Original

発明・技術を財産に!知的財産管理の仕事について グローバルウェーハズ・ジャパンの技術部・基盤技術グループ・知財チーム(東京駐在)にお話を伺いました

シリコンウェーハの製造および販売をされているグローバルウェーハズ・ジャパンさん企業取材第2弾!

今回は、知財チーム(東京駐在)にお邪魔しました。

“知財”って何だろう? どんな仕事をしているのだろう?
聞きなれないため、あまり想像ができない知財の世界。

今回は、技術職から知財の世界に飛び込まれた理系女子先輩にお仕事内容について詳しく教えていただきました!

(第一弾の新潟本社の取材レポートはコチラ⇒ https://rikejocafe.jp/blog/199

 

そもそも”知財”って何だろう?

出典:特許庁ウェブサイト(http://www.jpo.go.jp/beginner/beginner_08.html

知財は“知的財産”のことを差し、人が発明・創作した知的価値を無形の財産とみたものです。
そして、この知的財産を保護する権利のことを“知的財産権”と呼びます。

知的財産にはいろいろな種類のものがあります。

例えば、新機能搭載のロボットやその組み立て方法などのように独創的な新技術は「発明」と呼ばれます。日用品の改良などのちょっとした発明は「考案」と呼ばれます。

工業製品のデザインは「意匠」と呼ばれます。
商品の名前などは「商標」と呼ばれます。
音楽や映画、小説・絵画などは著作物と呼ばれます。
これらの知的財産は「知的財産に関する法律」で守られています。

発明は特許法で「特許権」として、考案は実用新案法で「実用新案権」として、商標は商標法で「商標権」として、著作物は著作権法で「著作権」としてそれぞれ守られています。

出典:特許庁ウェブサイト(http://www.jpo.go.jp/beginner/beginner_08.html

今回、主に「特許権」の出願や権利の管理業務を行う知財チーム所属の金田さんにお仕事内容について詳しくお話をお聞きしました。

技術者から知財管理の道へ

 

まず、金田さんのキャリアについてお聞かせください。

大学では、理工学部で物質化学を専攻し、セラミックスについて研究していました。

入社時は今の部署ではなく、新潟本社の技術部製品技術グループで技術者として、まだ量産化に至っていない試作品レベルの製品の流動管理や評価、不具合調査等を担当していました。

4年目にこの「技術部基盤技術グループの知財チーム」に異動となり、現在に至ります。

異動と聞いた時は驚きましたが、大学で知的財産関連の授業を受けた時に興味があり、いずれは携わりたい仕事でしたのでこのタイミングで異動になったことはよかったです。

 

知財チームとはどういう業務を行う部署なのでしょうか。

主な業務は、弊社の技術について特許権を取得するために、特許庁に特許出願し、権利化することです。

権利化した後に、その権利を維持する・しないなどの判断をする年金管理という業務や、発明者の報奨、他社特許の調査なども行います。

 

発明から特許権を取得するまでの流れについて教えてください。

 出典:特許庁ウェブサイト(http://www.jpo.go.jp/beginner/beginner_06.html

 1)「発明提案書」の作成

    発明提案書とは、特許出願する際に必要な書類をつくる前段階の資料で、発明の内容を第三者に説明するために使用します。

    まず、発明者(技術者)が特許出願をする技術のどの点が発明になるのかということを記載します。

    その内容を基に、知財チームでこの発明のどのような部分が新しいか、容易ではないか等を検討すると共に、
    どのような権利が欲しいのか、発明の具体的な内容はどのようなものかということをより詳細に付け加え、発明提案書を仕上げていきます。

