JREの理系新入社員が語る!理系を生かして再生可能エネルギー業界で働くには
近年、地球温暖化の解決策として注目を集める再生可能エネルギー。ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)は東日本大震災と福島原発事故後の2012年8月に再生可能エネルギーの発電事業に特化する会社として設立され、これまでに88の発電所を日本全国に開発してきました。
急速に成長する再生可能エネルギー業界で、JREは理工系人材のさらなる登用を目指しています。
そこで今回は、なかなかイメージしづらい「再生可能エネルギー業界で理系を生かして働く」ことについて、女性新入社員に話してもらいました。
「再生可能エネルギーに興味はあるけど、どのような仕事なのかわからない」と思ったことはありませんか。
私は学生の時にこの疑問を抱き、どうしたらその答えが得られるのかわからず途方に暮れたのを覚えています。そこで、今回はこの記事を読んだ後に、みなさんが少しでも「再生可能エネルギー業界で理系を生かして働くこと」をイメージできるようになっていることを目指して、この春大学院を卒業しジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE)に就職した私がお答えしていきたいと思います。
さて本題に入る前に自己紹介をします。
私は理系の大学院をこの春に卒業し、JREに就職しました。学部時代は数値流体学という空気などの流れをシミュレーションする分野について学んでいました。当時から風力発電の風車が大好きで、風力発電の最先端を研究したいとの思いからヨーロッパの大学院に進学しました。
ちなみに、ヨーロッパ諸国は陸上だけでなく洋上の風力発電が普及しており、至る所で風車を目にすることができます。当時は長期休みを使って、よく風力発電所巡りをしていました。
デンマークからスウェーデンへ向かう電車から見える洋上風力発電
私が就職活動を始めたのは大学院1年生の秋頃からでした。再生可能エネルギー業界で働きたいとの思いを持っていましたが、実際に調べてみると再生可能エネルギーに関わる企業は多く、自分のバックグラウンドを活かして働けるのはどんな仕事なのか、どんな選択肢があるのか、初めは分からず途方に暮れることもありました。
就職活動を進める中でさまざまなご縁があり、最終的にはJREで働けることとなったのですが、もしかしたら、私と同じように「再生可能エネルギーに興味はあるけど、どのような仕事なのかわからない」という疑問を抱いている人もいるかもしれない…(なかなかいないかもしれない笑)ので、この記事を読み終わった後、皆さんが具体的なイメージを抱けるようになっていることを目指して、お話していきます。
再生可能エネルギー業界とは?
再生可能エネルギーは二酸化炭素の排出がないエネルギーとして近年注目を集めており、自然エネルギーや再生エネルギーとも呼ばれます。太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力発電などがあります。
さて、みなさんは日本の電力会社が大きく3つに分けられていることをご存知ですか?
現在、日本では「電気を作る」、「電気を消費者へ送る」、「電気を消費者へ販売する」という段階で電力会社が分けられており、担当する会社をそれぞれ「発電事業者」、「送配電事業者」、「小売事業者」と呼んでいます。
一般に、再生可能エネルギーの電気を作っているのは「発電事業者」と呼ばれる会社です。私が入社したJREはこちらに分類されます。発電事業者はJRE以外にも多くの会社があり、「発電事業者 一覧」と調べてみるとすぐ見つけることができます。
では、再生可能エネルギーの電気を作る際にどのような人たちが関わっているのでしょうか。風力発電を例に考えてみましょう。
再生可能エネルギーを作るとは?
