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教室内における新型コロナウィルス感染のリスク削減にどのようにシミュレーションが貢献できるのか

ここ数週間、日本も含め、複数の国において、新型コロナウィルスの感染数が激増しています。専門家によると、この感染数はホリデーシーズンを通して、そしてホリデーシーズン以降も増加し続けると予測されています。世界中の人々がワクチンを待ちながら、感染を避けながら可能な限り普通の生活を送ろうとしています。しかし残念なことに、健康を維持するためには、今までの生活通りではなかなか難しいようです。そこで、感染リスクを最小限に抑える方法について考えたいと思います。


最大の関心事の一つは、教育施設と青少年の保護です。大学では、オンライン授業に移行していますが、小・中・高校では、生徒たちが可能な限り通常の環境で学習できるようにしながら、これ以上勉強が遅れないように努力されています。そこで、引き続き安全に学校で勉強ができるようにシミュレーションを活用し教室内を検討してみました。

SIMULIA の流体解析(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションソフトウェアを活用した気流ソリューションを使用し、マスクの着用のした場合としなかった場合、換気パターン、座席の配置という、パンデミックの拡大を抑制し、生徒の安全を確保する可能性のある3つの要因を研究しました。

マスク

新型コロナウィルスは、口や鼻からの分泌物を介して拡散し、くしゃみや咳、会話などで、あらゆる大きさの飛沫(エアロゾルを含む)の形で空気中を移動することがわかっています。この飛沫を人から人へと移動させないためには、マスクが非常に有効な手段であることは、シミュレーションでも実証されています。しかし、学校によってはマスクの着用を義務付けていないところや、義務付けている学校でも給食を食べるときにはマスクを外して食べなければなりません。また、子供たちは、食後マスクを外したままだったり、間違ったマスクのつけかたなどが考えられます。よって、マスクだけでは防ぎきれないと考えられます。


換気

換気はとても重要です。優れた換気システムは、空気中の飛沫が表面に着地したり、生徒や教師が吸い込んだりする前に、教室の外に運び出すことができます。また、飛沫が集中するエリアを最小限に抑えることができ、伝染病のリスクを下げる可能性があります。シミュレーションの結果、窓を開けてそよ風が吹いているような自然換気のある典型的な教室では、液滴の14%が1分以内に教室外に出てしまうことがわかりました。この割合は,側面排気ファンを追加してオンにした場合には20%,中央排気ファンをオンにした場合には22%にまで上昇しました。したがって、強制換気、特に効率的な中央空調システムは、飛沫が誰かに感染する前に部屋から除去するための主要な要因となります。部屋の気流をうまく利用することで飛沫の濃度を劇的に下げることができますが、うまく統合されていない場合は状況を悪化させてしまう可能性があるため、組み合わせする事が鍵となります。


座席の配置

また、生徒がどこに座るかも非常に重要です。今回の研究では、以下のような仮定をしました。

  • 室温は26℃である。
  • 全ての生徒が病原体の発生源となる確率が等しい
  • ウィルス負荷は毎時900粒子
  • 粒子の平均粒子径は1ミクロン

単一の汚染経路はエアロゾル(空気中に浮遊する小滴)を経由しています。今回のシミュレーションは、40人の学生がいる教室、20人の学生がいる教室(2パターン)の3つの構成で行われました。最適な座席の配置は色々なパターンをシミュレーションし、以下に示すような、20人の学生からなるレイアウトが最適なという結果になりました。部屋の空気の流れの分布は、学生間の距離を最大化する従来のものと比較して、予想されるレイアウトにつながりましたが、レイアウトは換気に依存するため、部屋ごとに検討する必要があります。


SIMULIA 流体解析ソリューションを使用することで、教室内でのより良い環境を検討することが可能になります。シミュレーションの結果に基づいて配置された20人の生徒がいる部屋は、中央の換気扇をオンにした場合、新型コロナウィルスの流行中でも子供たちにとって安全な学びの場となります。


生徒・学生が新型コロナウィルスに感染しないことを100%保証する方法はありませんが(文字通り他の人間と接触しないことを除けば)、シミュレーションは環境を正確に評価することができるため、このソリューションにより教室だけでなく、飲食店、職場や病院でもワクチンが到着するまでの間、可能な限り安全な環境を検証することがでます。SIMULIAのエキスパートサービスチームは、このような企業のシミュレーションを支援し、SIMULIAクラウド上で迅速にシミュレーションを実行することで、健康維持のための最大のチャンスを提供しています。

  

同様に、オフィスや公共施設、飛行機の機内や自動車の車室内でも、感染拡大のための施策が必要になってきます。ダッソー・システムズでは現在、飛沫シミュレーションに関するコンサルティングを提供しています。また、ダッソー・システムズの東京オフィス(東京都品川区)再開に際しても、3DEXPERIENCEプラットフォームを活用し、オフィスの3次元モデルを基にしたシミュレーションを実施しました 。

実際にオフィス環境向けに行ったシミュレーションは、下記の動画もご覧ください 。



ダッソ・システムズ株式会社

ダッソ・システムズ株式会社

自動車業界をはじめ、航空宇宙、造船、産業機械、ハイテク、消費財、建築や都市設計、エネルギー、ライフサイエンスなど幅広い業界・分野において日本や世界の優良企業を支援し、そのビジネス変革に貢献しています。

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会社情報

 社名 ダッソー・システムズ株式会社
 設立  1994年6月2日
 事業内容

ダッソー・システムズ株式会社はダッソー・システムズ(欧)の100%子会社であり、2019年に設立25周年を迎えます。ダッソー・システムズ製品群の販売、マーケティング、サポート、受託開発、R&Dならびに関連業務を行っています。自動車業界をはじめ、航空宇宙、造船、産業機械、ハイテク、消費財、建築や都市設計、エネルギー、ライフサイエンスなど

幅広い業界・分野において日本や世界の優良企業を支援し、そのビジネス変革に貢献しています 

 url  https://www.3ds.com/ja
 住所 〒141-6020 東京都品川区大崎2丁目1番1 ThinkPark Tower 
 

資本金

 27億4,609万円
 代表者  フィリップ・ゴドブ
 従業員数 629人(2019年10月31日時点) 
 サービス 当社の3Dソフトウェア技術を使用することで、自動運転車、宇宙エレベータ、ハイパーループ、航空機、客船、ロボット、高機能家電、義肢、五輪向けの大規模スタジアムなどが形になっています。近年では世界の3Dプリンタをつなぐマーケットプレイスの提供、シンガポールなどの各国のスマートシティ化、バーチャル心臓を使った心疾患研究プロジェクトなど、製造業の枠を超えたさまざまな業界の変革とイノベーションをけん引しています。
 カルチャー 日本法人では現在、日本を含む18ヶ国・地域のさまざまなバックグラウンドやスキル、ノウハウを持つ社員が、男女の別なく活躍しています。また、社内はコラボレーションの文化が根付いています。日本を含む全世界の社員は社内クラウド・プラットフォーム上でつながることができ、共通のミッションのもとにお互いのスキルとナレッジを持ち寄り、自由に意見を交わしながら課題解決に取り組んでいます。業務外においても社員が交流できる機会として、フットサル、バスケットボール、ランニング、アート、写真、ヨガなどのクラブ活動が行われています。また、社員のワークライフバランスや女性のキャリア形成など、働きやすい環境を整備するための活動も社員を中心に積極的に推進中です。 

 

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