日本精工で女性エンジニアが活躍できる理由とは?現役エンジニアにリアルな話を聞きました。
理系学生による企業取材シリーズ、日本精工(NSK)で軸受の設計を担当する女性エンジニアさんにお話を伺いました。
今回取材を担当するのは、私達、5名です!(50音順)
・亀井 (名古屋工業大学 工学部 生命物質工学科 4年)
・銀吉屋(名古屋工業大学 工学部 物理工学科 2年)
・竹内(京都大学 工学部 応用化学科 2年)
・村田(名古屋工業大学 工学部 環境材料工学科 3年)
・横井(名古屋工業大学 工学部 生命応用化学科 2年)
神奈川県藤沢市にある技術開発センターを訪問しました。
お話を伺うのはこのお二人!
【左】
花谷さん:自動車軸受の部署で自動車の軸受の設計を担当
【右】
鈴木さん:産業機械軸受の部署で鉄道用の軸受の設計を担当。
とても素敵なお話をたくさん聞けたので、みなさんにもお伝えしたいと思います!
学生時代、就活について
学生の私達にとって、やっぱり最初にきになるのは学校生活とこれから待ち受ける就職活動についてですよね。
ーー(学生)お二人は、軸受の設計を現在担当されていますが、学生時代にも軸受の研究をされていたのでしょうか。
(鈴木さん)
私は、大学では機械工学を専攻していました。大学4年で研究室にみなさんも入ると思いますが、私が選んだ基準は教授が優しそうだなという理由です(笑)。その研究室で行っているテーマの一つが「軸受」だったんです。
そのころ、ちょうど研究室では新しいプロジェクトが立ち上がる時期だったので、そのままマスターまで進んで、研究を続けました。
(花谷さん)
私の専攻は物質工学で、研究室では鉄鋼材料の研究をしていました。
材料を学んでいたため、学生時代「軸受」のことは全く知りませんでした。
ーー(学生)学生時代の研究も材料系で、「軸受」についても知らなかった花谷さんが、日本精工(NSK)に入社したきっかけは何ですか。
(花谷さん)
学生時代は、「日本精工」という社名すら実は知りませんでした。
もともと、鉄鋼材料を研究していたこともあり、就職活動をし始めた当初は鉄鋼業界にしか興味がなく、説明会もそういった会社ばかり行っていました。
実のところ就職活動はなかなか苦戦しました。
「この先どうしよう」と悩んでいた時に、大学に来ていた日本精工(NSK)のOBの方から、お話を聞く機会があったんです。
そこで初めて、日本精工(NSK)でも素材の研究をしていて、機械系だけでなく、材料を専攻している人も活躍しているということを知りました。
また、教育制度もしっかりしていて、入社後も大学のように学部制、単位認定制で必要な知識を社内で学ぶことができることも魅力でした。
この出会いで、日本精工(NSK) に興味を持ち、入社しました。
出典:日本精工HP (http://www.jp.nsk.com/career/graduate/recruiting/index.html?id=anker05)
ーー(学生)では、実際入社してみていかがでしたか。大変だった事はありましたか。
(花谷さん)
入社後の配属先は化学系の高分子材料の研究室でした。
どちらかというと、私は学生時代、化学が苦手な方だったこともあり、高分子の勉強をするのが大変ではじめの内は、自分の中でもモヤモヤしていた気持ちもありました。
しかし、友人に大学時代の化学関連の教科書をもらったりして勉強したり、仕事をしていく中で他の社員の方から教えてもらったりすることで、徐々に知識をつけ、仕事に慣れていくことができました。
大変でしたが、だんだん知識もついてきている実感があり楽しく仕事はできました。
現在のお仕事について
ーー(学生)では、現在のお仕事についてお聞かせください。お二人とも軸受の設計というお仕事ですが、具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか。
写真:軸受の組み立てを体験
(花谷さん)
簡単に説明すると、みなさんが先程組み立ててくれたものが「深溝玉軸受」なのですが、その設計製図を行っています。
仕事の流れとして、まず営業がお客様から「こういうアプリケーションで使う軸受がほしい」というご要望を受けます。日本精工(NSK)では、鉄鋼設備や家電製品などのアプリケーション毎に、専門の部署があります。ご要望内容に最適な軸受の仕様を、その専門の部署が提案します。
そして私は、その仕様を考慮しながら日本精工(NSK)の規定に則った設計を行い、図面を書くという仕事をしています。
