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世界で一つだけの機械 エンジニアの技術が光る製紙機械・産業機械の設計の魅力に迫る!!

小林製作所は静岡県の富士山の麓、富士市にある、1947年設立の会社です。

事業内容は、製紙機械と産業機械の開発・設計・製造・販売です。

製紙機械とは、製紙工場にある機械で、小林製作所は板紙と呼ばれる厚い紙を作る機械を手がけています。

乾燥・巻きなど全ての工程を作ることができるのは、日本では小林製作所だけです。


産業機械分野では、主に3つの能力「剪・巻・塗」に特化したマシンを作っています。ひとつ目は「切る」。さまざまなものをカットする切断機と呼ばれるものです。次が「巻く」。ワインダーという、フィルムを巻き取ってロール状にする機械です。最後に「塗る」。透明のフィルムにいろんなコーティングをして、さまざまな機能を付加する塗工機を製造しています。


従業員の数は270名弱で、男性が9割・女性が1割ですが、近年は女性を積極的に採用しており、毎年コンスタントに1~2名の女性新入社員が入社します。

今回、RIKEJO CAFEでは、小林製作所の機械設計部門で働くエンジニア2名にお話を聞いてきました。

アットホームな職場環境 機械の知識を活かせる仕事



ーー(学生)小林製作所を就職先として選んだ理由を教えてください。

大場さん:「大学で学んだ設計の知識を活かした仕事に就きたい。」と思い就職活動をしていました。大学では銅箔の巻き取りに関する研究をしており、その知識も小林製作所で活かせそうだと感じ、入社しました。

また、私は地元での就職を考えていました。地元のいくつかの企業のインターンシップに参加した中で、小林製作所の先輩は優しく声をかけてくれて、アットホームな感じがしたんです。この雰囲気だったらうまくやっていけそうだと感じ入社を決めました。

渡邉さん:私もなるべく地元で就職したいと考えて、企業説明会に参加し、当社のアットホームさに魅かれました。

ーー(学生)渡邉​​​​​​​さんも大場さんと同様に機械系出身ですか?

渡邉さん:私は機械系の大学院修士課程を出てから就職しました。当社には化学系の出身や教育課程を出てエンジニアをやっている人もいます。入社後の努力次第で、どんな人でも活躍できる会社だと思います。個別の知識は後々身につけられますが、さまざまなことを順序立てて理解できる能力は、技術職には必須だと思います。

完全オーダーメイド…世界に一つの機械を作る

機械の稼働までのプロセス

大場さん:まずお客様から大まかな要望・仕様をヒアリングし、それを基に簡単な仕様や計画図を作成します。その計画図で営業が見積もりをして予算を決め、お客様とやり取りしながら、最終的な仕様を決定します。その後正式な受注となります。

受注したら設計が組立図を作り、お客様に提出して承認を得ます。そこから組立図にある部品図を描いていきます。部品図は製造現場にインプットされ、現場で部品を加工・組立てます。最後にお客様が一緒に立ち合って機械の動作確認をして、ようやく製品を発送します。


部品図イメージ

ーー(学生)量産を主としているメーカーは試作をしますが、産業機械は最初からオンリーワン製品の完成を目指して試行錯誤していくんですね。


大場さん:そうですね。ただし、以前に似たような機能・目的をもった機械を製作していることが多いので、それをアレンジすることも少なくないです。

ーー(学生)製紙機械の開発プロセスはいかがですか?

渡邉さん:製紙機械も開発の流れはほぼ同じです。基本的に類似製品があるので、そのノウハウ・知見をフィードバックしながら設計していきます。一台の規模が大きいので、試作というステップではなく、類似品を展開させて新製品を生み出す感じです。目的に合った仕様が得られなかった場合はやり直しますが、なるべく少ない回数で、求められるレベルまで作り上げるのが難しいところです。​​​​​​​


ーー(学生)まさにエンジニアの腕の見せどころですね。担当する機械の機械設計は、お一人で担当するのでしょうか?それとも、何人かのチームで行いますか?

渡邉さん:小口なものは一人でもこなせますが、予算の大きなものはチームで設計・製造を分担します。


ーー(学生)入社1年目でも機械を設計することができるんでしょうか。

大場さん:私は入社1年目なので、一つの機械を新規に作り上げるのではなく、過去に納入した製品の故障した部品を、サービスパーツとして製作しています。お客様とやりとりをしている営業から、故障した製品の製造通知書をもらって、過去の図面を確認します。仕様に間違いがないかチェックしながら、CADを使って図面を作成します。

また現場からトラブルの電話が入ることがあり、その対応をすることもありますね。電話口で解決しなければ、現場まで駆けつけます。そんな場合でも、設計と製造現場が一体となっているので、トラブルや設計変更にすぐ対応できる点が会社の強みです。

数十億の機械が動き出す瞬間の喜び

ーー(学生)仕事のやりがいや、面白いところはどんなところですか。

大場さん:大学で機械工学を学んできましたが、図面を描いておしまいで、実際に製品を加工することがあまりなかったんです。でも会社では、自分が描いた部品が実物になることになります。その部品が機械の一部として動いて、製品が成り立つことに達成感を感じます

