最優秀賞30万円!キャタピラーが女子高校生・大学生も研究者に加えて応援!「キャタピラーSTEM賞」を創設・拡大したキャタピラー明石事業所を取材しました。
キャタピラーは、世界中の道路・鉄道・海・河川・森林・採石所・油田で活躍している油圧ショベルやブルドーザーなどの建設機械を製造する、世界No1の建設機械メーカーです。
兵庫県にある明石事業所は、油圧ショベルのマザープラントとしてグローバルで開発・製造をリードする重要な役割を担っており、世界の生産台数の約3分の1はここ明石で製造されています。
「建設機械」については、あまり馴染みがないという学生も多いのではないでしょうか。建設機械の業界をリードするキャタピラーではどんな社員の方が働いていらっしゃるのか、また昨年より創設された「キャタピラーSTEM賞」について、学生記者が明石事業所にお伺いし、お話をお聞きしました。
取材した社員さん
石田さん (油圧ショベル開発本部 車両設計部 中型機計画課)
永井さん (油圧ショベル開発本部 構造設計エンクロージャー設計課)
久保田さん(明石ビジネスサポート部 NPIコスト企画課)
キャタピラーに入社したきっかけ
ーーまず、学生時代の専攻と、現在のお仕事内容についてお聞かせください。
石田さん:私は農学部の農業工学課程で、農業機械について学んでいました。現在は油圧ショベルの車両全体の設計を担当しています。
永井さん:工学部の機械工学科で金属材料の研究をしていました。石田さんと同じ開発センターで油圧ショベルのエンクロージャ(ボディ部品)の設計をしています。
久保田さん:私は文系出身で、経営学部で人的資源について学んでいました。製品の原価管理の仕事をしています。
ーー学生時代の専攻・研究は、今のお仕事に活きていますか?
永井さん:論文を書くことが多くありましたが、論の「組み立て方」については、今の仕事に通じる部分が多くあります。
久保田さん:人的資源・マネジメントについて学んでいました。ヒトを見る「ものさし」を養うことができた当時の経験は、今に活かされています。
ーー就職活動について、いろいろな企業を見て最終的にキャタピラーに入社を決めたと思いますが、その決め手になったものは何でしょうか。。
石田さん:私は先生に勧められたのがきっかけです。実はその時までキャタピラーの名前さえ知りませんでした。キャタピラーに企業訪問し、社員の方とお話させていただいた時に油圧ショベルを見たのですが、その大きさ・スケールに圧倒され、かっこいいなと思い入社を決めました。
何かビビっときましたね。
永井さん:私はもともと、大きいものをつくりたいという憧れが、子供のときからありました。小学校の時にちょうど明石海峡大橋の建設が始まって、こういう大きいものをつくる仕事ってかっこいいなとずっと思っていました。
就職活動をする時、大学の機械学科の友人たちは、車や家電に進みたいと話す人が多かったのですが、私自身は「いや、小さいでしょ、もっと大きいものを作ろうよ。」と考えていました。またその当時、学部卒で設計の仕事ができる会社は少ない中、キャタピラーでは学部卒、院卒関係なく設計の仕事ができるということを聞いて、ここに入社しようと決めました。
夢だった設計の仕事を始めて6年目になりますが、一人前と胸張って言えるにはまだまだです。やっと一つの機種の設計を任せてもらえるようになりました。当面の目標は、今担当している製品を無事に市場に出すことです。
久保田さん:私は中途でキャタピラーに入社しました。前職は経理で、ドラマでみるような、ザ・OLのような仕事をしていて、男女での仕事の差というのを感じていました。そんなもやもやした気持ちもあって、転職を決意しました。
キャタピラーに決めた理由は、キャタピラーの管理職の方に何人かお会いした際に、キャタピラーでは、男女関係なく仕事をバリバリできることを聞いて「あ、ここで私、この人についていこう。」と心から思えたので、入社を決めました。
女性の働きやすさについて
ーー男女という言葉がでましたが、キャタピラー明石事業所の女性の比率はどれくらいになりますか。
石田さん:女性の比率は約1割になります。最近では工場でも女性が増えてきて、子供を2人産んで復帰されている方もいます。
研究・開発職となると、200名中10名くらいが女性でしょうか。まだまだ女性は少ないですが、年々増えています。
ーー女性の働きやすさというところではいかがでしょうか。
石田さん:もともと女性が少ない会社ですので、他の企業より女性にとって、とても働きやすいとは胸を張って正直言えませんが、数年前から各種制度を整備して、会社全体として働きやすい職場にするように全力で取り組んでいます。キャタピラーグローバルとしても女性活用を推進している追い風もあり、少ないからこそチャンスは多数ありともいえます。モチベーションがあれば、大きなやりがいを得られるのではないでしょうか。
永井さん:良い意味でも悪い意味でも、男女平等ですね。「女性だから・・・。」なんて言葉は絶対に言われることはありません。女性としてすごく働きやすいかというと、女性だけにしか分からないような微妙なところが伝わらないことも、たまにはあります。ハーバードビジネススクールと開発をした女性向けの集合研修や、女性と働くということについての男性の意識を啓発する研修なども含め、各種取り組みを展開し、考え方だったり、こういうところを今まさに、変えていっています。
久保田さん:男性、女性関係なくやりたいことをやらせてもらえる会社です。ですので、私たちも管理職の人に任せっぱなしではなくて、自分たちで声を上げて、自ら行動して変えていく姿勢も大切だと思っています。その変革の時に立ち会えていて、これからどんな会社になっていくのか、とても楽しみです。
「キャタピラーSTEM賞」とは
ーー「キャタピラーSTEM賞」についてもお聞きしたいのですが、昨年設立されて、今年新たに学生部門が創設されましたが、その経緯についてお聞かせください。
