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ミネベアミツミから世界へ飛び出せ!!グローバルに活躍する女性エンジニアへ

理系女子学生による企業取材シリーズ。今回はミネベアミツミで働く女性エンジニア、花田さんにインタビューしました。

花田さんの学生時代の専攻は機能材料工学、現在はミネベアミツミ軽井沢工場メカアッシー事業部技術部に所属し、ベアリングを使って付加価値を付けた商品を作る仕事をされています。また4年間タイ工場で駐在され、その時の経験が現在の仕事において、プラスの要素になっているとのことです。そのお話を詳しく伺いました。


ミネベアミツミってどんな会社?


WEBでインタビューを実施。右上が花田さん


ーー(学生)今回取材をきっかけにミネベアミツミさんのことを知ったのですが、どのような製品を作られている会社かをお教えていただけますか。

人事担当者: 当社は総合精密部品メーカーで、ベアリング製品、モーター、アクセス製品、アナログ半導体、センサー、コネクタ、電源製品、無線・通信、ソフトウェア製品などを製造販売しています。その用途は自動車や産業機械、住宅機器など多岐にわたります。本当にたくさんの製品があるんですよ。



ミネベアミツミが注力するコア事業(8本槍)製品


人事担当者: ミネベアミツミグループ全体では約1兆円の売り上げがあり、連結従業員数は約92,000人。そのうち日本人は約9,000人、つまり約1割です。27カ国に93の生産開発拠点、91の営業拠点があります。生産地別の売上高を見ると、日本はわずか12%、それ以外は全て海外で、量産を行っているのは基本的に海外の工場です。


ーー(学生)海外での事業が主になるのですね。

人事担当者: 海外に拠点が多数あるだけでなく、世界シェアが高い製品が多いのも特徴です。例えば外形22㎜以下の小径サイズのボールベアリングが世界シェア60%、ハードディスク用に使われているピボットアセンブリーは世界シェア80%、リチウムイオン電池用の保護ICが世界シェア65%を誇ります。さらにステッピングモーターは世界シェア40%で、いずれも世界シェアナンバーワンの製品なんです。いわゆる世界最小とか世界最薄と呼ばれる製品も数多くあって、部品メーカーとして高度な技術と品質を評価頂いています。



ミネベアミツミが誇る世界シェアNo.1製品


ーー(学生)世界各国に工場があり、リスク管理・リスク分散ができているという事ですが、世界全体が厳しいコロナ禍ではどんな状況ですか。

花田さん: 基本的には、どこかの地域・国で物価が上がったり、その他色んな要因で生産が難しかったりしても、他の地域で代替して生産を続ける事ができるのですが、これだけ世界中に影響が出ると、地域性でリスクヘッジをするのは難しいです。ただ感染流行初期の頃に、中国の生産拠点で従業員数を確保するのが難しくなってしまったのですが、一旦状況が整うまでお休みにして、東南アジアなどで生産を賄ったりしていました。国によって若干状況が違うので、効率良く運営できるようにしています。



海外で活躍したいから、入社しました!


タイ現地メンバーとの1枚。前から2列目、中央が花田さん。


ーー(学生)花田さんが就職先として、ミネベアミツミ株式会社を選んだのはどうしてですか。

花田さん: 海外駐在できる可能性が非常に高かったからです。海外にたくさん拠点があり若いうちから駐在できると聞いて、ミネベアミツミに入社を決めました。

実際、私が在籍しているメカアッシー事業部では、赴任している全員が技術職で、全事業部員の約半数は過去いずれかのタイミングで海外経験があります。


ーー(学生)海外駐在者はどんな風に選ばれ、花田さんは社会人何年目に海外勤務になったのですか?