風力発電所の開発計画が始まり、発電し始めるまでは、以下のようなステップがあります。
- 事前調査: 風が吹く候補地を探して、風速の測定などを行います。
- 環境影響評価: この事業によって周辺環境への影響がないか、調査を行い ます(環境アセスメント)。
- 計画設計: 発電所の計画および設計を行います。
- 資材調達: 風車、発電機など発電所に必要な設備を手配します。
- 建設: 建設会社などによって、発電所の建設を行います。
- 運転開始
- 保守点検: 発電開始後の発電所のメンテナンスを行います。
これらのプロセスには、多くのエンジニアが関わっています。
1.では、気象学や流体工学などを専門とする風況解析エンジニアが、発電所候補地で吹くであろう風のシミュレーションと発電量の予測を行います。
3.では、電気エンジニアが発電所内の設備関係、土木エンジニアが造成工事などの基本的な計画を行い、設計会社へ工事に必要な設計図の作成を依頼します。
それらをもとに、5.で建設会社が実際の発電所を建設します。
発電所の建設が終わり運転を開始すると、発電所内部の施設(風車内部の発電機や変圧器など)の保守・点検を電気や機械などのエンジニアが行います。
もちろん、理系職以外にもたくさんの人たちが再生可能エネルギーの発電所開発に関わっています。
プロジェクトマネージャーは1.から6.までのプロジェクト全体をまとめる役割です。プロジェクトを計画通りかつ円滑に進めるために、たくさんの関係者と各種調整を行います。そのため、時にはエンジニアリングへの理解が求められることもあります。
次に、4.では一般に調達と呼ばれる職種の方々が、風車や発電機などの資材を選んで購入します。メーカーと直接交渉を行うため、理工系の知識が生かせます。
ほかにも、実際にそのプロジェクトの採算が合うのか様々なモデルケースを検討するファイナンス(財務)やプロジェクトの収支を取りまとめる経理、契約や交渉ごとを専門的な知識でサポートする法務、会社をよりよい環境にする総務・人事などの人々が関わっています。
理系を生かした働き方には、エンジニアだけでないことが少しイメージできたでしょうか。
ここからは、実際に私が入社したJREについてお話ししていきたいと思います。
JREへの入社の決め手
JREは、再生可能エネルギーの発電所を開発から運転・保守まで一貫して取り組んでいる会社です。太陽光・風力(陸上・洋上)・バイオマス・小水力発電所の開発を行っており、現在までに88か所の発電所が実際に運転を開始しています。
私がJREに出会ったのは、このリケジョカフェのイベントがきっかけでした。それからJREを紹介していただき、座談会などで社員から話を聞く中で、1.社内の技術チームに力を入れていること、2.適地の減少で開発の難易度が上がっている陸上風力発電にも積極的に取り組んでいること、3.地元地域との共存を大切にしていることを知り、JREに対して強く魅力を感じるようになりました。
JREに入社してみて
さて、この春に入社をして早2か月が経過しました。
最初の2か月は本社にて研修を受けており、ビジネスマナーや社会人として働く際の法律や仕組み、再生可能エネルギービジネスのことなどを学びました。また、各部署を回って業務内容を学び、たくさんの社員と繋がりを持つことができました。特に、全国にある発電所への出張に同行し、実際に風力・太陽光・バイオマス発電所などを見学したことはとても印象に残る経験となりました。
風車のナセル(上部)に上らせてもらった時の写真
そして、研修最後にあたる3か月目の現在は、発電所にて現場研修を行っています。現時点で「JREに入社してよかった!」と痛感する日々で、毎日ワクワクが止まりません…笑 こんな社会人生活がありえるものなのかと、正直自分でも驚きました。
私からみたJRE
最後に私から見たJREとして、会社の印象などをお話しします。実際に会社に入って特に印象に残ったのは、入社前に抱いていた印象以上にカジュアルに働いている社員が多いことです。多くの社員が在宅勤務やお子さんの送り迎えのために遅めの出社、早上がりを組み合わせながら働いています。
また、再生可能エネルギー開発については、会社が意欲的・挑戦的に取り組んでいることがより鮮明に見えてきました。これまでお話しした社員は心から地元地域や環境を尊重しており、地域に根差した発電事業者になりたいとの想いを抱いていることを、肌で感じました。
私の再生可能エネルギー業界でのキャリアはこれからですが、いまからワクワクが止まりません。再生可能エネルギーに興味を持ってくださった皆さんに、少しでもこの記事が役に立てば嬉しいです。
JREは「再生可能エネルギーで世界を変える」というミッションに向け、地元地域に真摯に寄り添い、再生可能エネルギー開発を進める熱い志を持った集団です。もし興味があれば、ぜひJREの扉を叩いてみてください!