【仕事紹介】エネルギー開発で活躍する技術者「地質技術者編」
INPEXは、エネルギーの開発・生産・供給を持続可能な形で実現することを通じて、より豊かな社会づくりに貢献しています。【仕事紹介】シリーズでは当社で活躍している技術者に焦点を当て、それぞれの役割について紹介していきます。
第四弾では、上流事業の幅広いフェーズで活躍することができる地質技術者についてご紹介いたします!
地質技術者(Geologist)とは
エネルギー開発の流れについては以前の記事でご紹介いたしました。
▼【紹介】エネルギー(石油・天然ガス)開発とは?
その中で、鉱区取得から生産販売まで、全てのフェーズでそれぞれ活躍の場がある技術者、それが、地質技術者(Geologist)です。
油ガス田が成立するためには特定の地質条件が全て揃っている必要があります。鉱区取得・探鉱フェーズでは、対象とする地域がそれらの条件を備えているか、データをもとに予測し、探鉱価値があるか、井戸を掘るのであればどこに掘るのかを検討します。
次に、評価フェーズでは、石油・天然ガスが見つかった場合に、井戸のデータを解析し、油ガス層の広がりを推定した地質モデルを作成し開発の可能性や開発する場合の計画策定に貢献します。
最後に、生産販売フェーズでは、開発のために掘られた井戸で取得されたデータを用いて地質モデルを更新し、他分野の技術者とともに最適な生産を目指します。
油ガス田はどこにあるの?
油ガス田が成立するためには、次の5つの地質条件が揃っている必要があります。地質技術者はさまざまなデータから対象地域がこれらの条件を備えているか予測します。
① 有機物に富み熟成した岩石(熟成根源岩)
② 生成された石油の移動・集積
③ 孔隙の発達した岩石(貯留岩)
④ 石油を胚胎する構造
⑤ 油ガスの上方移動を妨げる岩(シール岩)の形成
どんなデータを使って油ガス田を探すの?
対象地域の地史・研究論文や探鉱・生産実績に関する情報収集はもちろんですが、その他に地下の様々な物性値データを使用します。代表的なものには以下のようなものがあります。
マッドロギング:掘削中のほぼ全区間データにおいて取得するデータであり、井戸の堀くずや掘削パラメーターなどの記録。
岩石コア:直径約5インチの岩石サンプル。
物理検層データ:井戸内に測定器を降ろし、井戸近傍の地層の物性値を深度に対して連続的に計測したもの。
物理探査データ:反射法地震探査、重力探査、磁気探査、電磁探査など。
不確実性とリスク
油ガス田開発のためには投資判断をする必要がありますが、各種コストや対象国との契約条件、油価・為替予測などのほか、地質リスクも考えなければなりません。直接見る事ができない地下を、限られたデータを用いて評価するため、不確実性とリスクは必ず存在します。地質リスクとは、石油システム (=上記5つの条件)成立の不確実性と経済性に対する埋蔵量の不確実性(=経済的成功確率) があります。私たち地質技術者は他分野の技術者とも協力しながらこういったリスクと不確実性も考え、次のフェーズのための提案をしていかなければなりません。
最後にリケジョのみなさんへ
当社内での教育については、入社後すぐに新入社員は専門別座学研修を受けることができます。学生時代に地質、物理探査、油層、生産、掘削、施設、HSEに関して勉強したことがない方も多く入社されていますので、理学・工学等の理系のバックグランドがあれば、新入社員研修を通じて初心者でも充分に知識を身につけることが可能です。
日本のエネルギーへの安定供給、暮らしの豊かさの確保に挑戦したい方、少しでも我々の業界や地質技術者の業務が面白そうと感じられた方は是非当社のホームページをご覧いただき、当社主催・共催のイベント等にもご参加下さい!この記事を通じて、皆様の今後を考えるひとつの参考になれば幸いです。