花田さん:    私達の部署では、入社の際に海外赴任ができるか聞かれます。私の場合は自分から志願して海外勤務になりましたが、上司や海外の工場から依頼されるケースもあります。英語スキルは高ければ望ましいのですが、具体的なスコアについては特に決まりはないです。必須の資格もありません。

私は社会人4年目から丸4年間タイ工場で勤務しました。赴任期間については赴任前に決められています。もっと活躍したいと思って駐在期間を延長する人もいますね。私は辞令通りの4年で帰国しました。

(学生)私も海外勤務に憧れているので、チャンスがあると聞いて興味が高まってきました!詳しくタイでの生活についてお聞きしていきたいとおもいます。


いざタイの工場へ!〜お仕事編〜



花田さんが駐在していたタイ・バンパイン工場。タイ全土では30,000人以上の従業員が勤務している。


ーー(学生): タイの工場がどんな環境なのか思い浮かびません…。タイ工場の従業員の国籍別の割合はどれくらいですか?

花田さん: 私が担当していた製品の部門では、タイ人3,000人弱に対して日本人が20名程度で、シンガポールや中国の人も少数いました。量産拠点であるタイ工場は敷地も広く、従業員も機械台数も非常に多いので、そのスケールに圧倒されました。

タイ工場は歴史も長いので、タイ人従業員がわかりやすい言葉を使ってくれたり、ゆっくり話してくれたりして、語学堪能ではない私は助かりましたね。赴任直後は、基本的には英語で話し、英語を解さない生産現場の作業者に伝わらない時は、絵を書いたり身振り手振りでなんとか伝えたりしていたのを思い出します…。現地幹部で英語が話せる人が、生産現場の作業者に橋渡ししてくれる場面もありました。

ーー(学生): 具体的に現地ではどんな仕事をしていたのですか。

花田さん: 私は技術部として赴任して、現地の工場の量産をスムーズに行うために工程の改善やコストの改善を行いました。量産工場として、生産がストップしないようにして納期を守るのが一番のミッションです。そのために、タイ人の現地のメンバー達と一緒に、今ある問題点を解決していきます。例えば工程の歩留まりを改善するにはどうしたらいいか、データや現場を見て考えます。自分でプロジェクトを立ち上げて、他部署も含めて大人数を動かしていくためチームワークが必要であり、やりがいがありました。



ーー(学生): タイの工場と日本の工場は、どんなところが違いますか。

花田さん: タイは量産工場なので、工場を少しでも止めることは許されません。1秒でも早く少しでも多くのモノを作るためにオートメーション化されており、納期や品質について責任感が養われました。一方、日本では主に量産前のサンプルなどを試作しているので、職人気質を持って部品の作り方を試行錯誤したり、お客様と交渉したり、製品についてやり取りできる場所だと思います。


いざタイの工場へ!〜生活編〜



当時タイに駐在していた女性社員で開催した女子会。左から2人目が花田さん。


ーー(学生): 仕事はほとんど英語だったとおっしゃっていましたが、タイ語を話す場面もありましたか。

花田さん:  今までの人生でタイ語に触れた事はなかったので、会社のサポートでタイ語学校に通いました。工場はアユタヤというバンコクから車で1時間くらいのところにあったので、土日にバンコクの語学学校に通い、その後遊んでから帰っていました。バンコクは大都会なので楽しかったですね。工場からバンコクまで、会社のシャトルバスが30分から1時間に1本出ていたので、安全で便利でした。でも言葉は「習うより慣れろ」だとつくづく感じました。タイ人のメンバーと一緒にプライベートで遊ぶうちに徐々に覚えたような気がします。

海外で働くと日本では考えられないような事が起こったりします。それをプレッシャーと捉えないで楽しく「ビックリ!」みたいな感じで乗り越えていければ、とても良い経験になると思います。


ーー(学生): 日本に帰られてから、タイとやりとりはありますか。

花田さん: 普段の仕事でのやり取りのほかに、メカアッシー事業部は逆駐在というのをしています。海外の社員が日本に駐在したり、研修で数ヶ月〜1年日本にやって来たりします。そういった所で技術面でも文化面でも交流があります。


