ダッソー・システムズの「Virtual Hackathon」とはどんなイベント? イベント企画者に取材しました
ダッソー・システムズでは2021卒または2022卒の大学生や大学院生、既存社員で構成された複数のチームによるVirtual Hackathonが開催されます。
一体どんなイベントなのか、理系女子学生がイベントの企画者でもある、ダッソー・システムズのインターン生にお話を伺いました。
オンライン開催となった「Virtual Hackathon」今年はライフサイエンスに焦点を当てた課題に挑む
今年(2020年)のVirtual Hackathonはどんなイベントですか?
今年のVirtual Hackathonは「新型コロナウイルスに対する新しいソリューションを考える」という目的で開催します。期間は3カ月間で9月〜11月の開催を予定しており、最終日にはチーム毎にプレゼンテーションを行います。ソリューションを考えたり、チームでコラボレーションしたり、プロジェクトワークのデザインなどは、すべてオンラインで行われます。
「新型コロナウイルスに対する新しいソリューションを考える」ということですが、「くしゃみの飛沫のシミュレーション」など、これまでも新型コロナウイルスの対策に当社の技術が役立ってきました。このイベントでは、もっと他にも画期的なソリューションを世の中に提供できないかを考えていくハッカソンにしたいと思っています。
Virtual Hackathonではどんな方たちが参加者しますか。
2021卒または2022卒の大学生や大学院生、そしてサポーターとして先輩社員が参加します。学生3名がManufacturing, Infrastructure, Life Scienceという3つのセグメントのもとに4つのチームに分かれて課題に取り組みます。週1〜2回程度チーム会議でプロジェクトを進めていき、参加学生は当社ツールのオンライントレーニングと並行してプロジェクトワークを進めますし、先輩社員たちは自身の仕事と並行してこのイベントに取り組むことになります。
主な参加者は新入社員、内定者ということですが、このイベントで若いメンバーである彼らに何を期待していますか。
フレッシュで斬新な観点を持っている若いメンバーがお互いによく干渉し合い、今まで想像もしなかったような新しい角度からのソリューションが生まれることを期待しています。
また、イベントを通じて会社への理解を高めたり、社内の交流を活性化することも目的になっています。
ダッソー・システムズは、これまで新卒採用をしていませんでした。そのため、社内には各分野のエキスパートやスペシャリストなどの専門職はたくさんいますが、各ブランドや各業界の垣根を超えたナレッジの共有があまり出来ていませんでした。このことは社内でも問題としてよく上がっていました。そこで、ダッソー・システムズは2年前より新卒採用を始めました。
このような背景もあり、新卒の学生には、ジェネラリスト的な役割や活躍が求められています。そのため、入社後には様々なブランド、業界を幅広く知るための研修が用意されています。
企画を担当しているお二人は、昨年(2019年)のVirtual Hackathonに参加されたということですが、昨年はどのようなイベントでしたか。
昨年のハッカソンは、オンラインではなく、対面で参加するイベントとして3日間開催されました。また、このイベントには大学生も参加可能で多くの大学生が参加しました。
参加者は開催1カ月から2カ月ぐらい前にオンライントレーニングを受けました。ハッカソン当日ではトレーニングで教わった知識を上手く使いながらチームで課題に挑戦します。参加した人の国籍も様々なので、いろんな言語が飛び交う中でイベントは行われ、とても楽しいイベントでした。
昨年と今年のハッカソンの違いは何ですか。
昨年は、例えば「自動車の自動ブレーキをデザインしよう」など、工学的な課題が多くありました。今年はコロナということもあり、ライフサイエンスに焦点を当てようと思います。また、対面ではなく、オンラインで実施するというところも大きな違いになります。
ハッカソンに参加してみていかがでしたか。
まず、外資系の雰囲気がすごくて驚きました。言語的な側面もそうですが、オープンな雰囲気や自由な雰囲気をすごく感じました。新しい発見もたくさんありました。でもやっぱり「楽しかったな」という感想が一番最初に頭に浮かんできます。3日間があっという間に感じる瞬間でした。
また、ハッカソンでは3Dモデリングなどの知識も必要とされるのですが、ソフトやアプリを使うだけではなく、ロジカルな視点をかなり求められます。課題に対して3日間という短い期間で要素を組み立て、プレゼンまで持っていかなくてはいけません。結構忙しかったのですが、そこで随分成長出来たと思います。
ダッソー・システムズでのインターンシップそこで得たものとは
お二人はインターン生とのことですが、このイベント企画の他に普段はどのような仕事をされていますか。
