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グループディスカッションにおいて人事採用担当者が評価するポイントとは

グループディスカッションは、企業の採用試験でよく用いられる選考方式です。しかし、人事採用の担当者がどんなポイントを評価しているのかがわからなくて、対策が立てられずに悩んでいる就活生もいることでしょう。

この記事では、企業がグループディスカッションを試験に取りいれる理由や、担当者が評価するポイント、やってはいけない行動などを解説しています。それぞれ理解して、グループディスカッションを乗り切りましょう。

グループディスカッションを新卒採用の選考で取り入れる理由


グループディスカッション(以下「グルディス」と呼ぶ)とは、就職希望者をグループに分けて、特定のテーマに基づいて議論をさせ、結論を発表させる選考方式です。人数に決まりはありませんが、5〜6人でグループを作ることが多いようです。また、グループ同士で発表をさせ、その結果の妥当性を競わせる場合もあります。出題されるテーマにも決まりはなく、時事問題から日常的なことまで、そのときどきによって変わります。

なぜ企業はグルディスを用いるのでしょうか。

それは主に3つの利点があるからです。1つは多くの就活生を短時間でまとめて選考できる点です。そのため、グルディスは主に選考の最初の段階で行われます。100人をこす就活生が同じ会場で選考されることも珍しくありません。

2つ目は、就活生の考え方や好む役割りがわかることです。グルディスに参加すると、嫌でもグループ内の役割りができます。積極的に論点を探すものがいれば、反論を考えることを好む人もいるでしょう。なかには、それらの答えをまとめて導く人もいます。そういった、就活生の個性がグルディスでは見えやすくなります。

3つ目は協調性やチームとしての適性がみえることです。直接の面接では就活生の強みや利点を見出すことができます。しかし、チームに入ったときの協調性については、面接で見極めるのは難しいでしょう。グルディスなら、就活生同士の議論を通して就活生に協調性があるかを見定めやすいです。以上のような理由から、多くの企業が選考にグルディスを用いるようになっています。


グループディスカッションで採用担当者は理系学生の何をみている?



グルディスで人事担当者が重視するポイントは、それぞれの企業によっても変わります。強いリーダーシップを求めている企業もあれば、突拍子もない発想力を見たい、という企業もあるでしょう。ですが、多くの企業では理系学生を採用するときには、以下のポイントに着目しています。

積極性

まず、重視されるのは「積極性」です。グループの中でどれだけ発言ができているかです。グルディスでは突拍子もないテーマが与えられることが少なくありません。そのテーマに対して、自ら発言し行動ができているかが、評価のポイントとなります。


協調性 コミュニケーション能力

次に「協調性」と「コミュニケーション能力」がチェックされます。自分の意見をただ発言するだけなら、それほど難しくはありません。しかし、考えをすり合わせて、よりよい答えを探し求めるには、協調性とコミュニケーション能力が欠かせません。周りの人の意見に耳を傾けられるか、他人に発言を促すことができるか、初めての相手ともしっかりと対話ができているか、などの行動から能力の有無がチェックされます。

論理性と発想力

「論理性」と「発想力」は理系学生を採用するときに、必ずチェックされるポイントです。グルディスでの発言に対して論理的な裏付けが説明でき、それを周りに伝えられる力があるかがチェックされます。具体的な根拠を例示できると、論理性のアピールだけでなく、知識の豊富さを知ってもらえるでしょう。

そして、発表した意見が固定概念にとらわれていない発想であれば、人事採用の担当者に強く響くでしょう。現在、問題になっている多くの事柄は、固定概念では解決できなかったものが少なくありません。そのような分野を解決するに足りる発想力を感じたとき、人事採用の担当者は高く評価します。


