医療現場に最高のサービスを届ける仕事とは Siemens Healthineersさんを取材しました
シーメンスグループの日本での事業について
シーメンスはドイツの会社で、日本から見ると外資系の企業です。
日本での事業についてまずお話を伺いました。
シーメンスグループは様々な事業を展開している総合電機メーカーですが、日本で展開されている事業も多岐にわたりますが、中でもヘルスケア事業は大きな規模を誇っています。
日本のヘルスケア事業は主に2つに分類され、法人として独立していますが、Siemens Healthineers(シーメンス ヘルシニアーズ)というブランドのもと、連携して事業を行なっています。
シーメンスヘルスケア株式会社とシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社です。
1)シーメンスヘルスケア株式会社
MRI 、マンモグラフィー、CTなどの画像診断装置や血管撮影装置などの治療装置、超音波装置の輸入販売を行い、サービス提供やメンテナンスを行なっています。
2)シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
検体検査や診断薬の輸入販売、サービス提供やメンテナンスを行なっています。
日本全体でシーメンスグループとして約2,000人の社員がいます。いずれの事業も日本には製造開発の拠点を持っていないため、海外の拠点から製品を輸入し、お客様に販売し、サービスやメンテナンスを提供する仕事をしています。。
「Siemens Healthineers(シーメンス ヘルシニアーズ)」というブランドを掲げています。
「Siemens Healthineers」
業界におけるシーメンスヘルスケアのパイオニア精神(pioneering spirit)とエンジニアリングについての高い専門知識(engineering expertise)から発想を得たものです。このブランド名は個性的で力強く、また、当社組織や社員の特徴を的確に表現するものでもあります。つまり、優れた製品やサービスのもと、お客様に寄り添い、支え、インスパイアしていけるパートナー(inspiring partner)のことです
出典:シーメンスヘルスケアHP
ヘルスケアの領域で先駆者として未来を担っていく立場であるという自負を込めているそうです。
これからの医療を考える シーメンスヘルスケアが目指すこととは・・・
シーメンスでは、社会全体の医療の継続的発展を支援するために、どんな価値提供ができるかという視点を大切にしています。
シーメンスでは、世の中に届けるバリューとして、 医療機器の性能や薬の効能など、臨床におけるバリューはもちろんのこと、
クライアントである病院に対して、いかに効率的に業務を行えるかなど経営的な面においても、バリューを提供しています。
医療を学ぶ学生として、とても身の引き締まるお話を伺うことができました。
次に、シーメンスヘルスケア株式会社とシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社でお仕事されている理系先輩社員にお話を伺います。
シーメンスヘルスケア カスタマーサービス事業本部
カスタマーソリューションエンジニアでのお仕事について
シーメンスヘルスケア株式会社のカスタマーサービス事業本部でお仕事をされている曽我辺さんにお話を伺いました。
所属されているカスタマーサービス事業本部とはどのような部署でしょうか。
カスタマーサービス事業本部は会社の約半数の社員が所属している大きな事業本部になります。
この事業本部の役割は、営業がシーメンスの製品の商談を行い契約が決まった後に引き継ぎ、導入される装置の使い方の説明、導入後の機械のトラブルや修理など、お客様のリクエストに応じた適切なサービスを提供することです。
また、装置導入時にお客様に装置の操作方法のレクチャーを行うアプリケーションスペシャリストや、装置のメンテナンス、修理などに対応するカスタマーソリューションエンジニア(CSE)など多くの理系出身のエンジニアが活躍している部門です。
曽我部さんのご自身のキャリアや現在のお仕事についてお聞かせください。
大学では、理工学部で航空宇宙工学を学んでいました。
シーメンス入社時よりカスタマーサービス事業本部に所属しており、入社当時はカスタマーソリューションエンジニア(CSE)として装置のメンテナンスや修理を行なっていました。
現在はバックオフィスに異動となり、カスタマーサービス事業本部全体のプロセス改革など業務の効率化を考える仕事をしています。
理工学出身とのことですが、大学時代の専門知識はどの程度活かされていますか。
電気の基礎などに加え、論理的に説明したり文章にまとめる経験は役に立ったと感じています。
また、チームで仕事をするため、サークルやバイトなど、仲間と一緒に仕事を進めながらリーダシップを発揮する力は役に立つと思います。
装置に関する専門的な知識がなくても、入社後に装置のメンテナンス、修理、医療に関する知識などは本社のドイツが提供している研修を受けることで、身につけることが可能です。
医療現場ではどのような方と接する機会が多いのでしょうか。
画像診断分野ですと、放射線技師の方、治療としても使用されるアンギオグラフィー(血管撮影装置)の場合は循環器系の医師、オペで使用される装置は看護師の方、保守契約の話になると事務の方や場合によっては経営者ともお話をします。
活動拠点や働き方などをお聞かせいただけますか。
カスタマーソリューションエンジニアがいる営業所は全国で24箇所あります。
