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摩擦を科学するとは?NSKワーナーさんってどんな会社?

理系女子学生による企業訪問&取材シリーズ。今回は、静岡県袋井市に位置するNSKワーナー株式会社さんを取材しました。今ラグビーワールドカップでも話題のエコパスタジアムの近くなんですよ。
では、このNSKワーナさんは一体どんなことをしている会社なのでしょうか。取材した内容をレポートします。

半分外資で営業部隊を持たない

NSKワーナー株式会社は、ベアリングの大手メーカーである日本精工(NSK)とアメリカ・ミシガン州にある大手自動車部品メーカーボルグワーナー、この2つの会社が50%ずつ出資をして誕生しました。
そのため、半分外資の企業になります。会社のロゴもよく見ると、カラーがちがいますよね。



 創立は1964年。業種としては、輸送用機器メーカー、いわゆる自動車部品の会社になります。
会社の業態も特殊で、メーカーであるにも関わらず、社内に営業の部署がありません。営業は、親会社である日本精工とボルグワーナーが行っています。お客様からの注文情報は親会社経由でNSKワーナーに入り、出来上がった製品は、親会社を通してお客様のもとに納品されるという形になっています。

 そう聞くと、「お客様と直接やり取りできないのでは?開発が難しそう」と思いますよね。しかし、実際はNSKワーナーの社員が直接お客様と打ち合わせしたり、一緒に開発しているそうで、一品一様で客先ニーズにこたえているようです。(詳しくは後ほど記載します)

摩擦を科学する、クラッチ部品専門メーカー


では、一体NSKワーナーでは、どんな製品を扱っているのでしょうか。

クラッチとは

「クラッチ」は摩擦をコントロールして、エンジンの動力を伝達・遮断する機能を持った部品になります。

自動車のオートマチックトランスミッション(日本語では、自動変速機と呼ばれる)に搭載されるクラッチをNSKワーナーは専門にしており、自動車の効率が良く快適な走りを支えています。

その中の3つの主力製品を紹介します。

ワンウェイクラッチ


自動車のオートマチックトランスミッションやバイクのスターター用に使う部品の一つがワンウェイクラッチです。一方方向にだけに回転動力が伝わるように切り替えることができる製品になります

摩擦材関連製品

鉄板に摩擦材という特殊な紙を接着した製品です。紙には樹脂を含ませており熱に耐えることができる加工がされています。自動車のクラッチやブレーキに使用されており、形状も油の流れをコントロールするようプレート状、筒状、円盤状などがあります。

プレート状の製品には、リング形状のみだけでなく、溝付きや細かなピース状の摩擦材を使用したものがあります。


クラッチパック


摩擦材プレートと金属プレートをセットにし、油圧により作動するピストンをハウジング内に収めたパッケージ製品です。摩擦特性を最大限に活かしたコンパクトな設計が取り入れられています。

このユニット製品をオートマチックトランスミッションにそのまま入れることができるため、お客様の先での組み立て工程を減らすことが可能になります。最近、売上を伸ばしている製品です。


国内・海外でトップシェアを誇る


NSKワーナーの国内のシェアは、ワンウェイクラッチが概ね主要メーカーを独占しており、クラッチパックを含めた摩擦材関連製品も3割と、競合も多い中、高いシェアをもっています。


世界シェアは、ワンウェイクラッチと摩擦材関連製品が共に半数以上を占めるトップシェアを誇っている会社です。


理系が活躍できる仕事

NSKワーナーには理系が活躍できる仕事がたくさんあります。職種別にその仕事を紹介します。

研究開発



研究開発部門では、お客さまと一緒に様々な開発を行っています。
最近開発した製品は、プリウスPHVに1台に一つ搭載されているポールクラッチになります。この製品はトヨタ社より技術表彰を授与した製品だそうです。


今までの製品は2つのモーターを発電用と発進用に分けていました。「発電用のモーターも走るために使えないか」というお客様からの要望があり、両方のモーターの動力を使えるようにした製品を開発しました。これによって、車のEV走行性能を上げることができるようになったということです。

設計



お客様からの要望をもとに、設計の検討を行います。実際にお客様先へ打ち合わせに行くこともあるそうです。設計自体は何度もお客様と打ち合わせをしながら設計検討を繰り返します。形になったところで、試作図面を書きます。試作品の制作は専門の部署に依頼をします。

試作品が出来上がると、試験を行います。試験は自社で行う単体試験だけでなく、実際にお客様の方で車に搭載してみて行う実車試験もあるそうです。物によっては、試験→設計の再検討→試験という工程を何度も何度も繰り返し行います。
最終的にお客様から製造承認をいただくと製造用の図面を書き、量産に進みます。

生産技術



工場内の設備のレイアウトや量産するときの設備を検討する部署なので、機械系出身の技術者の方が多いそうですが、最近は化学系など、専攻を問わずいろんな知識を使って設備を導入することに力をいるそうです。専攻を問わず理系が活躍できます。


生産技術では、安全であること、品質を担保できることを考慮しながら効率的な量産が行える様に設備の設計を行います。また、設備には多額の投資が必要なため、設備の構想から設計、制作、導入まで予算や実績の管理を数字により明確にすることが求められる仕事になります。


そして、効率的な製造を実現するために、工場の自動化を推進したり、限られたスペースを有効活用しながら、働く人の導線を考慮したレイアウトを取り入れたりして生産全体、しいて言えば、会社の売上に直接つながる大切な仕事を担っています。


品質管理



品質管理というと製品の検査をするイメージが大きいと思いますが、生産工程を標準化し、管理をしっかり行い、不良が出ないような仕組みを作る必要があります。そのために作業の改善、社員の教育、材料と設備の管理や条件変更、職場の改善活動など日常管理もあわせて行います。

また客先要求を満たす製品を開発/生産するために、各部署が一緒になって総合的品質管理(TQC)の実践がされています。品質管理の部署では他部署が作成した品質につながるマニュアルの内容をチェックし、活動をサポートする仕事をしています。

 品質管理の仕事範囲は、当社に部品を供給いただいている協力企業にも及ぶため、さまざまな製品や製造の知識を身につけることができます。


理系が活躍することができるフィールドが多くあることがわかりました。それでは次に、実際にどんな人が働いているのか、女性エンジニアの2人にインタビューしました。

  摩擦を科学する、クラッチ部品専門メーカー NSKワーナー株式会社の女性エンジニアにインタビュー 理系女子学生による企業取材シリーズ。 摩擦を科学する、クラッチ部品専門メーカーであるNSKワーナー株式会社。そこでエンジニアとして働く女性社員さんにインタビューしてきました。 理系女子未来創造プロジェクト



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