これだけはやってはいけない学生が気をつけるポイント



グルディスでは必ずしも良い評価だけを就活生につけるわけではありません。やってはいけないこともあるので、グルディスに参加する前に必ずチェックしておきましょう。

グルディスは自己アピールの場であると同時に議論の場です。それゆえに「議論を台無しにする行為」は絶対にしてはいけません。例えば、自分の意見だけを強引に主張する行為、議論によらずに相手を誹謗をする、発言者を無視する、といった議論の邪魔になる行為は全般的にしてはいけません。また、このような行為を咎めないことも問題です。止めなければ、グループでの議論が進まないだけでなく、問題の解決ができない人間だとみなされることがあります。

議論を台無しにする行為があったときは、悪くなってしまった議論の流れや、場の空気を良くすることが重要です。議論を台無しにした者を責めるのではなく、テーマについて議論の方向性を提示したり、それぞれのメンバーの意見順番に発表してもらうなどして、場の流れを変えるとよいでしょう。このように、ピンチのときに議論を導く能力がアピールできれば、採用担当者からの印象はよくなるでしょう。

議論を台無しにしないまでも「話しすぎる」のはよくありません。過剰な積極性は、マイナス評価になりやすいからです。周囲とのバランスを考えて、自己中心的な振る舞いにならないよう気をつけながら意見を発表する必要があります。ときには人に答えを促しながら意見を言うようにしましょう。なお、意見はグループの人にだけ聞こえれば足りるわけではありません。あくまでグルディスは選考方法です。評価する人間に、自分の意見が聞こえなければ、高い評価は期待できないでしょう。そのため、声の大きさや発言のタイミングには注意しましょう。

当然「態度の悪さ」や「言葉づかい」などもチェックされています。グルディス中に、足を組む、椅子にのけぞって座る、肩肘を付くといったマナー違反の態度はやってはいけないことです。また、グルディスのメンバーはライバルであっても同じ仲間です。敬意をもった言葉づかいで対話するようにしましょう。


どれくらいの通過率なのか、グループ全員通過することはあるのか


グルディスの通過率は、企業によってまちまちです。発表されていないので、具体的な通過率もわかりません。特定の能力を持った人材を採用したい企業では、グループごとに1人しか通過しない場合や、あるいは全員落ちるというケースも見受けられます。しかし、これは非常に珍しいケースといえるでしょう。

なぜなら、企業の多くはグルディスをネガティブスクリーンとして利用しているからです。ネガティブスクリーンとは、周囲に悪影響を与えるような要素を除外する選定方法です。例えば、将来に渡って健康な人材を選びぬくのであれば、タバコやアルコールの常習者はネガティブな材料として排除するべきと考えられます。

グルディスの選考では、あくまでネガティブな要素が少なく、評価基準を満たすことが重視されています。ですから、全員が通過するということも珍しくありません。これは、評価の仕方が、周囲の人と点数を争うものではないということです。どれだけグループに優秀な人材がいたとして、それによって自分が落とされるわけではありません。

たまに「同じグループで合格者がでたから自分が落ちた」という意見を聞きます。たしかに、企業の選考方法はそれぞれです。グループから必ず誰かを落とす選考方法を採っている企業も、存在するかもしれないので、確実なことは言えません。ですが、多くの企業では評価基準を満たすことを重視しているので、このような落とされ方の可能性は非常に低いといえます。もし、グルディスに落ちたならばその理由は、評価が高い人間がいたから落ちたのではなく、自分の評価点が足りなかったと考えるべきでしょう。そのうえで、グルディス対策に何か見落としはなかったかを再チェックするようにしましょう。

ただし、面接の通過率に関してはどの企業も非公開にしています。そのため、あまり通過率を意識する意味はないと言えます。


評価のポイントとやってはいけないことを理解していればグルディスを恐れる必要はない

グルディスは、就活生をまとめて選考できるなどの理由から、多くの企業で採用されている選考方法です。企業のほとんどは選考基準を満たしているかどうかで、グルディスの通過判断をしています。選考基準を満たす下準備には、評価されるポイントの理解と、やってはいけない行動の把握が大切です。グルディスは全員が通過することもあり得る選考方法です。焦ることなく自分を発揮できるように下準備をしておきましょう。

一般社団法人理系女子未来創造プロジェクト

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