家電製品や自動車など、様々なアプリケーションで使われる軸受を私は担当していて、米粒サイズから手のひらサイズまでの比較的小さい玉軸受の設計をしています。
(鈴木さん)
私はこの鉄道車両の軸受の設計を担当しています。
例えばN700系の新幹線や東北新幹線「はやぶさ」、最近ではフランス国鉄 「TGV」で使用する軸受の設計開発に携わりました。
具体的な仕事としては、花谷さんのようにお客様の仕様に基づいた図面を書くことの他に、製造の立ち上げや使用された後の軸受の調査なども行っています。
製造ラインの立ち上げでは、生産現場と一緒に検討しています。
また、鉄道車両を長く使うためには、部品も交換やメンテナンスをする必要があります。そこで、一定期間使用された後の軸受の状態を調査して、状態に応じた今後の使用方法をお客様に提案するということも仕事の一つになります。
ーー(学生)では、仕事をする中でどんな時にやりがいを感じますか。
(鈴木さん)
直近ですと、フランス国鉄「TGV」の案件ですね。
この案件は日本精工(NSK)にとっても、開発や製造現場において新しいチャレンジの分野が多くありました。
最終的に日本精工(NSK)の軸受が採用されるためには、監査にパスしなくてはいけません。監査では、フランス国鉄の社員の方が日本精工(NSK)に来て、仕様要件に関するチェックを行ないます。
それをパスして、受注が決まった時にはとても嬉しく、また、そういう現場に立ち会い、参画をしていたことにとてもやりがいを感じました。
また、研究や開発・設計の仕事は営業と違って目にみえる売上にすぐ直結する業務ではありません。
例えば、研究の仕事をしている全員が全員、ノーベル賞をとれるわけではないですし、毎日新しい発見や知見が見つかるわけでもありません。しかし、毎日積み重ねている仕事そのものが、実は会社の売上に貢献していると考えていますので、研究や開発等の業務についてもやりがいを感じています。
育児と仕事の両立について
女性にとって気になる出産、育児などのライフイベントと仕事との両立について伺います。
ーー(学生)お二人は育児休暇を取得された経験がありますが、育児休暇の前と後で仕事の内容はかわりましたか。
(花谷さん)
私の場合は産休・育休を約5ヶ月間取得しました。産休・育休の前後で所属の部署も仕事の内容もかわっていません。なので、育休明けでもすんなり元の仕事に復帰することができました。
(鈴木さん)
私は今の部署での妊娠期間中に、出張や鉄道車両を見に現場へ行くこともゼロではありませんでした。ただ、場合によっては考慮してもらいました。
また産後、仕事に復帰してからは、しばらく時間短縮勤務を利用して働いていて、決まった時間に帰宅できないような外出は別の方に担当してもらっていました。
ーー(学生)仕事の緊急時と子どもが熱を出してしまった時など、どうやって対応すればいいのか、不安なのですが、その点はいかがでしょうか。
(花谷さん)
急に子どもが熱を出して保育園に迎えに行くことはもちろんあります。そんな時は上司に相談して早退させてもらっています。
急ぎの案件と重なった場合でも、同僚や上司に協力してもらえる環境をつくってもらっているので、その辺はとても働き易いです。
(鈴木さん)
子育てと仕事の両立というのは、色々なパターンがあり、正解は一つではないと思います。
私自身の経験や他のまわりのお母さんお父さん社員さんをみても、おじいちゃんおばあちゃんに頼るご家庭や、知り合いの近所の方と協力するケース、病児保育と言って病院で病気の子どもを預かってくれる施設やベビーシッターさんに看病をお願いするパターンもあるようです。
みなさんがお母さんになるころの将来は、今よりもっと日本の社会もいい環境になっているはずです。
やりくりの方法はいくらでもあるので、今の段階で多大な心配はしなくて大丈夫ですよ。
日本精工(NSK)の魅力
ーー(学生)日本精工(NSK)に入社してよかったことはどのようなことですか。
(鈴木さん)
やはり、いろんな業界、分野に携わることができることですね。自動車だったり、鉄道だったり、産業機械だったり、そういうところが日本精工(NSK)の良さだと思います。
また、個人的には、技術の開発部門が神奈川にあるという点も、私にとっては大きな魅力の一つでした。
(花谷さん)
意見を言いやすい職場なので、「これをしてみたい」「あれをしてみたい」と言うと、上司も「じゃあやってみようか」と言ってくれるような、とても風通しがよい職場なところが魅力ですね。
また、育児をしている中で、周りの理解や協力があるので、育児と仕事の両立がしやすく、入社してよかったなと思います。