今は修理部品を作っていますが、もっと大きな部品や大きな機械を自ら設計して、それが思った通りのかたちでお客様に納入されたら、達成感はより大きいでしょう。今後は知識を蓄えて、より大きな仕事に携わりたいと考えています。

渡邉さん:これまでで一番大きな仕事が心に残っています。約5カ月の長期出張を経て機械が立ち上がって、紙ができあがりお客様と握手したとき、「やっていて良かったなぁ」と感動しましたね。


責任を持って、お客様の要望全てを組み込む設計を


ーー(学生)学生:一方で、大変だと感じたエピソードを教えてください。

大場さん:大学では、組立図はあまり描いたことがなかったのですが、組立図を色々な部品がどこにあるのかを読み取って部品を描くのが大変です。部品数が多過ぎて一から学ぶのに苦労しています。例えばコーティングマシンであれば、コーティングのバーがあり、その仕組みなどを一つひとつ勉強しなくてはいけません。


渡邉さん:組み立てや製造など全ての責任が、基本的に設計にあります。適当な図面ですと、適当なものしかできません。そうした責任を持った上で、限られたスペースの中に、お客様が求める全ての要素を盛り込むのが難しいんです。時間をかけて考えても、うまくいかないことも多いので毎回苦労しています。難しい仕事ですが同時に達成感もあるので、大変ですが仕事は楽しいです。


有給取得率72%!プライベートもバッチリ


ーー(学生)技術職は女性が少ないというお聞きしましたが、実際に入社後はどう感じましたか?

大場さん:技術職に女性がいないので、最初は不安を感じました。ただ部署内の事務職や、営業職には女性がいます。女性同士で話す機会があるので、孤立しているとは感じません。

男性からも気さくに話しかけてくれたり、相談に乗ってくれたりする環境なので、女性だからといって尻込みする必要はないと思います。


ーー(学生)ワークライフバランスはとれていると思われますか?休日の過ごし方などについてもお聞かせください。


大場さん:私は仕事が終わった後に、会社のフットサル部で2週間に1回汗を流しています。

渡邉さん:当社は2020年度の有給休暇の取得率が72%で、休みを取りやすい会社だと思います。お客様からの注文が殺到すると忙しくなるときがありますが、平均で考えるとバランスは取れていると思います。筋トレが趣味なので、仕事が終わったらやっています。あとは妻と一緒に、最近飼い始めた犬と遊ぶのを楽しみに、毎日頑張っています(笑)。

人事担当者:出産育児だけではなく、介護をする必要がある人、治療が必要な人などもしっかり働けるようにさまざまな制度を整えています。「にじいろプロジェクト」というプロジェクトを立ち上げて、さまざまな社員が平等に活躍できるように「ダイバーシティ宣言」を掲げて活動しています。

外部講師の研修で機械の基礎が身に付く


ーー(学生)機械に関してどのように勉強していますか?研修はどのようなものですか?

大場さん:入社研修は3カ月ほどで、2カ月半は現場実習を行いました。フライス盤加工機や旋盤加工機、溶接、組み立ての現場をひとつずつ経験し、製造現場とも関係ができました。現場ともコミュニケーションがとれ、のちに自分が描いた部品図で、現場から間違いを指摘してもらったこともありました。研修のおかげで直接教えていただけて、ありがたかったです。

他にはベアリング、減速機、モーターといった部品の基礎的な講座を、外部講師をお招きして学ぶ機会があります。コロナ禍では、リモート環境で指導を受けることも多かったです。


渡邉さん:取引のあるメーカーから外部講師が来てくださるパターンが、よくあります。部署に配属されて1週間~2週間くらいは、CADを学ぶ機会もありますよ。

産業機械も製紙機械も範囲がとても広いので、全てを理解し身につけるのは容易ではないと思います。僕は8年目ですが、まだまだ知識が足りていないと感じます。実際に仕事をしながら、自分より経験のある先輩社員に聞いたり、社内に残っている文献などを掘り出したりして対処することが多いですね。

ーー(学生)常に勉強をしながら対処されているんですね。

渡邉さん:そうですね。仕事を進めていく上で困難に突き当たった時、その困難はすでに先人が経験していることも多いんです。会社に蓄積された情報をうまく利用していくことが、勉強につながると思います。


(学生)本日はお忙しい中、ありがとうございました。大場さんからは、女性視点の働き方・企業のイメージを聞けてよかったです。私も機械工学を学んでいるので、就職したらどんな感じなのか具体的なことを聞けて働くイメージがつきました。

また、渡邉さんが、大学院で学んだ論理的な思考が、社会に出て一番役に立ったとおっしゃっていたのも勉強になりました。大学院に進学するか悩んでいるので、参考にしたいです。

そして、お2人の話を聞いて、形あるものを作ることの魅力、そしてものづくりの担い手として仕事をする魅力を感じました。


小林製作所では新卒採用を行っております。理系女子の採用も積極的に行っています。

詳しくは採用HPをご覧ください。


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