【仕事紹介】エネルギー開発で活躍する技術者「生産エンジニア編」
生産エンジニアってなにをしてるの?
石油・天然ガスの開発事業では、油ガス田を発見し、井戸を掘り、生産設備を設計・建設した後にようやく石油・天然ガスを生産し、消費者の元に届けることができます。この生産フェーズにおいて生産エンジニア(production engineer)は石油・天然ガスの「生産」をおこなっており、コスパ良く最大限生産継続することに挑んでいます。
石油・天然ガスをコスパ良く最大限生産するには、生産エンジニアは生産システム全体を理解する必要があります。生産システムは図にあるように地下深部の油層、地上の坑井(コウセイと読み、井戸のことです)、坑口装置、フローライン、プラントなど複数の要素から構成されています。石油・天然ガスといった流体の性状や坑井内・プラント内の各機器の仕組み等を理解し、生産量を最大化するための障害となっている原因を特定し、それに対処する方針を検討します。
出典:Boyun Guo (2007) “Petroleum Production Engineering A Computer-Assisted Approach”
石油や天然ガスを生産する井戸といっても、自噴しているもの、減退しているもの、トラブルなどで生産停止中のものなど様々です。生産エンジニアは、そんな井戸の管理をしています。トラブルで生産停止している井戸に対して、対策を考え、資機材を揃え、作業計画を立て実行します。減退している井戸に対しては、しばしば人工採油法という手法により、井戸のなかにポンプを設置して生産をおこないますが、それら手法の選定、設置、その後の生産管理なども行います。
人工採油法の一つであるポンピングユニット
他には、井戸やプラントの保守点検のためのシャットダウン計画を最適化することにより、効率的な運転を行います。井戸やプラントなどでは多くの点検項目があり、中には機器の停止を伴うものがあります。それら停止タイミング、期間などを適切に準備・計画することで、計画停止による生産ロスを最小化し、ひいては安定的に高水準の生産量を維持できます。
オフィスだけでなく生産現場での勤務もあります
生産エンジニアはオフィスで検討するのみでなく、現場作業に計画責任者として立ち合う場面もあります。自身が立てた作業計画に基づき適切に準備・作業が行われているかをチェックし、もし計画外のことが発生した際にはそれに対応します。そのため、井戸やプラントといった「現場」に心も体も近いところでやる仕事です。実際に作業着を着て現場に立ち、仲間たちと汗水を垂らしてエネルギーの安定供給というミッションに取り組むことができます。これまで会社の仲間たちが積み上げてきた開発計画を、石油・天然ガスという製品を世に送り出すという「生産」という形で現実にすることができます。
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石油・天然ガスの知識は入社後にイチから学べます
理系の大学・大学院で石油・天然ガス開発の地下のことから地上の設備まで広く学ぶことはほとんど無いと思います。しかし、生産エンジニアに上述した専門知識が必要なため、入社後すぐに専門別の座学研修および生産現場での研修を受けます。油層、掘削、プロセスプラントのことについて勉強したことがない人ばかりなので、理学・工学のバックグランドがあれば初心者でも充分に知識を身につけることができます。
最後にリケジョのみなさんへ
自分の専門分野と違うけど技術職につきたい、最前線の現場でも仕事をしてみたい、エネルギーの安定供給を肌で感じたいなどなど、きっかけは様々だとおもいます。ちょっとでもエネルギー開発業界や生産エンジニアに興味を持っていただけたら嬉しいです。