
ライフイベントとキャリアはどう両立する?三菱ケミカル女性社員3名が語るリアルな働き方
結婚・出産・育児などのライフイベントを迎えながら、どのようにキャリアを築いていけるのか――。
今回開催されたオンライン座談会では、三菱ケミカルで働く3名の女性社員が登壇。
研究開発、生産技術、デジタル領域など、それぞれ異なるキャリアを歩む社員が、実際の働き方や制度の活用、ライフイベントとの向き合い方についてリアルな経験を語りました。
働き方を支える制度・サポート体制
イベント冒頭では、三菱ケミカルの制度やサポート体制について紹介がありました。
三菱ケミカルでは、テレワークやフレックスタイム制度をはじめ、育児休職、短時間勤務、時間単位の有給休暇など、多様な働き方を支える制度を整備しています。
主な制度・サポート
- テレワーク制度
- フレックスタイム制度
- 育児休職制度
- 短時間勤務制度
- 看護等休暇
- 時間単位の年次有給休暇
- 社内公募制度
- 勤務地希望制度
- 保活コンシェルジュ
- 提携保育施設 など
また、男性の育休取得率も年々増加しており、2024年には82%に到達。数か月単位で育休を取得する社員も増えているそうです。
さらに、妊娠中の通院支援や業務軽減措置、復職前面談など、ライフイベントとキャリアの両立を支える制度についても紹介されました。
制度が“ある”だけではなく、実際に社員が活用しながら働いていることも、今回のイベントを通して印象的だったポイントのひとつです。
それぞれのキャリアと働き方
続いて、実際に制度を活用しながら働く女性社員3名が、それぞれのキャリアや働き方について紹介しました。
研究開発、生産技術、デジタル領域など、異なる職種でキャリアを築く3名が、ライフイベントと向き合いながらどのように働いてきたのか、リアルな経験を語ります。
生産技術として工場立ち上げに挑戦。育休復帰後はチームリーダーへ
Kさん|入社11年目|生産技術職(広島・大竹事業所)|化学工学専攻出身
〈二児の母〉〈チームリーダー〉〈フレックス・テレワーク活用〉
学生時代は化学工学を専攻し、入社後は広島県大竹市の事業所で、生産技術を担当してきたKさん。
瀬戸内海を望む大竹事業所は、化学メーカーが集まる工業地帯の一角にあり、その中で、研究と生産現場をつなぐ役割を担っています。
生産技術は、研究段階で生まれた技術や成果を、工場で安定して製造できる形へ工業化する仕事。研究成果を実際のモノづくりへつなげるため、スケールアップを進めています。
入社後は、新工場立ち上げや海外顧客との英語会議など、幅広い業務を経験。学生時代に学んだ化学工学だけでなく、さまざまな知識を活かしながら、ものづくりに携わってきたそうです。
転機となったのは、入社5年目。第一子を妊娠・出産し、ライフステージが大きく変化しました。
化学メーカーではさまざまな物質を扱うため、妊娠発覚後は早い段階で上司へ相談。上司・人事・産業医との「4者面談」を行い、業務範囲を明確化したといいます。
「安心して働き続けることができた」と振り返るさんKさん。第一子出産後は8か月間の育休を取得し、夫も1か月間の育休を取得したそうです。
復職後は、フレックスタイム制度やテレワーク、看護休暇などを活用しながら、仕事と育児を両立。第二子出産・復職を経て、現在はチームリーダーとして部下育成にも取り組んでいます。
「仕事だけに向き合える時間は意外と限られている」と語るKさん。子育てだけでなく、介護や病気など、さまざまな事情を抱えながら働く人がいるからこそ、制度を活用しながら働ける環境の大切さを感じているそうです。
研究開発から人事へ。社内公募制度を活用したキャリアチェンジ
Mさん|入社8年目|人事・採用担当(愛知勤務/遠隔地勤務)|有機化学・無機化学専攻出身
〈一児の母〉〈短時間勤務制度を活用〉〈社内公募制度を活用〉
2017年に入社したMさんは、研究開発職としてキャリアをスタート。
入社後は愛知県に配属され、半導体関連材料の研究開発や新製品立ち上げ、顧客対応などに携わってきました。