シーメンスでは育児休暇、育児短時間勤務、出産、配偶者の出産休暇などの制度も整っていますが、どれだけ長く休むことができるかという点ではなく、どれだけ早く、無理なく復帰できるかというところを今後は目指しています。
エンジニアとして専門的な知識を身につけ、ライフイベント後もその知識を維持して活躍していける環境づくりに会社として取り組んでいます。
アプリケーションスペシャリスト
続いて、シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社でアプリケーションスペシャリストとして働く、新卒1年目の前田さんにお話を伺いました。
現在のお仕事内容についてお聞かせください。
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社では、臨床検査の装置や血液検査、尿検査などの試薬などを販売しておりますが、
私はその中でも主に免疫・生化学検査の装置を担当しています。
営業が商談をまとめて病院に装置が導入される段階で、私たちアプリケーションスペシャリストの出番がやってきます。
具体的な仕事内容は、装置を設置する際には必ず、その装置の状態が良好であるかということを、データを取得して検討する必要があるのですが、そのデータの検討や、導入されるお客様への操作説明やトレーニングになります。
また、導入後にトラブルが発生した場合、データによるトラブルの場合はそのデータを解析しトラブルの原因解明を行います。
診断薬などを取り扱っているため、薬学部など医療系を学ばれていた方が多いのでしょうか。
同じ部署の社員ですと臨床検査技術などを学生時代に学ばれていた方が多いですが、社内には薬剤師の資格を持った方もいます。
私自身は大学時代には生命科学で細胞増殖などの研究を行っていました。医療というよりはどちらかというと生物よりですね。
学生時代の知識はどういったところに活かされていますか。
基礎的な生物や人体の構造の知識は学んでおいてよかったと思いますね。
反対に、「もっとやっとくべきだったな」と思うのは、英語です。
理系の場合、論文などで英語の読み書きはある程度抵抗はないのですが、話す力を留学などでもっと身につけておけばと思っております。
シーメンスさんは外資系企業ですが、英語は普段どのぐらい使われますか。
お客様は日本国内の医療機関の方なので日本語でお話しますが、社内のトレーニングや、本社などにエスカレーション(報告)する場合は、英語で行います。
英語力の向上は事業部でも取り組んでおり、新卒社員も英語研修に励んでいます。
アプリケーションスペシャリストを目指された理由をお聞かせください。
大学入学時は開発職にも憧れたのですが、大学の研究室でいざ研究をしていると、
「もっと直接お客様と接する仕事がしたい」と思うようになりました。
そこで、専門性を活かしながら、お客様とも直接コミュニケーションを取ることができるこのアプリケーションスペシャリストに決めました。
現在、どのような働き方をされていますか。
アプリケーションスペシャリストはオフィスがあるのではなく、自宅から顧客先への直行直帰が基本です。
働き方はある程度は個人の裁量に任されています。
今は先輩と同行していますが、独り立ちすると、自分で色々計画を立てて仕事を進める必要があります。
お客様である病院の検査室などは、午前中が忙しいため、緊急時以外は午前は自宅で事務作業を行い、14時15時ぐらいにお客様先につくように家を出ています。
最後に、目標とされているロールモデルの方はいらっしゃいますか。
お客様先で装置などにトラブルが起こった場合、その場で即座に対応し解決されている先輩の姿にとても惹かれますね。
曽我辺さん、前田さんありがとうございました。
私たち学生は、理系の専門性を活かした職業というと、開発や研究職を想像してしまいます。
今回、「カスタマーソリューションエンジニア」や「アプリケーションスペシャリスト」という専門性を活かしながらお客様と直に接することができ最高のサービスを届けることができる職種を知ることができました。
自分の知識が現場で発揮されて直接お客様に喜んでもらえる仕事にとても魅力を感じました。
また、医療を学ぶものとして、製品の性能向上のみならず、社会全体の医療を考えることの大切さに気づくことができました。
Siemens Healthineers様、取材にご協力いただきありがとうございました。
シーメンスヘルスケア株式会社
本社所在地 | 〒141-8644 東京都品川区大崎1丁目11番1号 ゲートシティ大崎ウエストタワー |
営業所・サービスグループ | 北海道、北東北、東北、北関東、新潟、東京、西東京、千葉、横浜、静岡、中部、北陸、京滋、北大阪、大阪、神戸、四国、中部、九州、南九州 |
事業内容 | 医療機器の輸入販売、修理、保守、リース |
HP | https://www.healthcare.siemens.co.jp/ |
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
本社所在地 | 〒141-8644 東京都品川区大崎1丁目11番1号 ゲートシティ大崎ウエストタワー |
ショールーム | 札幌、仙台、さいたま、東京、名古屋、大阪、広島、福岡 |
事業内容 | 診断または測定用品、医療用具、医薬品及び工業薬品並びにその関連製品の開発、製造、輸入販売及び輸出並びに医療機器の修理 ・生化学/免疫学検査装置/試薬 ・総合血液学検査装置/試薬 ・血液ガス分析装置/試薬 ・尿自動分析装置/試薬 ・糖尿病検査装置/試薬 ・新生児スクリーニング検査試薬 ・環境検査キット |
HP | https://www.healthcare.siemens.co.jp/ |