catch-img

【研究室取材】北海道大学農学部園芸学研究室

理系大学生による大学研究室取材シリーズ。

今回は北海道大学農学部園芸学研究室を訪問しました。

北海道といえば、大自然!農学部の私からみて、とてもうらやましいフィールドです。

ここでは一体どんな研究が行われているのか、みなさんに紹介したいと思います。

 

登場人物

北海道大学 農学部園芸学研究室 (インタビュー時)

志村 助教
阿部 さん (M1)

インタビュアー

高原 (筑波大学 生命環境学群 生物資源学類 3年)
廣井 (早稲田大学 基幹理工学部 情報理工学科 3年)
小柳 (新潟大学 理学部 地質科学科 1年)

 

北海道大学農学部園芸学研究室について

早速、園芸学研究室について志村先生にお話を聞きました。

==

この研究室には大学院生と学部生で20名ほど在籍しており、農学部の中では、比較的女子が多く所属している研究室です。

野菜や果樹といった園芸作物を扱うのであれば、自分の好きな植物を選んで研究対象とすることができます。

例えば、

1)園芸作物の栽培方法や保存方法に工夫や改良を行い、収量を上げたり品質を高めたりすることを目指すグループ、

2)抗酸化成分など野菜や果樹が持つ機能性成分を注目して、園芸作物の利用価値を高めることを目指すグループ、

3)園芸作物の品質や機能性について遺伝子やタンパク質レベルで解析するグループ、

などです。研究内容だけでなく、自分の好きな野菜や果物でテーマを選ぶこともあります。

園芸学研究室の魅力は、扱う材料が親しみやすいところだと思います。

「どんな研究をしていますか?」と聞かれた時に、「アスパラガスの・・・」「トマトの・・・」と答えると研究者以外の方にもわかりやすいですよね。

また、この研究室では、研究材料を揃えるのに畑作業が必要になることもありますが、室内で管理できる植物を育てることも多いです。先生たちも植物を扱うことが好きですし、この雰囲気は女子にも向いているのかもしれません。

学生は自分達の研究対象となる園芸作物を愛着もって楽しく育てるようになります。時には食用として頂くこともありますし、楽しくて美味しい研究室です。

 

続いて、志村先生の研究室で学ばれている修士課程の阿部さんにもお話をお聞きしました。

ーー現在はどのような研究をされていますか。

志村先生に指導いただきながら、アスパラガスに感染するウイルスの研究をしています。

 

ーー先ほど、この研究室の研究対象は自由に選択して良いとのことでしたが、なぜ「アスパラガス」を研究対象とされたのでしょうか。

私は関西の出身で、大学から北海道に来ました。せっかく北海道に来たので、何か北海道らしいものをテーマに研究したいと考えました。

ーーアスパラガスにウイルスが感染しているなんて、初めて聞いたのですが、ウイルスとはどういったものでしょうか、人間にも感染するものなのでしょうか。

人には感染しないウイルスです。

実は、世の中のアスパラガスはウイルスが感染していないものはほぼ無い、というくらい、みんな感染しています。ですが、アスパラガスウイルスはアスパラガスを殺してしまうような強い病原性を持っているものではありません。

そのため、日和見感染のように感染し続けていますが、感染していても気づかれにくいために、ウイルスはそれほど問題視されてきませんでした。

そこで私は、「なぜ、感染が継続し続けるのか」「感染を取り除いたらどうなるのか」ということを研究しています。この研究を通じて、ウイルスフリーのアスパラガスを作り、北海道のアスパラガス生産に貢献できたらと思っています。

 

ーーこの研究で楽しいなと感じるのはどのような時ですか。

アスパラガスウイルスは、まだ解明されていないことが多くあります。

そのため、自分の研究成果がダイレクトに新しい知見に繋がっていくことがとても嬉しいと感じます。

また、以前は予想通りの結果が出た時が嬉しかったのですが、最近は予想外の結果が出た時でも面白く感じるようになりました。

ーー研究して大変だと感じることはありますか。

植物やウイルスなど生きた材料を取り扱っているので、自分の思い通りにならないことの方が多いです。

成長が不揃いになったり、病気になったりして材料が揃わないこともあります。なかなか最初の計画通りにはいかないことが大変だと感じます。ですが、研究の成果をあげて学術雑誌に論文を出せるように、日々頑張っています

 

ーー私達はまだ学部生なので、院生がどのよう生活をされているのか分からないのですが、普段どのような生活を送っていますか。

修士課程1年生ですと必修授業もありますが、学部生のときほど多くはありません。

基本的にこの研究室はコアタイムがなくて自由です。朝早くから来ている学生もいれば、夜遅くまで実験している学生もいます。ずっと実験をしているわけではなく、論文を読んだり、課題などのデスクワークをしたりすることも多いです。

 

ーー阿部さんにとって、この研究室の魅力はどんなところですか。​​​​​​​

扱うテーマが幅広いので、自分の研究だけにとどまらず多くのことを学ぶことができる環境であるというところです。

学生同士だけでなく、先生方とも何でも話ができる仲のよい研究室です。理系の研究室の中では女性率が高いため、研究室で料理をしたりすることもあり楽しく過ごせています。

 


志村先生、阿部さんありがとうございました。

北海道自体が最高の資源で、北海道大学農学部は農学を学びたい学生にとって最適な環境だなと思いました。

こちらは農学部の校舎内のシャンデリアです。オシャレですよね。

農学部を目指している高校生のみなさん、大学院への進学を考えている大学生のみなさん、気になった方は、北海道大学 農学部園芸学研究室を見て下さいね。

北海道大学 農学部園芸学研究室↓↓

https://www.agr.hokudai.ac.jp/r/lab/horticultural-science

 

 


関連記事

大学取材

企業訪問記事

イベント

RIKEJO CAFE学生会員募集

RIEKJO CAFEは学生参加型の理系女子大学生・院生のコミュニティです。

コミュニティには2種類の学生会員がございます。現在約500名の会員コミュニティに成長しました。

RIKEJO CAFEでは新規の学生会員さんを随時募集いたしております。ご参加お待ちいたしております!

人事採用担当者の方

RIKEJO CAFEでは法人会員のサービスをご用意しております。

新着記事