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【業界研究】半導体業界とは?理系の職種、年収、将来性やESでの志望動機の書き方

半導体業界は、電子機器の頭脳となる半導体に関わる産業であり、デバイスメーカー、製造装置メーカー、材料メーカー、商社の4つに分類されます。

本記事では、理系の就活生向けに半導体業界の全体像から、年収、職種ごとの違い、必要なスキル、院卒・学卒の採用傾向、さらにESの志望動機やガクチカの書き方まで体系的に解説している業界研究です。

半導体業界とは?

半導体業界とは、スマートフォンや自動車、AIなどあらゆる電子機器に不可欠な半導体にかかわる産業です。「デバイスメーカー」「製造装置メーカー」「材料メーカー」「商社」の4つの業界に分類されます。

近年ではAI・5G・自動運転の普及により需要の増加に伴い、採用も増加傾向にあります。

半導体業界の特徴

  • IT・自動車・家電をはじめとする、あらゆる産業の基盤
  • 技術革新のスピードが非常に速い
  • メーカーでは、技術革新に向けた巨額の設備投資が必要になる
  • 景気の影響(半導体市況)をもろに受けやすい

半導体業界は、技術進化にあわせて需要も大きいため、院卒・学卒ともに理系の職種の募集が多い業界です。

半導体業界の年収

半導体業界は、ほかと比較して年収が高い傾向にあります。
直近の国内上場企業の平均年収の一例を下記に挙げます。(令和8年3月31日調査)

業界

企業

平均年収

半導体デバイス

製造・設計

ソニーセミコンダクタソリューションズ

11,183,744円

ローム 

8,102,000

ルネサスエレクトロニクス

7,495,552

三菱電機

8,695,126

半導体製造装置
メーカー

ディスコ

16,718,921

東京エレクトロン

13,543,475

SCREENホールディングス

10,625,000

半導体材料
メーカー

東京応化工業

9,729,000円

信越化学工業

8,759,000円

SUMCO

6,411,907円

半導体商社

マクニカホールディングス

17,496,802円

東京エレクトロンデバイス

9,453,573円

加賀電子

8,523,000円

出典:
【ソニーセミコンダクタソリューションズ】(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【ローム】第67期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【ルネサスエレクトロニクス】 第24期(2024年) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【三菱電機】 第154期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【ディスコ】第86期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【東京エレクトロン】第62期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
SCREENホールディングス】第84期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【東京応化工業】第96期(2025年) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【信越化学工業】第148期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
SUMCO第27期(2025年) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【マクニカホールディングス】第10期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【東京エレクトロンデバイス】第40期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与
【加賀電子】第57期(2024年度) 有価証券報告書【従業員の状況】平均年間給与

半導体業界、全体での働き方

半導体業界は前提として、部門・部署によって働き方はまったく違います。

業界全体での一般的な働き方は、下記です。

  • 研究開発の部門では、デスクワーク中心
  • 業界全体でグローバルな働き方が多く、部門により海外展開や多言語対応が必要
  • 製造部門では、クリーンルームで作業を行なう
  • 製造部門の現場は、原則として24時間稼働で、無人・自動化も進みつつある

半導体業界の全体の構造

半導体業界は、下記4つの領域から成り立っています。

  • 「半導体デバイスメーカー」の業界
  • 「半導体の製造装置メーカー」の業界
  • 「半導体材料メーカー」の業界
  • 「半導体商社」の業界

半導体デバイスメーカーの業界

半導体デバイスメーカーの業界は、理系の学生に最も人気が高い半導体業界の中核領域です。

半導体デバイスメーカーが行なう事業領域は、5つあります。

①商品企画・マーケティング

②開発・設計

③ウエハ製造

④組付け・検査

⑤販売

半導体デバイスメーカーを構成する5つの事業領域のうち、何を担っているかによって、4つの事業形態に分かれます。

事業形態


商品企画・

マーケティング


開発・
設計


ウエハ

製造


組付け・
検査


販売

企業名

IDM

(垂直統合型)

インテル

ソニー

ファブレス

(設計専門)

NVIDIA

AMD

ファウンドリ

(製造専門)