研究職というと、研究室で黙々と実験をするイメージを持たれがちですが、実際には顧客とのコミュニケーションも多く、国内外への出張も経験したそうです。
また、自身が開発した製品の製造プロセス立ち上げ支援として、生産技術部門へ長期出張した経験もあるといいます。
そんな中、結婚を機にライフスタイルが変化。夫の海外転勤に伴い、海外同行休職制度を活用する予定でしたが、コロナ禍によって直前で断念することに。
「人生は思った通りにいかないことも多い」と振り返るMさん。それでも、その都度上司が親身に相談に乗ってくれたことが、大きな支えになったそうです。
その後は改めて自身の働き方やキャリアを見つめ直し、社内公募制度を活用して人事部門へキャリアチェンジ。現在は採用業務に携わっています。
2023年には第一子を出産。夫も2か月間育休を取得し、育児をサポートしてくれたそうです。
保育園探しに苦戦し、育休延長を経験した一方で、会社とも相談しながら柔軟に働き方を調整。現在は短時間勤務や時間単位の有給休暇なども活用しながら働いています。
「その時々の状況に合わせて、自分がどうありたいかを考えることが大切」
という言葉が印象的でした。
デジタル領域でキャリアを広げながら、育児と両立
Yさん|入社10年目|デジタル・情報システム領域(東京本社)|統計学専攻出身
〈一児の母〉〈短時間勤務制度を活用〉〈フレックスタイム制度を活用〉
Yさんは、情報システム領域を担うグループ会社へ入社後、システム開発や運用、セキュリティ関連業務など、デジタル領域でキャリアを積み重ねてきました。
学生時代の専門は統計学でしたが、入社後は情報系・デジタル分野に挑戦。設計・プログラミング・テスト・ユーザー教育まで、幅広い工程を経験したそうです。
その後は本社へ異動し、グループ全体のセキュリティ施策や海外グループ会社とのプロジェクトにも携わるように。海外拠点とのコミュニケーションに苦労しながらも、グローバルプロジェクトを推進してきました。
2020年には産育休を取得。復職後は短時間勤務制度を活用しながら働いています。
「子どもが保育園に通い始めてからは、想像以上に体調を崩すことが多かった」と振り返るYさん。
そんな中でも、「仕事は代わりがいるけど、ママの代わりはいないから」と周囲から声をかけてもらい、安心して子どもの対応ができたといいます。
現在は、社内公募制度を活用して新設部署へ異動。外部パートナー企業との契約管理や課題改善などを担当しています。
また、フレックスタイム制度を活用し、日中に家庭の用事を済ませることもあるそうです。
「一人で仕事を抱え込まないことを意識している」と話すYさん。急な休みにも対応できるよう、普段からチーム内で情報共有を徹底しているそうです。
「実際どうだった?」
女性社員3名が語るリアルな働き方とキャリア
登壇者紹介の後に行われた座談会では、学生からライフイベントや働き方、キャリア形成に関する質問が寄せられました。
結婚・出産・育児をどのように考えていたのか、技術職でもテレワークはできるのか、育休後のキャリアに影響はあるのか――。
学生が気になるテーマについて、3名の女性社員が自身の経験を交えながら率直に回答しました。
就職活動中、ライフイベントはどのくらい考えていた?
座談会では、結婚や出産などのライフイベントを、就職活動中にどの程度考えていたのかという質問がありました。
Kさんは、将来のライフプランを踏まえ、広島県に製造所がある企業で働きたいという思いを持って就職活動をしていたそうです。結果的に、当初思い描いていた形とは違う部分もありながら、広島で働くという希望は叶い、現在のキャリアにつながっています。
一方で、YさんやMさんからは「就職活動中はそこまで具体的に考えていなかった」という声も。入社後に制度の充実を知ったり、ライフイベントを経て働き方やキャリア観が変化したりすることもあるといいます。
特にMさんは、「今ある制度がずっと同じとは限らない」と話し、制度そのものだけでなく、会社が時代に合わせて柔軟に変化していく姿勢を見ることも大切だと語りました。
技術職・工場勤務でもテレワークはできる?