 2)特許出願書類作成→出願

                 「発明提案書」を基に、弁理士が特許出願に必要な書類を作成します。

     弁理士に発明の新しさなどを説明して伝えることも、知財チームの重要な仕事です。

     その後、特許庁に出願の申請を行います。

 3)出願内容の公開

    出願から1年6ヶ月後に出願内容が公開されます。

 4)審査請求→審査

    出願しただけでは特許権を取ることができません。

    出願から3年以内に「審査請求」を行う必要があります。

    審査が不合格の場合、拒絶理由が通知されますが、意見書や補正書などを提出して拒絶理由を解消し、審査に合格するよう対応します。

 5)特許権取得

   審査に合格し、特許料を納付すると特許権を取得することができます。

   特許権は出願から最長で20年間有効となります。

           弊社では、1年ごとに権利を維持するか否かの判断を行っています。(年金管理)

 

出願から特許権を得るためにはどのくらいの期間がかかるのでしょうか。

発明者が「発明提案書」を作成して実際に出願するまでには約1ヶ月~半年以上かかるものもあります。

また、弊社では出願してからすぐに「審査請求」を行わず、約2年の検討期間を設けた後に特許庁に「審査請求」を行います。

審査請求から実際に審査が開始されるまでにはさらに1年ぐらいの期間を有します。

なので、審査が順調に進めば、最短でも出願から3年ぐらいはかかりますね。

審査が順調じゃない場合とは拒絶されるということでしょうか。

特許出願の審査では、その発明が新しいかという“新規性”、容易ではないかという“進歩性”などの特許要件を満たしているか否かが判断されます。
特許要件を満たしていないと判断されると拒絶理由が通知されます。
実際、1回目の審査では弊社に関わらず、およそ9割が拒絶されてしまいます。

私たちは、拒絶理由に対して反論するための書面(意見書)や発明の内容を補充・訂正するための書面(補正書)を弁理士さんと一緒に作成し、特許庁に送ります。その後、再度、審査が行われます。
こうして、審査、拒絶、反論・補正を繰り返すと、特許権取得までに5年以上かかることもあります。

 

なぜ、「出願」から、「審査請求」まで約2年という期間を置かれるのでしょうか? 早めに「審査請求」を行うと早く「特許権」を取得することができると思うのですが・・・

約2年間の検討期間を設けているのは、出願当時は、その発明に関する技術を使用すると考えていても、2年後にはその技術を使用しなくなった、使用する可能性が非常に低く、特許権を取得する必要が無い場合もあるからです。

もちろん、とても新しい発明でいち早く「特許権」を取得する必要があるものに関しては、審査請求をすぐに行う場合もあります。

 

知財管理には技術者出身が多い?

  

特許権と聞くと、法律の知識が必要で、法学部出身者も多い職場ではないかと思うのですが、実際いかがでしょうか?

実は、知財チームには法学部出身の人はいません。
ほとんど、技術職からの異動です。

というのも、私たちは弁理士や特許庁に、発明の”新規性”や”進歩性”等を説明するために、その技術を詳しく理解する必要があるからです。
そのため、部署には理系出身者が多いです。

法律の勉強も必要ですが、特許庁への手続などは特許事務所を通して行うため、法律に関しサポートいただけます。

では、技術者から知財管理へ異動されて、苦労されたことはございますか?

はい、やはり最初は大変でした。

知財チームは、技術者の代弁者として弁理士に技術内容を説明しなければならないため、技術に対する理解力と説明力が必要です。

また、技術者とは技術に対する視点も違います。

例えば、技術者は研究結果に対し原理原則を追求することが多いですが、特許出願の際に必要になるのは、研究結果のどのような部分が新しいか、容易ではないか等の視点で捉える必要があります。
このような考え方は勉強で身につくものではないため、数をこなしていきながら身につける必要があります。

また、論文や学会など、新しい技術に常にアンテナを張っておくことも必要ですね。

将来は弁理士の資格にもチャレンジしたいと考えています。

 


金田さんありがとうございました。

技術職を経験した技術者だからこそできる知財管理のお仕事、いかがでしたでしょうか。

今回あまり馴染みのない知財管理の仕事についてお話を聞け、技術者のキャリアパスとして、大変勉強になりました。

技術者の財産である発明・技術を守るお仕事、素敵ですよね。

グローバルウェーハズ・ジャパンさん取材へのご協力ありがとうございました。

グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社

HP:http://www.sas-globalwafers.co.jp/

本社所在地:新潟県北蒲原郡聖籠町東港六丁目861番地5

 