学生と社会人の違いについて
ーー(学生)社会人になると、平日毎日仕事があって、学生と違い時間にゆとりがないというか、いろんな悩みもあるんじゃないかという、マイナスなイメージがあって、「もうすぐ社会人になるのか」という不安があったりするのですが、社会人だからこそできる何かプラスなことってありますか。
(鈴木さん)
学生時代とのちがいはやっぱり「お金をもらうこと」だと思います。
働いてどんどん時間がたつと化粧品もどんどん高いものが買えるようになるし(笑)、食べ物屋さんも「あそこは高いからちょっといけないな」というお店も「今度ボーナスが出るから行こう!」ってなりますし。
「働く」って「お金」をもらうことですよね、一生懸命働いて得た「お金」を使って旅行に行ったり、美味しいものを食べる。シンプルにそれが一番、社会人になる魅力だと思います。
(花谷さん)
ボーナスはかなりテンションあがりますね。
学生のころには見たことのない金額を一度にもらえるなんて。金曜日定時に上がってちょっと海外に土日に行ってくるなんてこともできますし。
時間は学生の頃と比べると限られてしまうかもしれませんが、その分メリハリをつけた行動ができるようになりますね。
学生へのアドバイス
ーー(学生)最後にこれは学生時代やっておけばよかった、やっておいてよかったということはありますか。
(花谷さん)
やっておけばよかったことは、仕事をしていく中で海外の案件に携わることも多いので、英語の勉強もですが、海外の人と話す機会を学生の時に積極的に経験しておけば良かったと思います
(鈴木さん)
私の場合、やっていてよかったなと思うのは、教員免許取得のための勉強ですね。
教員にはなりませんでしたが、理系ですと大学では専攻分野以外の勉強はなかなかしないのですが、教員免許コースを取ることで文系科目も勉強することができましたし、文系の子ともネットワークが広がり、いろんな情報を得ることで興味や視野が広がりました。
ーー(学生)なるほど、自分の専攻以外にも目をむけて視野をひろげることが大切ですね。
私達が感じた日本精工(NSK)の魅力
鈴木さん、花谷さん素敵なお話をたくさんありがとうございました。
私たちがこの取材を通して感じた日本精工(NSK)の魅力をご紹介します!
1.出産や子育ても働きやすい環境や制度があるので安心!
こちらは「社内保育」、祝日などに出勤する必要のある場合、保育園は祝日はお休みのため、職場で子供を預けることができます。
また、法令に比べて充実した「育児・介護制度」はもちろん、男性社員も育休を取得しています。
そして、なんといっても会社自体、育児、介護への理解があるところが一番のポイントです。
出典:日本精工HP(http://www.jp.nsk.com/career/graduate/hito/index.html?id=anker_woman)
2.残業も少なくプライベートも充実できる!
藤沢の技術開発センターの定時は8時〜16時40分、朝は早いですが17時前に仕事が終わる日には、仕事帰りに映画にも行けます。
残業時間も厳密に管理されていて、月30時間を超えることは少ないそう。
有休取得率が高いこともポイントです!
3.業界問わず、いろんな分野で活躍できる!
ベアリングは様々な業界で使用されており、回転するものには必ず使用されていると言っても過言ではありません。
私達の身近にも気づかないだけで多くのベアリングが使われているのです。
そして単純構造に一見みえるベアリングですが、そこには様々な分野の研究者が開発した技術が詰め込まれていています。
この部品1つの技術の進歩から大きなイノベーションを起こすことができるなんて、とっても素敵だと思いませんか?
イベントのお知らせ
ここでご紹介した日本精工(NSK)を見学できるイベントを開催いたします。
今回は特別に技術開発センター内部の見学ツアーも盛り込んでいます。
このチャンスをお見逃しなく!! ご参加お待ちしております。
■開催日時 2017年12月26日(火)13:00~
■開催場所 日本精工(NSK) 藤沢技術開発センター
神奈川県藤沢市鵠沼神明1-5-50
■アクセス JR・小田急「藤沢駅」徒歩15分
■プログラム
・会社説明
・技術開発センター見学(ショールーム、実験施設など技術開発センター内)
■交通費 実費支給 (宿泊費なし)
■募集対象 理系女子大学生・院生 (専攻・学年は問いません)
■募集人数 20名程度 残席7名
■応募方法
下記リンク下部のフォームよりお申込みください↓↓