【仕事研究】MR(医薬品情報担当者)の仕事とは
目次[非表示]
MRとは
Medical Representativesの略で医薬品情報担当者のことです。医療機関を訪問し、医師をはじめとする医療従事者へ自社製品の適正使用と普及のため、情報提供・収集・伝達を行うことが役割です。
MRの具体的な仕事
情報提供
営業職として紹介されることの多いMRですが、他の業界の営業職と大きく違う点として価格交渉を行わず、適正使用のための情報提供が主な仕事になります。
価格交渉は別に医薬品卸業のMS(Marketing Specialist・医薬品卸販売担当者)が行います。
情報提供は直接医師や医療従事者との対話によるものや、製品説明会、学術講演会など、様々な方法で行います。医師や、医療従事者に新薬を紹介や既存製品の適応追加、医師の担当する患者さんでお困りの症状への治療方法などの提案を行います。
収集・伝達
副作用が発生した時には48時間以内に医師への聞き取りを行い、会社へ報告します。
そのほか稀に発売禁止になった場合などは一刻も早く医療機関へお知らせに行きます。
その他
コントラクトMRといって製薬会社ではなく、マーケティング活動をアウトソージングしているCSO(Contract Sales Organization)に所属し、製薬会社に派遣されるMRもいます。
また、まだあまり普及してはいませんが、リモートMRといったインターネットを通じて医師へ情報提供をする専任のMRもいます。
MRのやりがい
一番のやりがいは紹介した自社製品によって、「患者さんの症状が良くなった。」と医師から言われた時です。間接的ではありますが、患者さんの為になった、人の役に立ったと思える時にはやはりやりがいを感じます。
また、医師や医療従事者の方からの信頼を得て、自社製品を治療の第一選択薬にしていただけたときも、やりがいを感じます。
医療資格を持っているMRも中にはいますが、資格がなくても医療に貢献できる点がMRの大きな魅力です。
給与面でも処方数によって自身の実績が決まります。頑張れば成績によっては会社からインセンティブがある場合や、ボーナスで反映される場合があります。
MRの一日(クリニック担当)
MRはどんなスケジュールで働いているのでしょうか、あるMRの1日のスケジュールを紹介したいと思います。
8:00 |
卸店訪問 MSと情報交換 |
|
9:00 |
チームミーティング、 必要な場合は営業所に戻り資料を取りに行く |
|
11:00 |
午前訪問先 |
|
14:00 |
お昼、提出資料の作成、資料検索など |
|
16:00 |
午後訪問先 |
|
18:00 |
直帰または営業所へ戻り次の日の準備 準備が終わったら帰宅 |
<講演会がある場合> 午後先を少し早めに切り上げて、 会場に行き準備 |
19:00 |
講演会開始 顧客対応 |
|
21:00 |
講演会終了 |
|
22:00 |
後片付け、帰宅 |
MRになるには
新卒でMRになるには、製薬会社のMR職に応募して採用される必要があります。MR職は新卒以外に中途の募集もあり、他の業界からMRになる方もいます。新卒、中途共に出身学部は問われません。
入社後に自社製品と基本的な疾患の知識習得、MR試験対策で研修があります。MR認定証がなくてもMR活動は出来ますが、企業で取得を義務付けられているところが多く、医療機関でも認定証のないMRは訪問できないところも多くあります。
また、会社によって得意分野が違うので、自分が興味のある領域、貢献したい領域を良く調べて応募する必要があります。
得意分野がいくつかある会社では、必ずしも希望の領域に配属されるわけではありません。また、入社後に組織編成で担当領域が変わることもあります。
MRに必要なスキル
普通自動車免許は必須になります。基本的には全国勤務で営業活動は車で移動することが多いためです。入社してからも取得することも可能ですが、忙しくなる入社前に取得してくと良いでしょう。新卒は会社によってはペーパードライバー講習を受けに行くこともあります。
そのほか、必須ではありませんが英語ができると仕事も幅が広がります。医師から海外文献を調べてほしいという要望を受けたり、新薬や適応追加の場合に海外で先行発売されていたり適応がすでにあったりするので、論文を理解できる英語力があると良いでしょう。
MRのキャリア
現場でMRを続けるほかに、所長や支店長といった管理職を目指したり、教育研修、ブランドチーム、開発チームなど本社勤務を目指す方法があります。
ただし、会社によってはポジション採用でMR以外のキャリアを目指すのが難しい場合もあるので、良く調べてから入社すると良いでしょう。
基本的には全国勤務の総合職ですが、結婚や家庭の事情などにより地域限定に切り替えることが出来る企業もあります。
また、産休・育休についても充実している企業が多くあり、出産を経てからも時短MRとして活躍する女性MRもたくさんいます。企業によっては配偶者の海外転勤等で辞めざるを得ない時に、一度辞めても復帰できる制度があるところもあります。
企業によって制度が違うので、人事やOGに確認してみると良いでしょう。
まとめ
業界全体としては女性MRの割合は2割程度とされておりますが、比較的他の業界より福利厚生等も充実し、コンプライアンスも整っている場合が多く働きやすい業界です。
日々進歩する医療へついていく為に、勉強など自己研鑽も必要とされますが、営業職でありながら医療へ貢献できるやりがいのある職業です。