事業内容:シリコンウェーハの製造および販売

生産拠点:新潟(聖籠町/関川村)、山形(小国町)、山口(周南市)

営業拠点: 東京(品川区)、九州(福岡市)

 

 

 

 

RIKEJO CAFE スタッフ

RIKEJO CAFE スタッフ

RIKEJO CAFE の理系女子スタッフ

関連記事

発明・技術を財産に!知的財産管理の仕事について グローバルウェーハズ・ジャパンの技術部・基盤技術グループ・知財チーム(東京駐在)にお話を伺いました

“知財”って何だろう? どんな仕事をしているのだろう? 聞きなれないため、あまり想像ができない知財の世界。 今回は、技術職から知財の世界に飛び込まれた理系女子先輩にお仕事内容について詳しく教えていただきました!

私たちの生活にはなくてはならないシリコンウェーハとは? グローバルウェーハズ・ジャパン(株)さんを訪問しました@新潟

みなさん、シリコンウェーハとは何なのか、何に使われているのか知っていますか? 普段、私たちの生活の中ではあまり耳にしないシリコンウェーハですが、じつは私たちの生活を豊かにしてくれている偉大な存在なのです!! その素晴らしさを、会社の様子やそこで働く先輩女子技術者の先輩インタビューも含めてレポートします。


企業訪問記事

自由設計の家を建てる株式会社タツミプランニングの設計・デザインを行う「デザイン・ラボ」とは?

2018-05-02 12:00

タツミプランニングさんは、主にお客様のご要望に応じたデザインを提供する注文住宅の建築会社です。 なぜ、100%自由設計することにこだわっているかというと、「お客様が自分の希望に沿ったデザインの家で暮らすことで、豊かな人生を送ってほしい。」という思いがあるからです。 私たちは、”注文住宅”と聞くと高額なため、顧客は富裕層の方ばかりだと思いますよね。しかし、タツミプランニングさんの顧客層は20代〜40代前半で、1棟あたりの建築費も2500万円前後が多いとのことです。 では、価格を抑えつつ、自由にデザインした家を建てられる秘密はどこにあるのでしょうか。

【企業取材】私たちの知らない「コネクタ」の秘密。イリソ電子工業さんの魅力に迫る

2018-04-05 10:00

東証一部上場のコネクタメーカー、イリソ電子工業株式会社を訪問し、女性エンジニアに理系学生がインタビューしました! そもそも、「コネクタ」ってみなさん知っていますか? 電気自動車の開発や工場の自動化が進む中、「コネクタ」はそれらの発展に欠かせない部品で、需要も拡大しています。 そう聞くと「コネクタ」は電気・電子・機械分野の出身者ばかりだと想像しますよね。しかしなんと、今回お話を聞く社員さんは化学系の出身とのこと。 なぜ、学生時代の専攻とは異なる分野に就職されたのか、就職活動について、仕事内容、入社してからのことについて、包み隠さずざっくばらんにお話していただきました。

これで解る!ものづくりの開発プロセス イリソ電子工業株式会社

2018-03-29 10:43

みなさん、一つの製品ができあがるまでの「ものづくりの開発フロー」について知っていますか? そこにはどんな仕事があるのでしょうか。 理系学生の私達が最初にまず思い浮かぶのは、開発、設計、製造の分野だと思います。しかし実際には、マーケティング、営業、資材調達や品質保証など様々な部門がそこには関わっているのです。 では、お客様からのご要望から実際に製品がお客様の手元に届くまで、社内外ではどのような議論や検討がされているのでしょうか。 今回、電子部品の一つである「コネクタ」の「開発設計・製造・販売」を一貫して行うイリソ電子工業株式会社(http://www.iriso.co.jp/)さんにご協力いただき、ものづくりの流れについて詳しく現場のお話を伺ってきました。 その内容をレポートします!!

急成長しているDMM.comラボ 新卒エンジニアに聞いた、モチベーション高く働ける理由とは?

