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摩擦を科学する、クラッチ部品専門メーカー NSKワーナー株式会社の女性エンジニアにインタビュー

理系女子学生による企業取材シリーズ。
摩擦を科学する、クラッチ部品専門メーカーであるNSKワーナー株式会社。そこでエンジニアとして働く女性社員さんにインタビューしてきました。


同じ理系女子の先輩として、大学時代のこと、就活のこと、仕事、子育て様々なことをお話していただきました。


その様子をレポートします。

大学時代の専攻が仕事に直結するのか

ーー(学生)まず、お二人の大学時代の専攻や研究についてお聞かせください。

白柳さん:私は化学(ばけがく)出身で、大学4年の時に有機合成の研究室に所属しました。
大学院では、がん治療に有効な物質とたんぱく質との間で相互作用をさせて光増感反応を調べてました。


鈴木さん:私は材料工学科出身ですが、大学が金属材料メインでしたので、金属材料の組織について学んでいました。学卒で入社したので院には進学していません。


ーー(学生)現在、どのような仕事をされていますか?また、今の仕事と学生時代の専攻につながりはありますか。

白柳さん:今は分析チームに所属しています。大学時代にも分析をしていましたが、本当に限られた分析装置しか使っていませんでした。SEM-EDX、TG-DTA、FT-IR、DSC装置など様々な装置を使用するのですが、入社当時は、どれも一度も使用したことが無く、先輩からイチから教えてもらう状態でした。


鈴木さん:私は社内で作っている摩擦材といわれる紙の開発をしています。大学時代の金属材料とは全く畑ちがいなので、私もほとんど知識のない状態から始まりました。


そのような状態でしたが、入社後の研修と、職場に配属されてからのOJT、実際に仕事をしながら覚えていくことで専門的な知識を身につけることができました。周りの社員をみても、大学時代の専攻や研究がそのまま直で仕事とつながるというケースはあまりないと思います。


ーー(学生)お二人とも大学時代の専攻とあまり直結しなかったということですが、NSKワーナーさんに入社を決めた理由は何ですか。

白柳さん:私は実は浪人を経験しているので、「就職活動に不利になるのでは」とその当時思っていました。このNSKワーナーが1番最初に内定をくれた会社だったので「ここに行こう」と決めました。
また、会社のリクルートページを見たときに、ちょうど女性が出ていたということもきっかけの1つです。やはり部品メーカーなので男性が多いと思っていましたが、そんな中でも女性で活躍している人がいるというのを見て、それなら自分も頑張ってやっていけるのではないかと思いました。


鈴木さん:私は、地元だったというのと、給料と休日が多いことが決め手でした。休みがある程度、他の企業より充実していたからというのが本音です。


ーー(学生)もう少し現在の仕事内容について具体的に教えていただけますか。

白柳さん:出社後にまずメールのチェックをします。前の日に「次の日にやることリスト」を作成しているので、それを朝見て当日の予定を立てます。
分析の依頼ごとに、分析装置を起動し装置を安定させ、サンプルの準備にとりかかります。測定はお昼休憩をはさみながら行います。分析装置を複数台かけもちで対応することが多いです。測定後はデータをまとめ、依頼者に報告をします。自分が分析した結果から問題が少しでも解決する方向に向かっていくのを見られると嬉しいですね。


鈴木さん:摩擦材ペーパの材料開発をしています。具体的には客先要求や自社目標から、ペーパの配合を決め、試作、評価、解析、報告書作成をチームで行っています。現在は育児の時短勤務のため、客先への報告は同僚に任せています。車での使われ方やオイル等、使用環境が年々変わっていくので、入社以来同じ業務をしていますが、日々発見があります。


技術職に大切なこと、コミュニケーション力と判断力

ーー(学生)仕事をする上で大切だと思うことは何ですか。

白柳さん:コミュニケーションは大事だなと思っています。私のチームですと、依頼者側との、内容確認・納期調整があったりするので、お互いに気持ちよく仕事できるように心がけています。


鈴木さん:判断力とコミュニケーション能力です。ダラダラズルズルと優先順位が低いものをやっていると、仕事が回らなくなってしまいます。ですので、こっちの方が優先だと判断できることや、ここでやめようと判断できることが大切です。
また、仕事は一人ではできないのでコミュニケーション能力は必要だと思っています。