石田さん:キャタピラー全世界で女性の活躍推進には取り組んでいるのですが、日本ではその取組の一環として、昨年若手女性研究者の研究を支援するために「キャタピラーSTEM賞」を設立いたしました。理系女子を応援したいというのと、キャタピラーについてみなさんに知ってもらいたいという会社の思いがあります。
昨年は、最初の取り組みとして、会社としての日本への貢献を意識し、日本発で世界のイノベーションに即戦力として貢献する女性を応援する一般部門のみでした。論文や、実現性など、技術的な裏付けが必要なため、大学生の皆様には、ハードルが高いものでしたので、範囲を拡大することにしました。
今年はもっと学生のみなさんにも簡単に応募していただけるよう、部門を分けて募集をすることにしました。文字数も500文字〜1500文字とA4用紙に収まるぐらいです。ご自身の研究テーマに沿ってご応募いただけます。
ーー学生部門のテーマは「未来の建設機械」「未来のものづくり」「未来の都市」ですが、どのようなアイデアを期待されていますか。ドラえモンの世界のような今の技術では実現が難しいことでも大丈夫でしょうか。
石田さん:そうですね、社内では出てこないようなアイデア、学生さんらしいフレッシュなアイデアを出してもらえたら良いなと思っています。
実現するかどうかにかかわらず、夢があるアイデアをぜひお待ちしております。
今回取材を通してキャタピラーという会社を知ることができたこと、また工場見学では実際に油圧ショベルが製造されていく工程を目でみることができ、とても学びの多い一日でした。工場内でお会いした社員さんは、通りかかる際のご挨拶や、工場内外での安全確認など、コミュニケーションが徹底されていると感じました。
取材時には地元の中学生が職場見学に訪れていました。仕事内容のレクチャー、工場見学のほか、CADを使った油圧ショベルの組み立て作業の体験も。未来の「ものづくり」を支える若者が、ここから育ってほしいですね!
この記事を通して少しでも多くの学生がキャタピラーを知り、「キャタピラーSTEM賞」へ応募して頂きたい!と思います。(文系理系関係なく応募できます)
「キャタピラーSTEM賞」の詳細、キャタピラーについては下記リンクをご参照ください。
皆様のご応募お待ちいたしております!
―第2回キャタピラーSTEM賞【学生部門】募集要項―
1)概要
日本で事業を始めて55年、またキャタピラーとなって10年を迎えた2018年に、将来を担う若手女性研究者の国内での教育・研究機関における研究を支援する為に設立しました。日本のイノベーション、特に油圧ショベル事業部のデザインセンターと製造施設のある兵庫県を中心とした関西の発展の一助となることを目指し、兵庫・関西発の日本・世界の持続的な発展に向けた未来志向のプロジェクトとしています。
また、2019年より、新たに学生部門を設け、未来の「ものづくり」「建設機械」「都市」についての皆様の考えを募集します。建設機械の歴史は、1925 年にキャタピラー社と共に始まり、未来へ続きます。キャタピラーは世界最大の建設機械メーカーであるだけでなく、エンジン・発電機などパワーシステムのリーディングサプライヤーでもあります。また、1963 年以来、半世紀以上にわたって、日本の明石に重要な拠点を構え、主力製品である油圧ショベルの開発・製造をリードし、時代の先端を行く製品と技術を世界へ発信しています。IoT、ビッグデータ、AI時代ならではの「ものづくり」「建設機械」「都市」についての自由闊達なご意見をお待ちしています。
2)対象:
2020年3月末時点で国内の高等学校・高等専門学校・大学・大学院に在籍予定の女子学生。個人及びグループでの応募も可。(国籍は問わず、但し応募は日本語のみ受付。)
3)奨励金授与の件数:
最優秀賞1件、奨励賞3件程度。最優秀賞受賞者(個人またはグループ)に賞状と奨励金30万円、奨励賞受賞者(個人またはグループ)に賞状と5万円分の図書券を贈呈します。
4)受付期間:
2019年4月15日(月)~2019年8月31日(土)
5)応募方法:
メールのタイトルに『キャタピラーSTEM賞応募書類』と必ず明記の上、必要応募書類を揃えて『キャタピラーSTEM賞事務局』(caterpillar_kouhou@cat.com) 宛てにe-mailにてお送りください。
6)必要応募書類
① 応募申請書
② 未来の●●について(A4版 1頁、500文字~1500文字程度)
※「未来の建設機械」「未来のものづくり」「未来の都市」から1つテーマを選択
※論文の他に補足する資料がある場合は添付のこと
募集要項や応募申請書類は、キャタピラーのHPからダウンロードできます。
掲載URL:https://www.caterpillar.com/ja/company/caterpillar-in-japan/stem-awards.html
応募書類は、審査委員等審査に必要な範囲内において共有し、発表会等の際に一部を使用することがあります。受賞者の書類についてはWEBに公開をするとともに、年に1回程度研究の進捗を報告いただきます。
また、個人情報は、以下のキャタピラーの方針に基づいて適切に管理します。
掲載URL:https://www.caterpillar.com/ja/privacy-policy.html
7)お問い合わせ先
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-7-1 OCEAN GATE MINATO MIRAI 12F
キャタピラー 渉外・広報室 『キャタピラーSTEM賞事務局』
電話番号 : 045-682-3804 E-mail : caterpillar_kouhou@cat.com
8)選考
1次審査(書類選考)後、明石事業所にて9月23日(祝)に2次審査(面接及びプレゼンテーション)を実施予定
9)発表
2020年2月中旬頃に兵庫県内にて開催予定の授賞式にて発表