日産自動車で働く魅力はこれだ! ー女性技術者にお話を伺いましたー
自動車メーカーの理系の仕事と聞くとどのような仕事を皆さんイメージされますか?
今回、日産自動車株式会社のプラットフォーム・車両要素技術開発本部 内外技術開発部 空調・冷却システム開発グループの鈴木さんと
以前実験部に所属し、現在はアライアンスR&D人事部の天本さんに技術職の仕事内容や仕事をする上で活かせる女性としての強みについてお話を伺ってきました。
働き方はさまざま 自分にあったキャリアを積むことができる!
学生:一般的には、理系職種は、専門性を高めていくため、文系職種とは違い部署の異動などがあまりないイメージなのですが、いかがでしょうか。
天本さん:日産自動車では、「入社5年目くらいまでに一度は必ず部署異動をさせる」というルールがあり、様々な部署での経験を通じて、特定技術だけでなく、周辺技術も身につけること、またキャリアの幅を広げることで成長できます。
自分がどういうキャリアを積んでいきたいのかを上司と話しながら、様々なキャリアパスを描くことができるため、特定分野のスペシャリストの道に進むことも、希望によって全く異なる職種の部署を経験することも可能です。
鈴木さんと天本さんはどのようなキャリアを積まれているのかお聞きしてみました
学生:鈴木さんは、大学では何を専攻されていましたか?
鈴木さん:私は機械工学を専攻していて、その中でも「流体力学」を学んでいました。そこでは、ロケットの羽の形による風の流の変化や、飛び方の変化などを勉強していました。
学生:現在、「内外技術開発部 空調・冷却システム開発グループ」に所属されていますが、お仕事はどのようなことをされているのでしょうか。
鈴木さん:車のエアコンを作る。その車にあったエアコンを設計して、車を送り出す仕事をしています。
同じグループは約50人の社員がいます。そのなかで車種ごとに細かいグループに分かれているのですが、私はスカイライン(大きいセダン)やトラックを担当しています。
内外装技術開発部は設計のグループの一つになります。専門にデザインをする部署もありまして、そこでは内装の形状などのデザインスケッチを描くのですが、そのデザイン画を元に実際にものの形にしていく仕事が設計になります。
例えば車種によってその車を購入されるお客様のニーズは変わります。「革シートで、ステッチは何ミリくらい入っているものがよい」というお客様もいらっしゃれば、「そんなところにはお金をかけないで、もっとここを可愛くしてほしい」というお客様もいらっしゃいます。
乗る車によって、求められるものが違うため、それぞれのお客様にとって良いものを届けていくことが大切です。
エアコンの例ですと、快適に車内ですごしていただけるように「匂い」に対する研究を行ったり、車内で電話をハンズフリーで会話するときに、エアコンの風の音が邪魔にならないように風の流れをコントロールしたりするなど、様々な開発を行っています。
学生:天本さんは学生時代には何を学ばれ、現在どのようなお仕事をされていますか。
天本さん:私は学生時代に生物を専攻していました。現在は人事なのですが、異動する前は「車両実験部」に所属していました。日産自動車には、鈴木さんのように学生時代の専攻に割合近い領域をされている方もいれば、私のように大学時代の専攻とは全く関係なく車の知識がない状態で入社して仕事をしている方もたくさんいます。
学生:機械学科ではなく、車の知識がなくても本当に大丈夫なのでしょうか。
鈴木さん、天本さん:理系の学部の方であれば、論理的な思考や基礎学力は身についているので、車の知識など専門的なところは入社後の研修、OJTによって、育成が可能です。それだけの研修プログラムや育成体制が日産自動車にはあります。
鈴木さん:私も「流体力学」を学生時代に学んでいても、やはりロケットと車では全く違うので、ほとんどの知識や技術は入社後に身につけました。
例えば、エアコンの風の流れを計算する時などには流体力学の知識を、エアコンから出る空気の匂いを分析するには化学知識を活かすことができるそうです。
他にも、人間工学を学んできた人は、人間にとって乗りやすいクルマとは何かを考えたり、情報系でプログラミングが得意な人は、制御プログラミングを組んだりすることができることを伺いました。
様々な知識と技術が求められるクルマのものづくりには、どの専攻の方でも、それを活かして活躍できる場なのですね。
ものづくりの醍醐味 どこの部署にいても商品企画ができる!
