亀田製菓様のお米を中心に研究開発しているお米研究所とは?
「亀田の柿の種」、「ハッピーターン」でおなじみの亀田製菓様にはお米を中心として研究開発をしているお米研究所があります。
今回、お米研究所の所長丸山様に、研究所や研究内容についてお話しを伺いました。
お米の研究所はどのようなことを行っていますか?
お米研究所は亀田製菓の新規事業グループに属しています。
研究所では、新しい事業を生みだし、推進するための研究・開発を行っています。
ここでは、商品開発や商品の種を送り出す役割を担っており、長年蓄積したお米に関する技術やノウハウを活かして「機能性食品」や「機能性素材」の研究開発を行っています。
研究所で働いている方について教えてください。
現在お米研究所では研究者が20名在籍しています。
その内の約3分の1が女性の研究者で、年々女性の研究者が増えてきています。
また、アカデミックレベルも高く、ほとんどの研究者が修士号を取得しており、博士号を取得している研究者も多数在籍しています。亀田製菓で働きながら博士号を取得した研究者もいるんですよ。
研究者の専門分野としては、農学が多いですが、工学や歯学の出身者もいます。
お米研究所から生まれた代表的な商品は?
ゆめごはん(低たんぱく質米飯)
米菓以外の領域へと最初に踏み出したのが、ヘルスケア商品である、低たんぱく質米飯「ゆめごはん」です。
お米にはたんぱく質が約7%程含まれています。実は、日本人が一番多く摂取している植物性たんぱく質はお米由来のものです。しかし、腎臓病患者さんは、腎臓に負担をかけるため、たんぱく質の摂取を制限されています。
普通のお米を腎臓病患者さんが摂取すると、お肉やお魚の摂取できる量が少なくなってしまいます。
そこで、慢性腎臓病患者さんに向けて本来のお米の”おいしさ”を残したまま、たんぱく質の量を少なくした米飯「ゆめごはん」を研究・開発しました。
亀田製菓では、この「ゆめごはん」の研究・開発から製造までを行っております。
ふっくらおかゆ
新潟大学の先生と共同で研究をし、飲みこみやすさが特徴のおかゆ(介護食)を開発いたしました。
お米のK-1乳酸菌 K-2 乳酸菌
お米や酒粕に含まれる植物性乳酸菌を亀田製菓が分離し、機能性を有する乳酸菌を選抜し、亀田製菓の頭文字をとって、「K-1乳酸菌」「K-2乳酸菌」と名付けました。
「K-1乳酸菌」には整腸作用や美肌作用があり、「K-2乳酸菌」はアレルギーの症状を抑えたり免疫力を高める作用があることが分かっています。
これらの機能性を活かし、「植物性乳酸菌ヨーグルト」や「乳酸菌サプリ」、「ハイハイン」など様々な商品に使用しています。
この他にも様々な研究を日々行っています。
どのような人物が研究者に向いていますか?
個人的には、いろいろな人がいて、全体としては規律がとれているのだけれど、中はカオスである研究所が理想ですね。
様々な経験をもった人が集まってアイデアを出し合うことが、研究には必要だと思っています。
また、研究はすべてが成功する訳ではありません。ほとんどが失敗に終わります。そういうことから、失敗にめげず、好奇心をもって新しいことにチャレンジできる人物が研究者には向いていると思います。
亀田製菓の社是は「製菓展道立己」です。
”お菓子作りを通して己の道を切り開く” と読み取れるのですが、仕事を通して人間として成長することで、会社も一緒に成長していくことを目指しています。
「自分で物事を考えて、行動し、新しいことに勇気をもってチャレンジすることができる」、そういう人物が望ましいですね。
丸山所長、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
亀田製菓様は「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」など米菓のイメージが強いのですが、
今回訪問させていただき、乳酸菌の研究、災害食の研究、B to Bのビジネスなど幅広く研究されていることを知りました。
お米を知り尽くしている亀田製菓さんだからこそ進んだ研究が行えるのだなと感じました。
また研究者として企業に勤める使命感を肌で感じ、これからの学校での研究に身が引き締まりました。
これからの新しい発見がとっても楽しみです。
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