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“縁の下の力持ち” 日本精工(NSK)のシステム部門の仕事や魅力を取材しました!

インターネット・Web業界、ソフトウェア・ハードウェア業界、通信業界、情報処理業界・・・
これらの業界は、情報系で学ぶ学生が就職活動の一環として合同説明会に参加した際によく目にする業界です。


しかし、他にも製造業やサービス業など、企業の中にも大小問わず、システム部門はありますが、実際の仕事内容を私たち学生が就職活動時に聞く機会は滅多にありません。


なぜかというと、業界セミナーや企業説明会では専攻問わず多くの学生をターゲットとしているため、その企業の主な事業内容の説明になってしまうからです。


そこで私たちは、ベアリングの老舗メーカーである日本精工(NSK)を訪問し、製造メーカーのシステム部門についてお話を伺ってきました。

ベアリングの組み立て体験の様子

お話を伺った社員の方

牧野さん 

中途で日本精工(NSK)に入社。人事や経理のシステムを担当した後、ICT企画室にて新しいシステム導入の企画を行っている。


麻生さん 

NSKに入社後営業サポート部、海外の子会社との窓口となる部署を経験した後、NSKネットアドシステムに配属となりグローバルな情報システムの企画+運営・管理を通じた業務向上に努める。


会社では多くのシステムが稼働し、業務を支えている


ーー(学生)まず、日本精工(NSK)でのシステム部門の役割についておしえてください。

システム部門とは社内のシステムを任されている部署です。新しい技術やシステムを、会社の中にどのように取り入れていくかを考えたり、業務が円滑にまわるためのシステム構築、運用、保守などを行っています。

ーー(学生)具体的にはどのような仕事があるのでしょうか。

日本精工(NSK)は製造業ですので、製品ができる流れを説明します。


まず、販売部門が顧客から要望を吸い上げます。その情報を技術部門に伝え、技術部門が開発したものを生産工場で製造します。この販売から製造までのシステム(販売・物流システム、生産管理システム)の構築・運用を社内で行っています。


また、それとは別に社内の人事、経理などを管理する人事システム、経理システムの構築・運用や、法務部門など各部門の独自システムなどの構築・運用もしています。


さらに会社の情報を守る情報セキュリティーや、マスター管理(製造番号など)の活用ルールを作成する仕事、PC、モバイル、ネットワークなどインフラ構築を担当する仕事などがあります。


ーー(学生)システム部の中にも様々な仕事があるのですね。私は今、大学の研究室で機械学習を学んでいます。AIについて興味があるのですが、AIについて取り組まれていることがあれば教えていただきたいです。

日本精工(NSK)では海外と仕事をする機会が非常に多いので、自動翻訳での導入があります。外国語も英語だけではなく、中国語など英語以外の翻訳も必要になってきています。


その他にはChatbotを使ったお客様からの問い合わせ回答の自動化などを検討しています。AIの技術は今後、業務効率のために、どんどん取り入れていきたいと考えています。

情報系の仕事というくくりでは、システム部門だけでなく、技術部門にもあり、製品開発や製造(生産技術)に直結するシステム開発を担っております。そこでもAIを使ったテーマに取り組んでいます。
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メーカーのシステム部門で働く魅力とは?

ーー(学生)製造や物流を管理するシステムの構築や情報セキュリティー、ネットワークの構築、新しい技術の導入など、システム部門の業務内容はとても幅が広いことがわかりました。次に、お二人についてお聞きしたいと思います。日本精工(NSK)に入社したきっかけについて教えて下さい。


牧野さん:私は新卒ではなく中途で日本精工(NSK)に入社しました。もともと大学時代に自転車部でトライアスロンをしており、自転車の部品にベアリングがあったので、ベアリングについて少し知っていました。また、国内シェア1位という実績に魅力を感じて日本精工(NSK)に入社しました。​​​​​​​



麻生さん:私は、就職活動時の合同説明会で日本精工(NSK)のブースに立ち寄ったことがきっかけです。そこで説明を聞いて、「こんな1つの部品が、いろんな身の回りのものに使われているなんて面白いな。」と思い興味を持ちました。​​​​​​​


ーー(学生)IT企業ではない、メーカーである日本精工のシステム部門ならではの魅力はどんなところだと思いますか。


牧野さん:私達は、システム会社から様々な新しい技術を紹介していただけるので、様々なニュースや技術に触れる機会が多くあるところが魅力です。


麻生さん:メーカーならではの生産、物流などの業務システムから人事システム、情報セキュリテイーなど、幅広い分野にシステムという観点で携わることができるところが魅力ですね。​​​​​​​

担当するシステムが変わると、内容も全く変わりますし、新しい知識が必要になります。異動を通して社内にいながら、新しい分野のチャレンジができるというところは魅力だと思います。​​​​​​​


ーー(学生)お二人は現在、どのような仕事をされていますか。


牧野さん:ICT企画室というところに在籍しています。この部署では、本部直轄業務の実行組織、中期重点課題の推進を担っています。社内で利用するコラボレーションツールの検討・導入・展開(メール、チャット、Web会議 等の展開)を担当しています。


麻生さん:「業務管理数値検索システム」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、販売数や生産数、在庫数といった会社に関わる数値を検索できるシステムを担当しています。