海外工場と横展開のプロジェクトも

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タイから日本に駐在しているメンバーとの打ち合わせ風景


ーー(学生): エンジニアから見たミネベアミツミの強みや良さはなんだと思いますか。

花田さん: 色んな製品がある所ですね。家電、車、医療用の部品など、さまざまなものに挑戦できる機会があります。また会社が大きいので、資格や設備をうまく使って、エキスパートになる事もできます。

最近楽しかったことは、海外工場を含めた横展開の技術的な会議です。ドイツの工場やアメリカの工場の人達と打ち合わせをして、彼らの仕事について細かく知る事ができました。またその中で出てきた一つの案件から、プロジェクトが立ち上がって量産に繋がったんです!多岐に渡る製品と海外拠点との有機的なつながりが大きな強みだと感じました。

ーー(学生): たくさんの事業を展開しているということは、別の部署への異動はあるのでしょうか?

人事担当者: 同じ事業部内でのジョブローテーションを経てプロフェッショナルを目指すケースが比較的多いですが、事業の拡大とともに新規事業や新規部署も増えていますので、長期的なキャリア形成や組織の発展を目的として、部署間の異動もあります。


異文化を受け入れる人材を歓迎



多様な文化背景を持つメンバーが協力することで、強力なシナジーを生み出す。


ーー(学生): 花田さんがエンジニアとして大切にしている心構えやポリシーを教えてください。

花田さん: 私がエンジニアとして大切にしている事は、お客様に対して良い製品を、良い品質で早く納めるという事です。今はサンプル等の量産前の製品に対して見積もり交渉をしているので、いかに安くいかに良い品質のものを作れるかを考えられるようなエンジニアになりたいです。

当社のエンジニアとしては、責任感がある人が向いていると思います。あとは、海外にも工場があるので異文化を受け入れられて、色んな意見を聞いて柔軟に対応できる人が向いているのではないかなと思います。


ーー(学生): 素敵ですね。お話を聞いて花田さんはのびのび活躍されているように感じますが、女性も働きやすい環境だと感じますか。

花田さん: 「女性が働きやすいか」という問いに、素直にYESとは答えられない部分もあります。というのも、当社は製造業なので、どうしても女性の数は少ないです。メカアッシー事業部の女性比率は20%ぐらいだと思います。そういった環境では「女性のくせに」と思われているのでは、と自分で自信をなくしてしまいがちです。でも私の上司はいつも自信を持たせてくれ、意見も聞いてくれるので、非常に働きやすいです。そういえばタイの工場は女性の比率が非常に高く、やりやすかったかもしれません。


まだ女性が少ないのですが、現在駐在している女性社員や、今後駐在の可能性がある女性社員もいるので差別はないですよ。私自身、今後女性のエンジニアが少しでも働きやすい職場を作っていけるようにしたいと思っています。女性が少ないので逆に自分がこうしたいと思った事をやっていける土壌をさらに整えていきたいなと思います。



一般社団法人理系女子未来創造プロジェクト

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会社概要

社名 ミネベアミツミ株式会社 (MinebeaMitsumi Inc.)

本社所在地

(軽井沢工場)

〒389-0293
長野県北佐久郡御代田町大字御代田4106-73

東京本部所在地

〒108-8330

東京都港区三田3-9-6

事業内容 ベアリングなどの機械加工品事業、電子デバイス、小型モーターなどの電子機器事業、自動車部品・産業機械・住宅機器事業
設立年月日 1951年7月16日
資本金 68,258百万円(2020年3月末現在)
代表者 代表取締役 会長兼社長執行役員(CEO & COO) 貝沼 由久(かいぬま よしひさ)
連結売上高 ミネベアミツミグループ 978,445百万円(2019年4月1日~2020年3月31日)
エイブリックグループ    30,574百万円(2019年4月1日~2020年3月31日)
連結従業員数 ミネベアミツミグループ  118社
エイブリックグループ     6社 ※エイブリック(株)を含む(2020年3月末現在)

 

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