柔軟な働き方を目指し、本当の私たちを 知ってもらう環境づくり
- 平成20年
- 文部科学省採用・初等中等教育局幼児教育課(幼稚園制度を担当)
- 平成21年
- スポーツ・青少年局(現:スポーツ庁)企画・体育課(局の取りまとめを担当)
- 平成22年
- 生涯学習政策局(現:総合教育政策局)男女共同参画学習課(家庭教育支援を担当)
- 平成23~26年
- 第一子、第二子出産 育児休業取得
- 平成27年
- 初等中等教育局特別支援教育課(障害のある子供に対する教育制度を担当)
- 平成28年
- 初等中等教育局参事官付(学校と地域の連携、教員の負担軽減を担当)
- 平成29年
- 文化庁美術学芸課(文化財の保護と活用を担当)
- 平成30年
- 文化庁文化経済国際課(文化と経済の循環を担当)
- 令和元年
- 内閣官房内閣人事局出向(課長補佐として国家公務員の任用制度、国家公務員志望者拡大に向けての広報活動を担当)
本当の私たちを知ってもらうために
私が現在担当している業務は、大きく分けて二つあります。一つは国家公務員の採用や昇任などの任用制度の担当として、各府省が法にのっとって制度を的確に運用していくための整備に関わっています。そしてもう一つが国家公務員の志望者拡大に向けて、学生に対して国家公務員という仕事をPRするというもの。学生は国家公務員に対して、仕事が厳しそう、堅苦しそうというイメージを持ち、就職先として敬遠されがちですが、私たちの本当の姿を知ってもらうための企画などを展開しています。
なかなかどんな仕事をしているのか伝わりにくい国家公務員。そのリアルに触れる機会を多く用意し、学生のやりたいことを仕事にする選択肢の一つとして、国家公務員という働き方もあるんだよ、ということを知ってもらいたいと思っています。
PR活動を通じて学生の方から「国家公務員についてあまり知らなかったけど、職員の方々と話してみて興味が湧いた」「堅いイメージが覆された。親しみやすいと思った」「自分には遠い仕事だと思っていたけれど、目指せる可能性があると知った」など、さまざまな声をもらえるのが嬉しいです。前向きな反応は学生にとって実りのある時間だったということ。手応えを感じます。これからもイベントやSNSなどを活用しながら、学生との接点を多く作っていこうという気持ちになりますね。
こうしたイベントは私たち職員だけでは形になりません。協力をお願いする外部企業の方々の意見、情報などを吸収してより良いものへとブラッシュアップしています。また学生と目線が近い若い職員の声を聞くことも重要。キャリアにこだわらずフランクに議論できる雰囲気を作ることも大切にしています。
学生と触れることで気づいたのは、私たちここで働く職員が仕事を楽しんでいないと、学生たちには見抜かれてしまうということ。まずは自分自身、毎日の仕事を楽しんでいくことが第一です。
柔軟な働き方に対する理解
内閣人事局に出向となったのが令和元年の夏。二人の子供はそれぞれ保育園の年長と小学2年生でした。私は通勤には2時間近くかかるのですが、フレックスタイム制を利用して、子供の登園、登校のタイミングで一緒に家を出ることが可能に。さらに子どもをお迎えに行く日は、夕方退庁し、夜はテレワークで再度仕事に戻るという働き方をしています。夫は民間企業に勤務していますが、夫もフレックスタイム制を利用し、週に2日は育児、家事を担当してくれています。また、コロナ禍にある今は、テレワークでの勤務を増やしているので、通勤時間に当てていた時間を業務時間に当てたり、早めに業務を終えて子供と過ごす時間を増やしたりしています。
このような柔軟な働き方に対して職場の理解があったことも大きいですが、私自身としてもこのような時間の使い方をしていいんだと視野が開けました。もちろん職場にいない時間や業務を中断することも多くなるので、その時間に部下や同僚からの相談メールや情報などを受け取り、夜、仕事に戻ったときに返答をしていくなど、時間の使い方を工夫し、その方法をみんなで共有していくことも大切です。全てのことを対面で相談する必要はない、部下からメールで報告が届くことを当たり前だと考えることでやり取りもスムーズに。便利な制度を私自身が率先して活用することで、部下たちも働きやすくなっていくはずです。
私は子供二人の出産、育児休暇を4年、続けて取得しています。その4年間はまったく仕事に触れずに過ごしていたので、仕事に復帰できるか不安もありましたね。業務だけでなく、PCのスペックだって4年も経てば変わっていますから。
でもそんな心配は不要でした。一か月が過ぎるころには、あの不安は何だったんだろうと思うくらい、仕事に馴染んでいたことを思い出します。これは上司や部下たちの協力が大きかったと思います。子供が体調不良になったときなど、快く「休んでいいよ」と言ってくれる。このような対応を当たり前のようにしてくれたことに感謝しています。
迷いなく手を差し伸べられる環境に
内閣人事局は国家公務員の様々な働き方に関する制度の旗振り役でもあります。今は出向してこの職場で勤務していますが、近いうちに文部科学省に戻ることになるでしょう。そんなときに内閣人事局で経験した便利な制度や働き方を、積極的に省内にも取り入れていきたいですね。省庁によっては様々な制度がまだ浸透していないところもあります。そこで今ある制度をどんどん紹介し、活用できる環境を作っていきたいと考えています。
このような制度は、先輩たちが長い時間かけて頑張って確立してきたものです。その背景を受け止めつつ、これからパパやママになる職員たちに、今度は私たちが「こうやっていけばいいんだよ」と伝えていく番です。
仕事がどんなに大変でも、人間関係が円滑ならば乗り切ることができます。良好な人間関係を作るためにも、自分が困ったときには素直に声を上げ、そして周りが困っているときには迷いなく手を差し伸べるよう心掛けています。上司や部下という立場に遠慮せず、情報や意見を伝え合える雰囲気を作ることも大切です。そんな心のゆとりが、仕事とプライベートを両立させていくには欠かせないことだと思います。