2017-11-24 13:24

「DMM.comラボ」って、「DMM.com」とどう違うの? 「DMM.com」って名前を聞いたことがあるけれど、どんな事業をしているの? そんな疑問を持った私達は、 2017年3月に東京六本木へ移転したばかりというNewオフィスを訪問しました。

イベント

【イベント】日本精工(NSK)エンジニアリング体験会(交通費、昼食付) 9/24(祝・月)

 NSKで扱う製品は幅広いため、必要とされる技術や知識も幅広く、機械・電気・材料はもちろん、化学・情報・物理・数学など様々な分野の方が活躍できるフィールドがあります。     今回、リケジョカフェと日本精工のコラボ企画として、「ものづくりの仕事を体験する」エンジニア体験会を実施します!     ものの構造に興味がある方、リバースエンジニアリングに興味がある方、エンジニアの魅力や、働き方のイメージをつかむために。ものづくりが好きな理工学系女子は必見!幅広い学年を対象としているので、お気軽にご参加ください。

【インターンシップ】株式会社タツミプランニング 2018年サマーインターンシップ

当社は横浜を中心に、年間約500棟の住宅の企画、設計、施行、住宅・店舗のリフォーム、産業用太陽光発電(メガソーラー)の分譲・販売を通じ、“人生の宝物”を提供しています。 既存のプランのアレンジではなく、完全フルオーダーの自由設計で気密・断熱に優れた機能性の高い注文住宅[魔法びんハウス]を主力ブランドとし、建てた後のトータルコストまで考えた家づくりでお客様の人生をサポートする会社です。 今回は、タツミプランニングでの家づくりとは何なのか?を知ってもらえる内容のインターンシップをご準備いたしました! みなさまのご参加お待ちしております

【19卒 会社説明会開催】理系出身の技術者が多く活躍するイリソ電子工業株式会社 @新横浜 

イリソ電子工業株式会社は東証一部上場のコネクタメーカーです。 電子部品の一つである「コネクタ」の「設計開発・製造・販売」を一貫して行っており、機械系、電気・電子系、化学・物質工学系の理系出身の技術者が多く活躍しています。 イリソ電子工業の製品は車載分野において高い評価を得ており、電気自動車やハイブリッド車の普及によりますます需要の拡大が見込まれています。 また、IoTに対応した産業機械向けのコネクタ開発にも着手しています。 就職活動はご縁でもあります。ぜひ一度当社へ足を運んで頂き、ご自身の軸に合うかどうかを、まずは確かめてみてください。オフィス見学も実施致しますので、実際に働くイメージが持てることと思います。 さらに、当社にご縁があった場合の勤務地は新横浜、転勤無です。※技術系に限り そのため、女性としてのライフイベントと、仕事の両立もしやすい環境にあります。

【19卒 会社説明会開催】 化学系の学生さん必見! 『色と機能』で世界を変える 武蔵塗料ホールディングス(株)

武蔵塗装ホールディングスは世界9カ国に製造・サービス拠点を持つ、創業60年をむかえたプラスチック用塗料業界のリーディングカンパニーです。 応用化学、高分子化学、理学、有機化学など化学の知識を活かして、開発・技術で活躍してみませんか? 現在、19卒 会社説明会を開催中です。学生のみなさんに嬉しい夕方からの開催や土曜の開催、当日面談確約の日もございます。 ぜひ少しでも興味を持たれた方はご参加ください。

RIKEJO CAFE会員募集

RIKEJO CAFEでは会員を募集しております。

 

【会員特典】

 

1) フリースペース RIKEJO CAFEのご利用

2) 理系女子にお得な情報を配信するメルマガ

3) 企業訪問や先輩インタビューへの参加

4) イベント、業界セミナー、スキルアップ講座への参加

5) 理系女子座談会への参加

6) 商品開発プロジェクトへの参加 など

カテゴリー

記事検索

新着記事

全242件中 1〜 5件を表示

Facebookページ

週間人気記事ランキング