【記事】有名化粧品会社だけじゃない!化粧品開発に関わる会社とは?
理系女子大学生に人気の仕事の一つである化粧品開発。
しかし、化粧品の研究開発に関わる就職先はみなさんがCMなどで普段目にする有名化粧品会社だけではありません。ここでは、意外と知らない化粧品開発に関わる会社をお伝えしていきます。
化粧品会社の研究職は難関
大前提として、化粧品会社の研究職は就活生からの人気が高く応募が殺到するので簡単には就職できません。中には倍率が数百倍になる会社もあります。
倍率が高い理由は、知名度が高いうえ、転職する人が比較的少ない職種なので採用人数も少ないからです。
例えば、業界大手の資生堂は研究職の新卒採用は50名程度、従業員数1,000人程度の中堅化粧品会社なら研究職採用は5名程度。これは他業界と比較すると非常に少ない採用人数です。
化粧品開発に憧れる学生が多い一方、採用人数が多くないので必然的に倍率は高くなります。人気がある分高学歴で優秀な就活生も多く集まるので、化粧品会社に研究職として就職することは決して簡単ではないことを理解しておきましょう。
化粧品開発に関わる会社とは?
化粧品会社と言えばドラッグストアや百貨店、テレビCMなどで見かける有名化粧品会社をイメージする人が多いでしょう。しかし、化粧品開発に関わる会社はそれだけではありません。実は、化粧品開発には皆さんが知らないような会社もたくさん関わっているのです。
化粧品会社
皆さんにとって身近な化粧品会社にも、さまざまな種類があります。国内には3000社以上もの化粧品会社があると言われていますが、実はそのほとんどが自社に研究所や工場を持たない化粧品企画販売会社です。
研究職に就くためには自社で研究開発をしている会社に就職しなければなりません。つまり「この化粧品ブランドを作っている会社で開発をしたい」と思っても、その会社は販売しかしていない可能性もあるので注意が必要です。
また、テレビや雑誌で見かける大手化粧品会社だけでなく、宣伝には力を入れていない中小会社や学生が知らないような高級志向の会社なども存在します。化粧品会社を目指すなら有名な会社だけでなくこうした会社も把握しておきたいところです。
製造受託(OEM)会社
OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の略で、化粧品会社からの依頼で開発や製造を行っているBtoBの会社です。
自社に工場や研究所を持たない化粧品企画販売会社は、OEM会社に製造を依頼することで化粧品を自社ブランドとして売ることができます。また、自社で研究開発を行っている化粧品会社でも、特別な製造設備が必要な場合や多品目少量生産でコストが見合わない場合はOEM会社に受託することも珍しくありません。
皆さんが良く知っている有名な化粧品も、実は世に社名を知られていないOEM会社が開発・製造したものかもしれません。
OEM会社に就職すれば、多数の化粧品会社の商品開発に携わることができます。OEM会社は就活生からの知名度が低く比較的入りやすいと言われているので、モノづくりに注力したい人は要チェックです。
化粧品原料会社
化粧品会社では、原料会社から化粧品の原料を仕入れ新商品の開発を行います。化粧品の原料とは、ファンデーションに使われる粉体やクリームに使われる界面活性剤、有効成分、防腐剤などのこと。
原料には、化粧品の使用感や安定性を向上させたり、肌への効果を高めたりといった特別な機能が求められます。原料会社に就職すれば、そうした機能性の高い原料の研究開発に携わることができます。
化粧品容器会社
化粧品会社やOEM会社では、容器会社から容器を仕入れ化粧品の開発を行います。化粧品にとって容器はとても重要。デザインはもちろん、中身を劣化させないような構造、使いやすさも必要になってきます。容器会社では化粧品の使用性や安定性、コスト、充填のしやすさなどを考慮し、化粧品用容器の開発を行います。
例えば、次のようなものがあります。
・高い気密性によって揮発を防ぐクリーム容器
・一定の量で液体が染み出してくるアイライナーの容器
・適量がブラシに付くマスカラの容器
・中身が詰まらないポンプ式容器
単なる入れ物ではなく、化粧品だからこそ求められる機能を備えた容器の開発が求められます。
安全性試験受託会社
化粧品の安全性を評価する試験や分析を専門に行っている会社もあります。
化粧品を販売するためには、法律で定められた基準をクリアし刺激やアレルギーがないことを確認しなければなりません。規模の小さな会社では自社に安全性を試験する設備がないため、外部に委託することになります。
安全性試験受託会社では、依頼された化粧品や原料に対して、ヒトパッチテストや保存効力試験、RIPT試験などを行い、世に出ていく化粧品の安全性を確認します。
化粧品開発に関わる会社はたくさんある
化粧品開発と言うと、資生堂やコーセーなどの有名化粧品会社をイメージする人が多いでしょう。しかし、化粧品開発にはOEM、原料、容器、安全性試験などさまざまな会社が関わっています。
化粧品会社の研究職は非常に倍率が高いですが、知名度は低くても化粧品開発に関われる会社はたくさんあります。もう一度自分がどんな仕事をしたいのかを考え、選択肢を増やしておきましょう。