学生:食品会社などでは、商品開発部やマーケティング部が商品開発を行うと思うのですが、クルマの企画はどの部署が担当されているのでしょうか。
天本さん:車の商品企画は多くの段階があります。将来の人口や年齢、性別などのマーケットを分析して、車のラインナップの企画をする部署もあれば、技術の企画をする部署もあります。
鈴木さん:各部署で、こういうシートやエアコンがよさそうなどの企画をする人、それらを選んでこういうクルマにしようと決める企画の人、それを一つの車で形にする人がいます。どこの部署にいても、自分で作りたい技術を企画して提案し形にすることができます。
実際に、無重力シートという、人が宇宙にいる時の姿勢が一番リラックスできる姿勢だと考え、それをクルマのシートにしたいと企画し実現した人がいたそうです。
これぞ、ものづくりの醍醐味で、自分で考えたことが形になり使っていただける。これが技術職の好きなところです。
日産自動車の他社に負けない強みはこれだ!
学生:自動車は現在、自動運転の技術を競いあっていると思うのですが、自動運転の技術は AppleさんやGoogleさんなど自動車メーカー以外からも参入しています。日産自動社さんが他社に負けない強みを教えていただけますか?
鈴木さん 天本さん:やはり昔から車をつくっているので、車づくりのノウハウを持っている点です。ある一定の収益を確保したうえで、お客様に満足していただける品質の車を作るのにはかなりの高度な技術が必要になります。
そのノウハウを有している点が、自動車メーカーの強みです。
また、ベンツと肩を並べて世界で初めて自動ブレーキを世に発表して以来17年間、日産自動車は多くの世界初の予防安全技術(センサーで車両の周辺を探知し、走行を制御する技術)を世に出してきました。
その点で、日産は予防安全技術について、他社に先駆けた経験と技術力を持つ会社と自負しています。その豊富なマーケット知識・分析データが日産自動車の強みですね。
女性技術者だからこそ活かせることがある!
学生:自動車の技術職と聞くと男性が多いイメージですが実際いかがでしょうか?
鈴木さん:開発は男の人がすごく多くて9割くらい男性です。しかし、自動車は男女や年齢関係なくみんなが乗るものですよね。最近は子供の送迎や買い物など女性が車を使う機会もとても多くなっています。ただ、女性の気持ちはやはり女性しかわからないとことがあります。ですので、女性が使う場合の視点を伝えられるのは女性技術者しかいないと思っています。
また、日産自動車では、小さい子どもを持つ母親だったり、身長が150センチに満たない人だったりを社内で集め、そこで出た声を開発に伝えています。
学生:逆に女性が少ないため、苦労した点などございますか?
鈴木さん:私は周りの環境に恵まれていて、仕事をする上では全くなかったですね。子育てが始まったころには時間が限られるので、周りの理解が必要にはなりました。ただ、日産自動車は時短制度があり、子供が小学校6年生になるまで短縮勤務の制度を利用できるので、男性女性問わず、利用している方が多いです。会社の中に託児所もあり、会社の制度は整っていて、周りの理解も深いので女性でも長く働きやすい環境ですね。
鈴木さん、天本さんありがとうございました。
日産自動車には理系女子が活躍できる仕事がたくさんあり、また活躍されている素敵な先輩もたくさんいらっしゃることがわかりました。
今回 そんな素敵な先輩と交流することができるイベント開催します。!
2018卒の理系女子の皆さん、ぜひご参加ください。