日本精工(NSK)とは何をつくって、どんなことをしているの?皆さんの疑問を解決します!
ベアリング(軸受)の国内第1位、世界第3位のシェアを誇る、日本精工 (NSK)を企業訪問し取材してきました。
皆さん、まず「ベアリング」って知っていますか?
機械系の学生であれば、授業で少し聞いたことがあるかもしれませんが、世の中のほとんどの学生が聞いたことがないと思います。
今回取材を担当する理系学生の私たちも、取材させて頂くまで、機械系の学生を除き、全く知りませんでした。
日本精工 (NSK)さんごめんなさい。。
この取材を通して、少し詳しくなったので、ベアリングの魅力、日本精工 (NSK)の魅力について、皆さんわかりやすくお伝したいと思います。
第一回目は、「ベアリングってなんだろう?」「日本精工(NSK)はどんな会社?」その謎に迫ります!
こんなところにもベアリングが!
実は私たちも知らないうちにベアリングを使っていた
ベアリング(軸受)とはこれです。どーん。
出典:日本精工HP (http://www.nsk.com/jp/company/introduction/index.html)
丸いドーナツ型の部品です。
よく見ると、「外輪」と「内輪」があって、その間に「転動体」とよばれる球が挟まれています。そして、その転動体を「保持器」と呼ばれる部品で支えている構造になっています。
この構造を詳しく学ぶために模型でベアリングを実際に組み立ててみました。
最初はノーヒントで。思った以上になかなか難しい。。
ギブアップ。 社員さんにおそわりながら・・・。組み立てること5分、
完成しました! やった〜!
では、この部品はいったい、何をするものなのでしょうか。
実はこの部品、身の回りのありとあらゆる「回転するもの」に使われています。
ものを回転させる時には、当然摩擦が起こり、熱が発生しますよね。
この摩擦を減らしスムーズな回転ができるようにする部品がベアリングなのです。
この原理は、はるか昔、紀元前、古代の人々が重い石や像を運搬するときに利用していたそうです。
では私達の身の回りのどんなものにベアリングが使われているのでしょう。
家庭では、掃除機、自転車、エアコン、プリンター、洗濯機など、なんと1軒あたり約100個のベアリングが使われています。
自動車では、1台あたり約150個、その他にも新幹線、人工衛星、観覧車など、ベアリングは、あらゆる産業で使われている部品なのです!!
普段私達は、機械や装置の内部設計まで開けて見ることもないので、気が付きませんでしたが、実は知らないうちにこんなにも身近にベアリングがあり、私達の生活を支えてくれていたのです。
そして、最近話題のハンドスピナー、このハンドスピナーもベアリングが使われています。
これは日本精工(NSK)の最先端技術で開発した12分以上回り続けるハンドスピナー「サターンスピナー」です!
なんと発売と同時に売り切れとなった人気商品とのこと。
実際に使ってみました。
すごく滑らかに回転します。気持ち良いです。
プレスリリース
http://www.nsk.com/jp/company/news/2017/press0531b.html
ベアリング以外の事業にも積極的!
日本精工(NSK)ではベアリング以外にも様々な事業に取り組んでいます。
自動車事業では、様々な種類のベアリングの他、自動車部品である電動パワーステアリング(EPS)などの開発を行なっています。(詳しくは第3回の記事を参考)
出典:日本精工HP (http://www.jp.nsk.com/career/graduate/mono/index.html?id=anker04)
産業機械事業では、風力発電機、鉄道車両、家電製品で使われる専用のベアリングのほか、プラットホームのホームドアなどに使われているNSKリニアガイドなどがあります。
出典:日本精工HP (http://www.jp.nsk.com/career/graduate/mono/index.html?id=anker04)
さらに、メカトロ技術を使ったロボットの開発、バイオテクノロジーの発展に貢献するマニピュレーションシステムなども開発しています。
日本精工(NSK)を支える4つのすごいコアテクノロジー
日本精工(NSK)の事業を支えるのは「トライボロジー」、「材料技術」、「解析技術」、「メカトロ技術」といった4つのコアテクノロジーです。
それぞれ、どんな技術なのか少し紹介します。
トライボロジー
運動しながら接する物質の間で起こる摩擦・摩耗を潤滑や材料表面で制御する技術です。
ここでは機械以外の知識、例えば化学なども役にたちます。例えば、潤滑油やグリース自体は日本精工(NSK)では製造していませんが、日本精工(NSK)が材料の配合を考えたレシピを作成し、メーカーに作ってもらいます。
また、使用する用途によって、配合や材料も変えているそうです。
材料技術
軸受のリングは主に鉄(軸受鋼)が材料ですが、潤滑油と同じように、日本精工(NSK)で決めた配合を元に鉄鋼メーカーが製造することもあります。
また、鉄には、熱処理という工程が大切になります。
そのままの鉄の状態だと柔らかいため、高温で焼きます(焼入れ)。しかし、焼いただけですと、逆にもろくなってしまうため、焼き戻しという処理を行います。
このように、2段階処理を行うことによって、適度な硬さと壊れにくさをかなえた素材になります。
これらの処理を行うための温度設定はとても大切で、その温度を決めるための技術もあります。
そして、温度変化により、材料の構造にも変化が生じるため、構造の分析を行い、どれくらい寿命があるかを測定するための性能評価も行います。
解析技術
コンピューター・シミュレーションを使って、製品の性能をバーチャルに試験、評価しています。
例えば、ベアリングの場合、球を位置決めするために保持器を使います。そうすると、実際に使う潤滑油の流れがより複雑に変化するので、これを制御するために、流体力学を使ってシミュレーションを行っています。
また、シミュレーションだけではなく、実験を行い、確認(検証)をしています。
メカトロ技術
メカトロ技術は、モーターや電子回路の制御技術になります。
モーターを使用すると、必ず振動や磁場、磁界が発生します。それらをコンピューターでシミュレーションします。
また、センサーや基盤の技術などの技術を使ったロボット開発も行っています。
部品業界というと男性社会のようなイメージ。女性エンジニアの働きやすさはどう?
日本精工(NSK)は1916年に初めて、日本で軸受を生産したのがはじまりで、なんと100年以上続いている企業です。
昔からある企業と聞くと、職人気質な男性社員が多いイメージで、若手女性エンジニアが働きやすい環境にあるのか少し不安ですよね。
その辺りを実際に働く女性エンジニアにリアルなお話を聞いてみませんか?
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