技術職でのテレワークについても質問が寄せられました。
生産技術を担当するKさんは、製造部門に所属しているため、現場での実験や確認が必要な場面もあります。そのため、一般的にはテレワークがしづらい部署ではあるものの、業務内容を調整しながら週1回程度テレワークを活用しているそうです。
一方で、デジタル領域で働くYさんは、パソコンがあれば業務ができるため、テレワークを中心とした働き方がしやすいといいます。
職種や業務内容によって出社頻度には違いがあるものの、それぞれの仕事に合わせた柔軟な働き方が広がっていることが紹介されました。
妊娠中の働き方はどう変わる?
Kさんの「4者面談」についても、学生から質問がありました。
Kさんは第一子を妊娠した際、工場で扱う薬品や現場作業への不安があったため、上司・人事・産業医を交えて面談を実施。妊娠中に避けるべき業務や、法的には制限されていないものの不安のある作業について確認し、業務範囲を明確にしたそうです。
その後は工場内での作業を一時的に控え、報告書作成やこれまでの業務整理など、現場に立たなくてもできる仕事へ切り替え。必要に応じて、工場に設置したカメラを見ながら遠隔で指示を出すような形で、業務を続けたこともあったといいます。
「妊娠しているから物足りない仕事しかない、ということはなかった」という言葉からも、状況に応じて業務を調整しながら働いていた様子が伝わります。
出産・育休後もキャリアは続けられる?
出産や育休によって、昇進やキャリアに影響があるのかという質問もありました。
Kさん自身も、妊娠・出産・育休を挟むことで昇進が遅れるのではないかと不安に感じていたそうです。
しかし実際には、第一子・第二子の出産と育休を経ても、同期と同じようなタイミングで次のステージへ進み、現在はチームリーダーとして部下育成にも携わっています。
Yさんも、短時間勤務を続けながら昇格を経験していると話しました。
時短勤務により勤務時間分の給与は変わるものの、昇給や昇格の機会がなくなるわけではなく、自分がどのように働きたいかに合わせて選択しているそうです。
社内公募制度でキャリアはどう広がる?
社内公募制度についても、学生から関心が寄せられました。
Yさんは、社内公募制度を利用して新設部署へ異動。応募前に必ず上司へ相談しなければならないわけではなく、自分の興味や挑戦したい気持ちをきっかけに応募できる制度だと話します。周囲も制度に慣れており、異動後も以前の部署と良好な関係を続けているそうです。
Mさんは、研究開発職から人事部門へキャリアチェンジ。研究開発でさまざまな部署や人と関わる中で、会社の中で働く人や組織を支える仕事に興味を持つようになったといいます。
「研究開発一本」だけではなく、分析、知財、営業、戦略企画、生産技術など、研究職で培った経験を活かしながら多様なキャリアへ広げていけることも紹介されました。
復職後のリアルと、働き続けるための工夫
復職後のギャップについて、Mさんは「大きなギャップはなかった」と話します。
もともと休みの取りやすさや柔軟な働き方を感じていたため、復職後も働きやすさを実感しているそうです。
一方で、子どもの体調不良など、想定以上に休みが必要になる場面も多いとのこと。
その中で大切なのは、制度があることに加えて、自分の状況を周囲に伝え、オープンにコミュニケーションを取ることだと語りました。
また、遠隔地勤務については、対面ではないからこそ「何に困っているのか」を自分から伝えることが重要だという話も。わからないことをそのままにせず、周囲に聞きながら進める姿勢が、柔軟な働き方を続ける上で大切だと紹介されました。
最後に
今回の座談会では、制度の紹介だけでなく、実際にその制度を活用しながら働く社員のリアルな声が語られました。
研究開発、生産技術、デジタル領域など、それぞれ異なるフィールドでキャリアを築いてきた3名。
結婚・出産・育児といったライフイベントを迎えながらも、自分の状況に合わせて制度を活用し、周囲と相談しながら働き方を選んでいる姿が印象的でした。
就職活動では、「どんな仕事をするか」だけでなく、「どのように働き続けられるか」も大切な視点のひとつです。
今回のイベントが、これからキャリアを考える学生にとって、自分らしい働き方や将来の選択肢を考えるきっかけになれば幸いです。