TSMC

OSAT※

ASE
Amkor

※OSATとは、Outsource Semiconductor Assembly and Testの略で、半導体後工程受託企業のことをさします。

半導体デバイスメーカーの業界の理系の職種の一覧

半導体デバイス業界の理系の職種は下記があります。

  • 研究開発
  • デバイス設計
  • プロセス開発
  • 生産技術
  • 製造技術
  • 品質保証・検査評価

半導体デバイス業界の研究開発職の採用は、理系の院卒メインです。大学院での研究テーマが合致していることが、業務を行なう上で必須となる知識とされています。

デバイス設計・プロセス開発は、院卒が有利ですが、学卒の採用も見受けられます。

生産技術・製造技術・品質保証は、電気・情報分野に加え、機械・材料分野の学卒にも適した職種です。

いずれの企業も広範囲な理系の知識を必要としていることから、学卒では、とくに工学部(機械工学、電気・電子工学、応用化学・材料工学)、理工学部から多く採用されています。

半導体製造装置メーカーの業界

半導体製造装置メーカーは、世界年間売上高が1,171億ドル(2024年)※1 で、日本のグローバルシェアは、31%です。※2 

世界ランキング10社に入っている日本企業は、下記の4社です。

■2024年 半導体製造装置メーカー世界トップ10社 ※3

順位

企業名

ASML

Applied Materials

Lam Research

東京エレクトロン

KLA

アドバンテスト

SCREEN ホールディングス

ASM International

NAURA

10

ディスコ

出典:
SEMI:プレスリリース世界半導体製造装置販売額は2024年に1,170億ドルへ急増
経済産業省<資料3>134p:半導体・デジタル産業戦略の現状と今後:部素材。製造装置のグローバルシェア
セミコンポータル2024年半導体製造装置売上高トップはASML、顧客満足度トップはアドバンテスト

半導体装置メーカー業界の理系の職種

半導体装置メーカー業界の職種には、下記があります。

  • 研究開発(装置・要素技術)
  • 設計(機械設計・回路設計・ソフトウェア設計)
  • プロセス開発(プロセスエンジニア)
  • 生産技術
  • 技術営業(FAE)、技術保守

半導体製造装置メーカーでは、デバイスメーカーと比較して実務・設計力が重視されるため、学卒も活躍しやすい業界です。

ただし、研究開発では、院卒がメインとなりますが技術職、技術営業の職種では、電気電子工学・ 情報工学・ 物理学・ 化学・材料工学といった専攻・専門分野を中心に学卒の採用が見受けられます。

半導体製造装置メーカーの業界でのニッチ市場と企業

なお、製造装置はマスク製造工程、ウエハ製造工程、前工程と後工程があり、それぞれの工程で使用する多くの装置があり、その中には世界シェアでナンバーワンの日本の主要企業・成長企業も見受けられます。

