INPEX 物理探査技術者の山本希美さんにインタビュー! オーストラリアでの地震探査業務の様子を聞いてみました!
--自己紹介をお願いします。
INPEXで物理探査技術者として働いている2018年入社の山本希美と申します。私は大学・大学院で地球物理学を専攻し、地球内部の地震波伝播に関する研究を行っていました。
就活を進める中で、今後数十年でダイナミックに変わるであろうエネルギー業界で働いてみたいという気持ちが強くなり、自分の専門性を活かして地下資源の探査に携わることができること、またそのプロジェクトのスケールの大きさに惹かれ当社を志望しました。
入社後は、1年弱の新入社員研修を経て欧州・中東事業本部に配属され、物探技術者として複数の海外プロジェクトに携わってきました。
4年目の後半に海外現場研修として、オーストラリアの海上震探収録のため船上で約6週間業務を行いました。下船後はパース事務所で4か月ほど勤務しました。
--現在の部署や業務内容についてお聞かせください。
研修では、西オーストラリア沖合探鉱鉱区のオペレータープロジェクトに携わり、地震探査船で収録したデータの品質をほぼリアルタイムでチェックし船上での処理品質をより高めるための業務を行いました。
私が乗船した地震探査船は中国の収録会社の船で、全クルーのうち半数を占める震探クルーは中国人、あとの半分は主にオーストラリア人の海上クルー(収録以外の船上業務を行う人達)です。
船上での業務は主に、日々の収録作業のモニタリング、収録トラブルの詳細把握とオフィスへの報告、震探データ処理の品質チェックです。
震探処理は全ての収録完了後に本処理が行われるのですが、その前に船上で震探クルーの技術者が簡易的処理を行い、今回収録されたデータによる地下のイメージング品質はこんな感じですよ、ということをオペレーター(当社)側に示してくれます。
しかし、収録データ自体が高品質でも処理のかけ方によって我々が見たい地下のイメージは大きく変わるため、処理品質をチェックする業務の責任は大きいです。
処理の技術者と議論しながら、最適な処理フローやパラメータを提案していかにデータの品質を高められるかに向き合い、限られた時間の中でも最適なイメージング品質を得て新たな油ガス田の発見に貢献できる喜びを感じられた業務でした。
--キャリア目標や達成したいことを教えてください。
長期的には新分野エネルギー(地熱やCCUS等)で、環境に配慮したエネルギー事業を大きく前進させるような仕事がしたいと考えています。
当社はそのような芽を幾つも育んできており、それが実を結ぶかどうかは今の若い世代に掛かっているのではないかと思います。
そして今私ができることは、技術者としての専門性を高めるとともに、技術以外の引き出し(例えばプロジェクトの契約やコストなど)を可能な限り増やしておくことだと考えています。
そのために、日々目の前の業務に向き合いながら、疑問を持って自分の頭で考え周りの人と議論し、知識や考え方をアップデートし続けることが大切だと感じます。
海外研修を経験し、国籍やバックグラウンドが異なる沢山の人達と一丸になってプロジェクトを動かす人達の日々の業務の緊張感やスピード感、事態が進展した時の喜び等を肌で感じました。
私も今後、責任ある立場で未来あるエネルギー事業を動かすことができるよう精進したいです。
--最後に、就活している、あるいは今後控えている理系女子学生向けにメッセージをお願いします。
自分が将来どうなりたいかという気持ちに正直になること、迷ったら自分にとって大きな困難と成長が待っていると思える方を選ぶことが、自身が納得する方法だと私は思っています。
勿論就活は人生の中で大きな転換点ですが、皆さんの人生は今後の方が長く仕事だけではないはずです。ワークライフバランスを大切に、やりがいを感じられる仕事を見つけ、自信を持って一歩を踏み出せることを応援しています!
(船上での)ある1日のスケジュール
07:30 出勤、メールチェック、収録作業進捗の確認。
08:30 事務所とオンラインミーティング、進捗報告と業務予定の確認。
09:30 船上でのデイリーミーティング。
10:00 収録デイリーレポートをチェック、不明点を担当者に確認。
11:00 船上での緊急時脱出訓練。
11:30 昼食。
12:30 処理されたデータのチェック、担当者とパラメータについて議論。
14:00 レポート作成。
16:00 作業トラブルについて担当者へヒアリング。
16:30 退勤、キャビンへ戻る。