ーー(学生)NSKワーナーは半分外資だと聞いたのですが、英語は仕事で使いますか。

鈴木さん:私のチームは英語を結構使います。親会社の一つであるボルグワーナーと摩擦材の技術交流を行っているからです。また素材メーカーが海外なので、そことのやり取りに英語を使います。電話会議が月1回ぐらい、あとはメールでのやり取りになります。年1回ボルグワーナーとface to face での打ち合わせもあります。私のチームでは、ボルグワーナーに出向している人もいるので、英語でわからないことがあっても聞くことができます


ーー(学生)やはり高いレベルの英語力が必要でしょうか。

白柳さん:半分外資といっても、「メールのやり取りがなんとかできるか」なというぐらいのレベルです。


鈴木さん:海外の方も聞こう、読み取ろうと思ってくれているので、何とかなります。ですので英語は心配しなくても大丈夫です。


ーー(学生)お二人は入社されてから同じ部署に所属されていますか。

白柳さん:何回か異動をしています。2008年に入社をして、4~5年ぐらい設計の部署にいました。その後材料開発に異動して分析の仕事をしています。その間に産休・育休を取りました。


鈴木さん:私は育休を2回取得していますが、入社からずっと同じチームにいます。


実際に子育てをして実感した、この会社に入ってよかった。



ーー(学生)産休・育休を取られたということですが、仕事と家庭とのバランスとか難しいと思いますが、女性として働きやすいと感じるポイントはありますか。

白柳さん:女性に結構優しい人が多いです。女子が少ない分、男性社員が少し気を遣われて結構優しく接してくれます。


鈴木さん:育休は子供が3歳の4月まで取れます。こんなに長く取れるところは他の企業ではなかなかないと思います。また、時間短縮勤務も子供が小学校6年生まで可能です。子育てしながら育休を取る前と同じ部署で、技術者としてやっていけているのは、会社の制度面が結構しっかりしているからです。
仕事と子育てを両立しやすく、遠くの人と結婚された方以外で辞めている人はほとんどいません。


ーー(学生)女性としてキャリアを積むには、子供を産むタイミングはいつがいいんだろうと考えるのですが、そういうことは意識されましたか。

人事:私も学生の時に考えたことがあります。何年目に結婚したらうまくキャリアが積めるのだろうと考えていました。でも実際社会人になって、仕事をし始めると仕事が楽しくなってきて、覚えることがたくさんあるから、もっともっといろいろできるようになりたいと思うようになりました。実際に仕事をし始めると、いろいろ状況に応じて考え方も変わってくるのかもしれません。


ーー(学生)入社後の研修はどのようなことをしますか。一通りいろんな部署をまわるのでしょうか。

白柳さん:入社した年によって異なりますが、私の時は1週間毎にローテーションでいろんな部署を回りました。ラインの研修では、実際にラインには入らないのですが、工程の流れを見て一人ひとつ改善提案を行いました。
技術部での各部署を回る研修もしましたが、入社する年の新入社員の人数によっても研修内容が変わるみたいです。


ーー(学生)新卒ではなく中途での採用もあるのでしょうか。

人事:弊社は中途採用をあまり行っていません。この会議室には合わせて4人女性社員がいますが、全員新卒入社です。弊社は定着率がとても高いんです。


ーー(学生)定着率が高い理由って何だと思いますか。

鈴木さん:生々しくなりますが、やはり給与とお休みの多さだと思います。


ーー(学生)この会社の良さなど学生へのお薦めポイントを教えてください。

鈴木さん:育休や時間短縮勤務など、子供を産んでも働けることですね。今まさにそうなので、この会社で良かったと実感しています。

白柳さん:社員の仲がとても良いです。私が所属している部署では、そこそこ飲み会は多いですが、参加しないからといって肩身が狭くなることもありません。雰囲気よく働ける会社です。


大学時代の研究内容を面接で聞かれる理由

ーー(学生)最後に採用時の面接に関してですが、大学の専攻と実際にやることが直接結びつかない場合でも面接で大学時代の研究の話などを聞かれるのはなぜでしょうか。

人事:大学時代の研究についてお話をきくのは、研究内容が会社の仕事とマッチするかどうかを確かめているわけではありません。弊社の製品の場合、大学時代に研究していた人って、探してもいないくらいだと思います。
大学時代にやってきたことを聞いてこういう考え方をしているんだなとか、こういう苦労をしたんだなとかを知り、会社の業務とどう合うのか、もう一段階変えた感じで聞いていることが多いです。なので、専攻が全く関係なくても心配しないでどんどん皆さんエントリーしてください。

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