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【修士・博士課程修了者が語る国家公務員の魅力】研究成果が防災や減災に還元される社会への貢献度の高さ

修士や博士課程を修了して国家公務員として各省庁で働く4人の職員に国家公務員の魅力について語っていただきます。

第二回は、気象庁気象研究所 火山研究部第三研究室に所属し、「防災の面で今生きている人たちの為になるような研究」を軸に火山の研究に携わる堀口さんです。

プロフィール

気象庁 堀口 桂香(Keika Horiguchi)

所属:気象庁気象研究所 火山研究部第三研究室 研究官

略歴:理学研究科・宇宙地球科学専攻 博士後期課程修了。大学院修了後、産業技術総合研究所 地質情報研究部門/活断層・火山研究部門深部流体研究グループ 特別研究員、京都大学大学院理学研究科付属 地球熱学研究施設の研究員を経て、平成30年4月より現職。「防災の面で今生きている人たちの為になるような研究」を軸に研究に従事しており、大学院・研究員時代に培った専門性を活かし、選考採用により気象庁へ入庁。


国家公務員を志望したきっかけや理由を教えてください


今の仕事を知ったきっかけは、前々職の上司からの「堀口さんのやってきたこととマッチしているし、もし興味があったら挑戦してみては?」という電話でした。

それまでは、行政からの依頼に対して調査研究をするような、いわゆる受託研究に携わっていたのですが、行政からの依頼と研究者の理想の間でどうしてもズレみたいものを感じていたんです。どうしたらもっとお互いの気持ちを理解できて、より良いものに変えられる仕事が出来るかなって考えていました。

でもここでの仕事なら、行政と研究者の間に入って橋渡しできるんじゃないかって。また、これまで取り組んできた地震や火山に関する研究内容とも親和性が高いですし、学生の頃から大切にしてきた「防災の面で今生きている人たちの為になるような研究」も実現できるので、この仕事をやりたいと思いました。

応募時は前職の任期がまだあり、焦って職探しをしていたわけではなかったのですが、こういった専門性が活かせる公募はいつもあるわけではないので、すぐに応募しました。


大学院での研究テーマについて教えてください

大学院では地震の発生メカニズムに関して研究をしていました。私が研究していた当時、地震の発生には流体が深く関与していると示唆されていたのですが、その流体の指標となるヘリウム同位体比を観測することで、地震に関与しているであろう流体の移動、分布、上昇域、上昇経路について調査・研究していました。

また、地震波トモグラフィという地球の内部構造を調べる手法があるのですが、この地震波トモグラフィの研究をしていた他の研究者の研究結果と私の調査したマッピング結果とを比較することで相関性を調べるといった融合研究も積極的に行っていました。

今研究している火山とは研究対象が違っていると感じられるかもしれませんが、地震も噴火も地球深部由来の流体が大きく関与しているので、実は親和性が高いんです。


今携わっている業務について教えてください

実際に山に登って、噴気孔から出てくるガスをセンサーで観測して解析することで、火山活動の監視・予測に役立てるための研究を行っています。

もちろん火山の観測って危険が伴うので複数人で一緒に山に登って観測をすることが基本となります。チームとしては3人でやっていて、それぞれ違う方法で観測しているのですが、目的は同じなので、お互いに相談し合いながら取り組むことができます。

それぞれの研究がもっと良いものに出来るんじゃないかとか、自分の取ったデータと他の方のデータとを比べてみて精度を確認したりとか、大学の研究室に近い雰囲気で議論ができる環境です。もちろん、新しいことにチャレンジしているので、日々トライ&エラーもありますが、これまでの研究で培ってきた研究の取り組み方や火山化学・地球化学・火山物理といった知識をベースに取り組んでいます。

このテーマに携わってまだ2年目なので、火山の噴火予測への道のりはまだまだですが、まずは火山活動の活発化の傾向を察知して入山を規制する為の指標などに活用出来るようになったらいいなと思い日々励んでいます。


国家公務員の仕事のやりがい・魅力

自分の研究成果が、人の命に関わるといった意味では責任も大きいですが、他の研究機関の研究職に比べて社会に直接的に還元されて、防災や減災に役立てることができるというのは、社会への貢献度も非常に高く、私にとって大きなやりがいのある仕事だと感じています。

また、実際に働いてみるまでは、国家公務員の研究職は、もう少し行政寄りの仕事がメインになるのかなと思っていたのですが、研究をバリバリとさせていただいているんですね。

その一方で、「行政と研究者の間に入って橋渡しをしたい」という当初の希望についても、今後本庁で行政の仕事に本格的に携わらせていただけると聞いているので、とても楽しみにしています。

研究を十分にやらせていただいている上で、そういった行政の仕事にも携わらさせていただけるというのは、私の想いに非常にマッチしていて大きな魅力の一つだと感じています。

内閣人事局Career Guide

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「国家公務員」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか。 国家公務員の仕事は、医療や教育など暮らしに身近な分野から、国の財政運営・産業振興、外交・防衛まで、世の中のありとあらゆることと関わっています。 国家公務員の活躍のフィールドは幅広く、様々な専門性を生かせる場があります。子育てと両立しながら活躍するリケジョも多くいます。 「いま」を守り、「未来」をつくる。 自分、ではなく、みんなのために。 それが、国家公務員という生き方です。

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