例えば、会社はビジネスを進めていく上で、来年の売上計画を立てます。その計画を立てるためには様々なデータ(販売数、製造数、在庫数など)を使う必要があります。


しかし、これらのデータを管理しているシステムも多岐にわたるため、1回で欲しいデータをシステム毎に手動で取ってくるのは、データの加工などもあり実は大変です。


そこで、欲しいデータをすぐに取ってくることができるシステムがあります。このシステムを担当しています。


――(学生)仕事では主にどのようなプログラミング言語を使っていますか。


牧野さん:私たちが直接プログラムを書いて開発するということはしていません。私たちは設計までは自社でおこないますが、開発自体は外部のシステムのメーカーさんにお願いしています。

言語はHTML、JavaScript やSQLなどを使っています。システムトラブルの時の調査ではDOSのコマンドを多少知っておくと助かるかもしれません。


麻生さん:私はほぼ、SQLですね。Javaも使いますが、ガリガリ書くというよりは、Javaの知識がなくても組めるツールを使っています。


ーー(学生)仕事の中で大変だなと思うことはございますか。


牧野さん:なかなか開発が思うように進まない時やリリースができなかったり、システムトラブルの原因が分からなかった時です。
例えば、システムトラブルでも、サーバ側に問題があるのか、フロント側での問題なのかなど原因が分からない時は大変です。


麻生さん:今、まさにそれに直面しています。原因がわからない。何も変えていないのに、急にレスポンスが遅くなってしまったり。そういう時はとても悩みます。手当たり次第にまず調査してみて、他の人に聞いてみたり・・・。


牧野さん:ただ大変なこともありますが、問題が解決した時はその分とても嬉しいです。


麻生さん:普段の生活でも私達は、システムをなにげなく使っています。トラブルなどで使えなくなった時に、初めてその便利さに気が付き、依存していたことを知ります。


それは、会社でも同じです。会社の場合、システムが止まっていまうと、売上に直接影響したり、製品の生産が遅れたりなどお客様にも迷惑がかかってしまいます。

そういったトラブルが起きないように、システム部門の私たちは、毎日使っているものを陰で一生懸命壊れないように、またもっと社員が便利に使えるように改善していくそういったサポートをしています。システム部門はまさに「ものづくりを陰で支える黒子部隊」だと思います。


牧野さん縁の下の力持ちですね。大変なこともありますが、新しい機能をリリースした時に社員からこれ使い易くなったよ、良かったよと言ってもらえると、本当に嬉しいです。


ーー(学生)日々発展しているテクノロジーを会社で働きながらどのように身に着けていくのでしょうか。


牧野さん:テクノロジーの発展もそうですが、異動で部署が変わると、新しい技術やスキルが必要になります。
外部のシステム会社が開催している研修にも行くことができるので、働きながらスキルを身につけたり、社内の研修を利用したりして仕事をしながら学んでいます。


システム部門で求められる人材とは?


ーー(学生)システム部門ではどのような人材が求められていますか。

向いているタイプは
1)    冷静沈着な人
・・・システムにはトラブルがつきもの、冷静な対応が必要です。
2)    じっくり話を聞ける人
・・・実際にシステムを使う部署(ユーザー)になぜシステムを導入したいのか要件をヒアリングする必要があります。ユーザーは必ずしもシステムに詳しい人とは限らないため、じっくり話を聞くことが大切です。
3)    自分の仕事が人の役に立つということに喜びを感じられる人
4)    イノベーションを起こしたい人
   
反対に向かないタイプは
1)    論理的に考えることが苦手な人
2)    細部までこだわりを持てない人
3)    人を支えることにやりがいを感じにくい人

ですね。

あとは、分からないことを素直に分からないと言える人は、システム部門で成長できる人ですね。システムは一人で作るものではなくて、チームで作るものです。ですので、本当は分かっていないのにそのまま進めてしまわないで、周りに聞く勇気も必要です。


ーー(学生)最後に、学生に向けて、今のうちにやっておいたほうが良いことなどアドバイスいただけますか。


麻生さん「時間に対する意識」です。学生の時を振り返ると、社会人に比べて時間は有り余るほどありました。研究に費やす時間も無限にあります。しかし、社会人になると、無限にはありません。
「これは○時間以内にする。」などタイムスケジュールを作り、時間を意識する訓練を学生のうちにしておくと良いと思います。


牧野さん:私が社会人になって一番苦しんだことは、実は日本語です。社会人になると、メール一つでも、失礼な文章は書けません。しかし、最初は失礼のない文章はどういうものかが分からなかったので、失敗も多くしました。その度に先輩や上司に教わりました。
その時の上司からは「新聞を読みなさい。」とアドバイスをもらいました。言葉の言い回しなど、そこから学ぶことができたので良かったと思います。


また、報告書など資料を作る機会がたくさんあります。いかに簡潔でわかりやすい資料を作るかが大切です。ただ、なれるまではなかなか難しいです。皆さんは卒論をこれから書くと思いますが、卒論を書く時もそのことを意識して取り組むと社会人になったときに役立つと思います。




ありがとうございました。普段聞くことができない貴重なお話しをたくさん聞くことができて、とても勉強になりました。


これを読んでいる理系学生もメーカーのシステム部門で働くイメージが持てたと思います。これからの進路の選択肢の一つとして考えていきたいと思います。


取材にご協力いただきました、日本精工株式会社様ありがとうございました



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