最新技術を用いて様々なスポーツコンテンツビジネスを展開するデータスタジアム株式会社にお話しを伺いました
テレビやネットでスポーツを観戦すると様々なデータを目にすることが多くなったと感じませんか?
例えばサッカーではハーフタイム中に選手の動きやボールの支配率などのデータが紹介されたり、野球ではネットで一球速報を見れたりするとができますよね。
この配信されているデータや仕組みを支えているのがデータスタジアム株式会社様です。
今回、データスタジアム様を訪問し、システム開発を担当されている社員さんにお話しを伺いました。
データスタジアムって何をしているの?
今年で設立15年(2016年11月時点)の会社で、スポーツ団体やJリーグ、プロ野球のチーム、メディアやゲーム会社にスポーツの分析データやスポーツに関するコンテンツ、データを分析するシステムを提供している会社です。
事業領域は2つあります。
1)コンテンツ・クリエイティブ領域
取得したプレーデータを、分析・加工しコンテンツとしてメディアに提供しています。
2)ソリューションメソッド領域
プレーデータを元にチームに高いシステム開発力、独自の運用ノウハウを元に様々なソリューションを提供することで、チーム強化に貢献します。
また、スポーツのデータを取得する方法は、映像を観て、人の手でデータを取得する方法と画像解析技術を用い、トラッキングすることで自動取得する方法の2つがあるそうです。
例えば野球の一球速報はどこにボールを投げて誰が打って、誰が捕ったかという情報を1球ごとに試合を見ながらリアルタイムで人の手でデータを取得しています。
また、サッカーでは特殊カメラを使いピッチ上の選手・審判・ボールの動きをデータ化するシステムを用い、選手の走行距離、走行スピード、プレーの位置、ボールの動きなどをデータ化しています。それらのデータはTV中継やアプリなどで活用されています。「ボール支配率」などテレビで中継をみているとよく聞く言葉ですよね。
その元となっているデータを提供されているのがデータスタジアムさんなのです。
Tomasz Bidermann / Shutterstock.com
会社設立当時は野球、サッカーなどがメインでしたがラグビー、バスケ、バレー陸上などオリンピックやパラリンピックのスポーツを中心に競技の幅が広がっているそうです。
また、インターハイの全競技の試合の動画をWebで配信する「インハイ.TV」、西武ドームではWi-Fiを利用しお客様がスマホを使ってその場でリプレイ動画を確認したりビンゴゲームに参加できたりするサービスがあるのですが、それらのコンテンツ制作のサポートなどもされています。
普段私たちが目にしているスポーツデータの多くにデータスタジアム様が提供されているデータが使われているそうです。
そんなシステムを開発している佐々木さん、植草さんにお話しを伺いました。
常に新しい技術にチャレンジする仕事
普段のお仕事はどのようなことをされていますか?
メールチェック後、スケジュールに沿って、お客様との打ち合わせや問い合わせの対応、開発などを行っています。
携わっているプロジェクトや時期によって内容は様々で、お客様との打ち合わせのために出社せずお客様先にいるときもあれば、一日中オフィスでパソコンに向き合って開発を行う時もあります。
スケジュールやタスク、プロジェクトの進捗は各個人が責任をもって管理しているので、1日の仕事内容も様々です。
システム開発の流れを教えてください。
初めに、営業と一緒にお客様のご要望をヒアリングしに行きます。
そして、そのご要望に応えるために技術面・金銭面を考慮しながら開発の概要設計を行います。
その後、開発に必要な機能・技術・プロジェクトの人数などを考えて、画面設計や必要なデータをそろえます。
実際のプログラミングは自社で行う場合とベンダーさんへ委託する場合などプロジェクトの規模や内容によって様々です。
開発後はテスト工程に入ります。細かいテストをした後で、最終的に全体のテストを行い、納品します。
こういった開発をするためはどのようなスキルが必要でしょうか?
大切なのは、特別なスキルよりも、柔軟さや臨機応変に行動できる力だと思います。
なぜかというと、技術がどんどん進歩し多種多様化しています。
特定の技術を極める方法もありますが、スポーツをデータ化するシステムはネットで検索したり、書店で開発の専門書をみたりしても載っているものではありません。
常にいろんな情報にアンテナを張り、情報収集をしておく必要があります。
また、プロジェクトにより全く異なるスキルが必要になるため、その都度対応する力が求められます。スポーツを扱い常に最先端の技術を使用するため、新しいものに興味を持つ知的好奇心や情報収集力も必要です。
新卒の場合、最初からそのような専門的なスキルが身についているわけではありません。OJT(on the job training)を行うことで、実際の仕事に取り組みながら、様々なスキルを学んでいくので安心してくださいね。
どんな時に仕事が面白いと感じますか。
そうですね、システム開発はシステムを作って終わりというわけではありません。
お客様やユーザが実際に使っていただき満足していただいて初めてその価値がでます。やはり、開発したシステムが実際リリースされて、ユーザの方に良い評価をいただいた時や、お客様に喜んでいただいた時がとても楽しいですね。
また、小さいことですが、開発中につまずいた時になかなか解決策が見つからず苦戦することもあります。しかし、視点をかえるなど、ふとしたきっかけで解決策が見つかった時などは心の中でガッツしてます。
また、スポーツが好きなので、スポーツに関連する仕事ができるのでとてもやりがいを感じています。
学生に向けてアドバイスをお願いします。
一番自由な時間があるのが学生です。時間を有効活用して、様々なことに挑戦することで、何かやりたいことを見つけてください。
やりたい事がみつかっていれば、いつかはその仕事ができるようになります。
取材を終えて・・・
スポーツをデータ化するスペシャリストであるデータスタジアムさん。
そこには、私たちユーザがスポーツをいろいろな面から楽しめるように、また、スポーツ業界の発展のために挑戦し続けるエンジニアの方の姿がありました。
取材を通して、常に新しい情報に関心を持ち、自ら学んでいく大切さを学ぶことができました。
今後スポーツデータを見た時に「このデータはどうやって取得しているんだろう」と考えてみるのも楽しいですね。
データスタジアム株式会社様取材へのご協力ありがとうございました。
データスタジアム株式会社
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂6-2-4 S-GATE赤坂
設立:2001年
社員数:96 名(2016年4月1日現在)
HP:https://www.datastadium.co.jp/