ChienMing:私のメインの仕事はコーディングで、現在二つのプログラムを開発しています。一つは人事の採用システムで、もう一つは人事業務のオートメーションツールになります。
中野さん:私も同じで、人事関連の事務作業などをすべて自動化できるようなオートメーションツールをコーディングして作っています。また、ダッソー・システムズには公式ブログがあるのですが、そのブログ記事を作成しています。
お二人がダッソー・システムズさんのインターンシップに参加しようと思ったきっかけについて教えてください。
ChienMingさん:私は台湾の大学でデザインを専攻していました。その時にダッソー・システムズの製品であるSOLIDWORKSを使っていたので製品自体は知っていました。その後、日本に来て大学院で3Dと人工知能について研究することになりました。その研究がきっかけでダッソー・システムズのインターンシップに参加しました。
中野さん:私がインターンシップに参加するきっかけとなったのは、昨年参加したハッカソンです。昨年のハッカソンがとても魅力的だったので、「この会社のことをもっとよく知りたい」と思い、インターンシップに応募しました。
現在はインターンシップもリモートワークで行っているとのことですが、リモートで不便だと感じることはありませんか。
ChienMingさん:私は正直、不便だと感じることはほとんどありません。むしろ効率がよいと思っています。私のメインの仕事はコードを書くことですので、自分の部屋で集中して作業しています。唯一の不便は、自分の世界に集中しすぎて休憩せずにパソコンをずっと見てしまい、目が疲れるということですね。最近はちゃんとタイマーをつけて、定期的に休憩を取るようにしています。
中野さん:私も同じですね。業務上、あまりデメリットや不便に感じたことはありません。もしこれが他者とガンガン関わっていく営業などの職種ですと、もしかしたら不便に感じることもあるのかもしれませんが、私たちの業務は不便に感じることはないです。強いて言うなら、インターン用に配布されているPCにカメラが付いていないことです。ChienMingさんの顔も、今日本当に5カ月ぶりに見たような気がします。
リモートワークでコミュニケーションを取る方法として、メールやSkypeなどのツールがありますが、そこでは文章のやり取りになります。そのため、「この人は今どういう気持ちなんだろう」ということがわかりにくい時があるので、その時には「ちょと不便だな」と感じることもあります。
インターンシップに参加してどんなことを得ましたか。
ChienMingさん:ダッソー・システムズの仕事内容はもちろんですが、社風や働き方など、実際に中に入って得たものがたくさんあります。
中野さん:私は週14時間程度での参加でしたが、半年以上にわたる長期インターンシップを経験してみて、アルバイトとは違う社会人としての自覚や責任感が芽生えました。また、「3DEXPERIENCEユニバーシティ」というツールを使って、自主的にブランドやインダストリーを学びました。このツールでは自分で好きなコースに登録して学ぶことができます。最後にテストもあります。ここでの学習がとても勉強になっています。
ChienMingさん:「3DEXPERIENCEユニバーシティ」は私もすごく魅力的だと思います。理系オタクとしてオープンコースがすごくたくさんあるので、自分が関心ある分野のコースを見つけて受講することができます。
これからますます注目されるであろうダッソー・システムズの技術
インターンシップで感じたダッソー・システムズさんの強みや優れているところはどんなところですか。
ChienMingさん:ダッソー・システムズでは、3Dモデリングや3Dシミュレーションの技術がとても優れています。またとてもユニークな会社で、13のブランドを持ち、11のインダストリーにサービスを提供しています。そのため、例えば建設業界でのケースが自動車業界でも応用できるなど、水平統合がとても強いところが強みです。
また、11のインダストリーがあるので、一生かけても学べないくらいの量の知識や技術が会社にはあります。好奇心旺盛な人や向上心のある人にはとても魅力的な場所だと思います。そして、社風もとても自由なので、役職に関係なく自由にアイデアを出したり、意見を言うことができるところも当社の魅力の一つです。
中野さん:これからの時代に当社はますます強くなる、必要とされる企業になると思います。コロナ禍の前から当社は「バーチャル」に力をいれていました。例えば車の設計、デザインや事故発生時の車体の潰れ方のシミュレーションなど。様々なことがすべて同じプラットフォーム内で実現できます。また社内のみならず、クライアントとののコミュニケーションもプラットフォーム内で行うことが可能です。これはとても画期的だと思います。デザインの設計から商品化し、その商品のPR動画を作るというところまで、全てプラットフォームでできるので、これからの時代に当社はどんどん伸びていくと思います。
お話ありがとうございました。今年のVirtual Hackathonも楽しみですね。また今年のイベントの様子も記事にしたいと思います。