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【連載】国家公務員《技術系》職員が携わる業務を紹介します⑤ 農林水産省・環境省

 シリーズでお届けしている国家公務員の技術系職員が携わる業務について、最後となる今回は農林⽔産省の森林管理分野の業務と環境省の⾃然保護管理分野を紹介します。


農林⽔産省 Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries

 我が国の⼈⼯林資源は本格的な利⽤期を迎えており、林野庁では、適切な森林の経営管理により「伐って、使って、植える」という形で循環利⽤を図っています。このためには国産材の安定供給と共に、需要拡⼤が重要であり、住宅分野での国産材利⽤率の向上に加え、中⼤規模建築物の⽊造化、耐⽕⽊質部材やCLT の利⽤促進、⽊質バイオマスのエネルギー利⽤、⽊の良さや価値を実感できる「⽊育」などの普及啓発などに取り組んでいます。



 国有林野事業は、国内最⼤の森林所有者として、林業事業体への事業の発注を通じ、その経営能⼒の向上等を促しています。⼀例をあげると、全国の森林管理局では、⼀定の区域において間伐及び路網整備を⼀括して発注する取組を進めており、この取組では、林業事業体が創意⼯夫した効率的な路網整備や⾼性能林業機械を組み合わせた作業システム等を企画提案することになっており、⽣産性の向上や林業事業体の育成整備につながることが期待されています。



 森林環境教育の場として国有林野の利⽤を進めるため、森林環境教育のプログラムの整備やフィールドの提供等に取り組んでいます。

 この⼀環として、学校等と森林管理署等が協定を結び、国有林の豊かな森林環境を⼦供たちに提供する「遊々の森」の設定を進めています。

 また、森林環境教育の推進を図るため、教職員等への普及啓発や林業体験の指導、森林環境教育のプログラムや教材の提供等に取り組んでいます。


職員に聞く
「現場での経験を⽇本の森林づくりに活かせる職場」

 私は国有林現場の最前線である森林事務所に勤務しています。普段の業務では、国有林に⾜を運び、⽊材⽣産等の請負事業の監督、収穫調査、林道や登⼭道の点検等を⾏っています。また、詈察署や市役所との合同パトロールによる⼊⼭者への⼭⽕事防⽌の呼びかけや、地域の⾃然保護団体と合同で湿原の獣害対策のための電気柵の設置を⾏うなど、地域におけるさまざまな活動を⾏っています。

 私は⼊庁以来、林野庁本庁、森林管理局及び森林事務所での勤務を経験してきました。林野庁では、政策⽴案等を担う本庁から現場最前線の森林事務所までさまざまな視点で森林に携わることができます。また、現場勤務で得た知識や経験を⽇本の森林・林業政策に活かすことができるため、やり甲斐を感じています。

※記載された役職・業務内容は執筆時のものです。

〇農林⽔産省の採⽤情報はこちら


環境省 Ministry of the Environment

 年間4 万種の⽣物が絶滅するとされる現代、⾃然の豊かさをどのように保全・回復し、国⺠がその恵みを受けられるようにしていくか、⾃然系技官(通称、レンジャー)はその課題に正⾯から向き合います。そのアプローチは、国⽴公園の指定・管理や希少な動植物の保護だけでなく、ペットの適切な飼養から、ビジネスとの連携による⽣物多様性保全まで多岐にわたります。霞が関から、美しい国⽴公園、途上国、果ては南極まで、バラエティ豊かなフィールドで働くことができます。



国立公園内を巡視するレンジャー


里山に放鳥され、定着しつつあるトキ


環境調査で訪れる南極大陸



 2022 年12 ⽉に開催された⽣物多様性条約COP15 において、⽣物多様性保全のための新たな世界⽬標「昆明・モントリオール⽣物多様性枠組」が採択されました。この世界⽬標の⼀つである「30by30 ⽬標(2030 年までに陸と海の30%以上を保全する)」達成のための道筋を⽰したロードマップを策定し、さらに、⽣物多様性の損失を⽌め回復軌道に乗せるため、新たな⽣物多様性国家戦略に基づいて取組を進めています。⽬標の達成に向け、企業や地域が⽣物多様性の保全に貢献するかたちで管理する⼟地を国が認定する仕組みづくりに取り組んでいます。こうした計画や仕組みづくりには、⾃然系技官の現場感覚が⽋かせません。


生物多様性条約第15 回締結国会議(COP15)の様子

 最近では、企業活動における⽣物多様性に関連する情報開⽰の基準(TNFD)や、⽣物多様性の保全やモニタリングに関する国際規格(ISO)化などの国際的なスタンダードづ くりが活発化しています。これらの国際的な枠組への参加や⽇本企業の⾃然配慮型ビジ ネスの推進といった分野にも、⾃然系技官の活躍の場が広がっています。

 (ロゴの説明)30by30 アライアンス

 ロゴモチーフとしてカエルを採⽤し、その中に森や海といった⾃然やそこに住むいき もの、さらには都市や⾈など⼈々の⽣業を配置。


世界遺産登録に向けた現地調査の際にユネスコの諮問機関(IUCN)の調査員を案内するレンジャー


沖縄県北部に生息するヤンバルクイナ(絶滅危惧種)


 ⽇本で5番⽬の世界⾃然遺産として「奄美⼤島、徳之島、沖縄島北部及び⻄表島」が登録されました。これらの地域の顕著で普遍的な価値を将来世代へとつないでいくため、関係機関や地域住⺠をはじめとする多様な主体と協働し、保護管理のための計画策定やマングース等の侵略的外来種の防除、希少種の保全などに取り組んでいます。

 全国各地の国⽴公園や野⽣⽣物の保護管理の現場には⾃然系技官がレンジャーとして配置されており、地域に根ざした⾃然の保護や利⽤を推進しています。地元の⽅々の取組をサポートし、最前線で共に活動することをレンジャーの責任と誇りとし、⽇々の業務に取り組んでいます。


職員に聞く
「地域の多様な関係者と協働した国⽴公園の保護管理」


  私は現在、国⽴公園の現場事務所において、国⽴公園の保護管理や利⽤推進に関わる業務を⾏っています。業務内容は、国⽴公園内の巡視や利⽤施設の維持管理、許認可審査、ニホンジカ対策、⾃然観察会の開催など多岐にわたります。

 国⽴公園の保護管理は、⾏政だけでなく、地域住⺠や公園管理団体、観光事業者、ガイド、研究者、パークボランティアなど多様な関係者と協働しながら取り組んでいます。そのため⾃然と向き合うばかりではなく、むしろ関係者との調整が重要だと感じています。国⽴公園の最前線となる現場で、⽇々関係者とコミュニケーションをとりながら、⽇本の美しい⾃然景観を未来に引き継ぐ役割の⼀端を担っていることにやり甲斐を感じています。

※記載された役職・業務内容は執筆時のものです。

〇環境省の採⽤情報はこちら

内閣人事局Career Guide

内閣人事局Career Guide

「国家公務員」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか。 国家公務員の仕事は、医療や教育など暮らしに身近な分野から、国の財政運営・産業振興、外交・防衛まで、世の中のありとあらゆることと関わっています。 国家公務員の活躍のフィールドは幅広く、様々な専門性を生かせる場があります。子育てと両立しながら活躍するリケジョも多くいます。 「いま」を守り、「未来」をつくる。 自分、ではなく、みんなのために。 それが、国家公務員という生き方です。

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