【現場で活躍する国家公務員】地域の人たちの生活の一部に。人とまちを結ぶ、道路をつくる。
まちをつくる、生活を豊かにする、道路事業の魅力
私の⼩さい頃、まだ地元には地下鉄が⾛っておりませんでした。ちょうど家の近くに地下鉄の駅ができることになり、⽗と⼀緒に地下のトンネル⼯事を⾒学に⾏ったことがあるんです。この仕事を選んだのは、その時の影響も少しはあったのかなと思います。そこに住む⼈の⽣活が豊かになるような、⼤きな公共⼯事に興味を持つきっかけになりました。⼟⽊⼯学を学ぶために⼤学へ進学し、コンクリート⼯学を専攻しました。そして⾏政に携わる仕事がしたくて国家公務員を目指しました。
1都8県の⾸都圏を管轄し、道路や河川などの⼤規模公共⼯事の最前線で活躍できることが、国⼟交通省関東地⽅整備局の魅⼒ですね。今、⾸都圏の交通ネットワークを⼤きく変える3環状道路(圏央道・外環道・中央環状線)の建設が着々と進んでいます。全国に影響を与えるような⼤きなプロジェクトに関わりながら、⼈々の役に⽴つ仕事ができる。その誇りや責任を強く感じています。
ダイナミックかつ繊細な、工事現場の最前線
今、3環状のひとつ「外環道(東京外かく環状道路)」の建設工事を担当しています。当出張所の担当区間は大泉JCTを起点にした関越道と東名高速を結ぶ約16km。この道路の完成は、渋滞緩和や環境改善、災害時の迂回経路など大きな役割を果たすこともあり、大きな関心が寄せられています。私の所属する「出張所」は、もっとも現場に近い組織なんです。そこで、工事監督として日々の進捗を間近で感じながら仕事をしています。現場で働くことは、土木を志す者にとって仕事の醍醐味ですね。また大泉という場所は住宅が密集し、工事現場のすぐそばに近接していることから、地元の方々への対応も重要な業務です。
保育園や小・中学校へ工事内容の説明に伺ったり、住民の方々と直接お話しすることで、理解をいただきながら工事を進めていきます。私自身、現場にいながら地元の方とコミュニケーションを取り、気軽に声をかけ合える関係を築いていけることがとても嬉しいんです。工事は、建設工事関係者だけでなく、地元住民の方々と一緒になって進めていくことが大切です。大変なことも多いですが、やりがいを感じる部分でもあります。
道路が開通する感動
入省直後に配属された千葉国道事務所では、圏央道(東金JCT~木更津東IC間)の工事設計を担当していました。異動になるタイミングではまだ建設途中だったのですが、2013年ついに開通したんです。その時はもう、嬉しくてすぐに見に行きましたよ。社会人になって初めて携わった仕事で、実際にものができる瞬間は本当に感動しましたね。実際に友人を車に乗せて、何度も走っています。その他にも、入省からこれまで様々な経験をさせてもらいました。全国で一斉に交通量を図る道路交通センサスを担当する部署を経験し、企画部では関東地方整備局の採用活動にも関わりました。
そして本省で技術開発に係る予算要求に関連する仕事を経て、現在に至ります。どの部署のどんな仕事にも気づきがあり、勉強になります。一番嬉しいのは、多くの人と出会えることです。以前一緒に働いていた人が、しばらくして配属された部署で隣の席になったり、他部署や関係機関にかけた電話の先に知り合いが出たり。人のつながりで、仕事の幅が広がっていくのを感じます。
国家公務員という道の可能性
個人的には、やはり道路をつくる現場の仕事に一番のやりがいを感じます。これからも、ずっと道路の現場に関わる仕事ができたらいいですね。道路は、まちとまち、人と人をつなぐ地域に密着したインフラです。地元に住む方々が必ず利用してくれますし、「便利になったね」という声を直接聞くことができる。人々の生活の一部としてお役に立てる仕事は、他にはなかなかありません。これから、今作っている大きな道路をどうやって管理していくかに注力するフェーズに差し掛かります。
来たるその時に向けて、もっと現場経験を積んで管理の視点も養っていきたいと思っています。
私は土木関係という視点で就職活動を行いましたが、国家公務員という広い視野で見ると、その業務範囲は本当に幅広く多岐に渡っています。漠然とでもいいんです。「何か大きな仕事がしたい」「多方面に影響を与えたい」と考えている人には、一度国家公務員の道に目を向けていただけたらいいなと思います。ここでしかできない仕事がたくさんありますよ。
PROFILE
国土交通省 関東地方整備局 東京外かく環状国道事務所 大泉出張所 / 2007年入省
中 川 裕 登
雪国北海道で生まれ育ち、大学進学にともなって地元を離れる際も、雪が恋しくて東北の岩手県へ。専攻していた土木関係の知識や興味をさらに深め、人の役に立つ仕事がしたいと国家公務員を志望する。首都圏という大きなフィールドで、多方面に大きな影響を与える事業のダイナミックさに惹かれ、国土交通省に入省。現在も工事現場の最前線で、地域の人との触れ合いを大切にしながら、大規模公共インフラの完成に向けて業務を行っている。