果・設計などのデータなどが一つの場所に集まっている必要がある事が良く分かりますよね。物作りは一人で行うのでは無く、チームや組織を横断し、大人数が参加し行うためです。このため、方向性であったり、問題点の共有などは、問題抽出と解決に非常に重要になります。


①要件:上で挙げたような、どんな製品を作らなくちゃいけないのか。

②アンテナ設計:電磁場解析で、どんなアンテナ設計が良いのかを検討

③アレーアンテナ設計:電磁場解析でアレーアンテナと呼ばれる従来のアンテナに機能を付加したアンテナの設計検討

④アンテナの筐体設計:アンテナ基地局は屋外に設置されるので、筐体が頑丈である必要があります。ただし、高い所に設置されるのであまり重すぎると、設置が難しくなるので、ある程度軽くしなくてはいけない。ただし,軽すぎて風に弱くても,太陽光の熱で変形してしまってもいけません.これをCADの設計データから、構造・流体・熱の解析をします。

⑤設計検証:①~④までを合わせて設計検証.④で述べたような性能のトレードオフについては十分な検証が各解析専任者同士で行ったりします.勿論,最終的に筐体に入れる必要性や見た目の問題もあるので,筐体設計者やデザイナーからの適切なフィードバックも必要になります.

⑥RFの干渉チェック:RFとは無線通信です。無線通信には,WiFi,Bluetoothに代表されるように様々な規格があります.もちろん,アンテナ設置においても5G以外に既存の4GであったりTVの電波などがあります.このような他の電波が入り込み,通信用の電波を阻害してしまわないかの確認

⑦システムの互換性・トレードオフ解析:利用したいスマホや通信機器との互換性をチェック

⑧要件の検証:①であげた、要件と最終的にあっているのかの確認


①、⑧:ENOVIA

②、③、⑤、⑥、⑦:SIMULIA

③:CATIA, SIMULIA

このように3DEXPERIENCE プラットフォーム上では、ユーザーがやりたいシナリオによって、アプリケーションを選択し構築する事になります。

他にも身近な国内事例はありますか

皆さんが毎日使っている家の鍵でMIWAと鍵に書いてあるのを見たことがあるかもしれません。美和ロックさんでは、SIMULIAのソリューションを使って、防犯性と利便性を兼ね備えた製品開発に利用されています。

https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2002/28/news009.html

昨今の新型コロナウィルス関係で役に立った事例はありますか

新型コロナウィルスの最初の感染地となった中国武漢で、短時間に病院が建設されたニュースを見た方もいるかと思います。その病院建設では、どのようにして病室内での汚染の拡散が効率的に抑制され、患者と医療従事者の相互感染を防ぐことができるレイアウトを採用するかについて、SIMULIAのソリューションが使われました。

https://blogs.3ds.com/japan/simulia-xflow-covid-19/

今後はどう展開していきたいですか

私たちの生活は新型コロナウィルスによって、今までの常識が全く通用しなくなってしまいました。これからどのようにして、私たちはこの目に見えない敵と共存しながら、これまで普通だった学校に行くこと、友達と遊ぶこと、旅行に行くこと、運動する事などを取り戻していくのか、が大きな課題だと思っています。今までとは少し違うかもしれないけど、私たちの楽しい日々を取り戻すためにSIMULIAのソリューションが活用できるように、さらに研究を重ねて新しいタイプの解析にも対応できるようにしていきたいと思います。



ありがとうございます。

これからもダッソー・システムズのブランドを紹介する記事を掲載していく予定なのでどうぞ楽しみにお待ちください

会社情報

 社名 ダッソー・システムズ株式会社
 設立  1994年6月2日
 事業内容

ダッソー・システムズ株式会社はダッソー・システムズ(欧)の100%子会社であり、2019年に設立25周年を迎えます。ダッソー・システムズ製品群の販売、マーケティング、サポート、受託開発、R&Dならびに関連業務を行っています。自動車業界をはじめ、航空宇宙、造船、産業機械、ハイテク、消費財、建築や都市設計、エネルギー、ライフサイエンスなど

幅広い業界・分野において日本や世界の優良企業を支援し、そのビジネス変革に貢献しています 

 url  https://www.3ds.com/ja
 住所 〒141-6020 東京都品川区大崎2丁目1番1 ThinkPark Tower 
 

資本金

 27億4,609万円
 代表者  フィリップ・ゴドブ
 従業員数 629人(2019年10月31日時点) 
 サービス 当社の3Dソフトウェア技術を使用することで、自動運転車、宇宙エレベータ、ハイパーループ、航空機、客船、ロボット、高機能家電、義肢、五輪向けの大規模スタジアムなどが形になっています。近年では世界の3Dプリンタをつなぐマーケットプレイスの提供、シンガポールなどの各国のスマートシティ化、バーチャル心臓を使った心疾患研究プロジェクトなど、製造業の枠を超えたさまざまな業界の変革とイノベーションをけん引しています。
 カルチャー 日本法人では現在、日本を含む18ヶ国・地域のさまざまなバックグラウンドやスキル、ノウハウを持つ社員が、男女の別なく活躍しています。また、社内はコラボレーションの文化が根付いています。日本を含む全世界の社員は社内クラウド・プラットフォーム上でつながることができ、共通のミッションのもとにお互いのスキルとナレッジを持ち寄り、自由に意見を交わしながら課題解決に取り組んでいます。業務外においても社員が交流できる機会として、フットサル、バスケットボール、ランニング、アート、写真、ヨガなどのクラブ活動が行われています。また、社員のワークライフバランスや女性のキャリア形成など、働きやすい環境を整備するための活動も社員を中心に積極的に推進中です。