下記は各工程で使用する製造装置と、その日本の企業に関するまとめです。企業研究に活用してください。

■マスク・ウエハ製造工程の製造装置

装置名

作業工程の内容

主要企業

フォトマスク描画装置

ガラス板に回路パターンを描画

日本電子

マスク検査装置

フォトマスク検査

レーザーテック

ワイヤソー

シリコンをスライスして切断

トーヨーエイテック

ラッピング・
ポリッシング装置

シリコンウエハの表面の研磨

岡本工作機械製作所

■前工程の製造装置

装置名

作業工程の内容

主要企業

熱処理装置

ウエハ表面の酸化処理を行なう

・KOKUSAI ELECTRIC

・東横化学

・東京エレクトロン

成膜装置

ウエハ表面に薄膜をつける

・東京エレクトロン

コータ・デベロッパ

フォトレジストの塗布・現像を行なう

・SCREENセミコンダクターソリューションズ

・東京エレクトロン

露光装置

ウエハ表面に回路パターンを焼き付けて不要な箇所を除去する

・キヤノン
・ニコン

エッチング装置

パターンに沿って酸化膜・薄膜を削る

・東京エレクトロン

洗浄装置

ウエハに残っている微細な不純物や汚染を除去

・SCREENセミコンダクターソリューションズ

・芝浦メカトロニクス

・東京エレクトロン

イオン注入装置

不純物イオンを添加、熱処理により活性化

・住友重機械イオンテクノロジー

・日新イオン機器

CMP装置

ウエハ表面を研磨し、平坦化する

・荏原製作所

スパッタリング装置

電極形成

・アルバック

ウエハ検査装置

チップすべてに針を接触させて電気的に問題ないかを検査する

・東京エレクトロン

・東京精密

・日本マイクロニクス

■後工程                                                                

装置名

作業・処理工程の内容

主要企業

グライディング装置

グライディング

・岡本工作機械製作所

・ディスコ
・東京精密

ダイシング装置

ダイシング

・ディスコ
・東京精密

ダイボンディング装置

ダイボンディング

・ファスフォードテクノロジー

ワイヤーボンディング装置

ワイヤーボンディング

・ヤマハロボティクス

モールディング装置

モールディング

・TOWA

・ヤマハロボティクス

テスティング装置

最終検査

・アドバンテスト

また、上記の工程以外に、半導体装置の業界では下記のような日本の主要企業・成長企業があります。

企業研究の参考として、まとめています。

区分

種別

企業名

サブシステム

(部品・コンポーネント)

機械要素部品

・THK
・日本トムソン
・日本ベアリング

ポンプ

・荏原製作所
・樫山工業

MFC

・フジキン
・堀場エステック

流体制御

・CKD
・フジキン

レーザー

・オキサイド

ダイヤモンド工具

・ディスコ
・旭ダイヤモンド工業

工場設備

搬送装置

・ダイフク
・ローツェ
・村田機械

排ガス処理設備

・カンケンテクノ

■参考 SEMI:ひと目で分かる半導体業界MAP(2025年版)

半導体材料メーカーの業界

半導体材料メーカーでは、半導体を作るために必要な材料の製造・開発を行ないます。

日本の半導体材料メーカーには、下記の主要企業・成長企業があります。

種類

企業名

ウエハ

・SUMCO
・信越半導体

レジスト

・JSR
・東京応化工業

フォトマスク

・TOPPAN
・大日本印刷

後工程材料

・住友ベークライト
・田中貴金属工業
・レゾナック

半導体材料メーカーの理系の職種

半導体材料メーカーの理系の職種には下記があり、研究開発職では、院卒が有利です。化学系・材料分野の理系の学卒が強い分野です。

  • 研究開発・材料開発
  • 生産技術・プロセス開発
  • 品質保証・品質管理
  • 技術営業(セールスエンジニア)

半導体商社の業界

半導体商社とは、半導体デバイスメーカーとユーザーである電子機器メーカーの間に立って、半導体チップやモジュールの仕入れ、販売、技術サポートを行なう半導体専門の商社です。昨今のトレンドとして、半導体の商社間では、買収(M&A)が活発に行なわれています。このため、組織体制の変更が起こることもあります。

半導体商社の理系の職種

なお、半導体商社で理系の職種には、下記があります。

  • セールスエンジニア・プロダクトマネージャー(技術営業)
  • フィールドアプリケーションエンジニア(FAE:技術サポート)
  • サポートエンジニア(品質保証)

半導体業界の大手企業

半導体の大手企業には、上記で年収一覧に記載した以外にも、その製品部門で世界シェアトップといった主要企業があります。

  • キオクシア
  • アドバンテスト
  • 富士電機

半導体業界の将来性・今後の動向

  • AI・データセンター需要の拡大
  • 自動運転・EVの普及
  • 半導体不足による投資増加
  • 各国の産業政策強化

将来性は、非常に高い最成長産業のひとつと言えます。

半導体業界で働くことが向いている人の特徴

  • 新しい技術に興味がある
  • 論理的思考が得意
  • コツコツと改善を積み重ねることができる

半導体業界で働くメリット

  • 年収が高い
  • 将来性が高い
  • 技術力が身につく
  • グローバルに活躍できる

半導体業界で働くデメリット

  • 技術変化が速い
  • 学習コストが高い
  • 景気変動の影響を受けやすい
  • 製造部門では、夜勤がある

半導体業界の就活FAQ

Q. 院卒は有利?

→研究開発の部門では、大学院での専門研究が前提となっているため、院卒採用が中心です。設計・プロセス開発の部門も、院卒が有利。機械・生産・製造・技術営業の部門では多くの学卒採用を行っています。

Q. 半導体の研究室に入っていなかった場合でも、入社できる?

→可能ですが、基礎知識(電気・物理)は重要です。

Q. 残業は多い?

→職種によりますが、開発の部門は忙しい傾向にあります。

Q. ストレスはある?

→精密作業で高い品質要求によるプレッシャーが大きく、この点がストレスとなりやすいです。

Q. 年収はなぜ高い?

→半導体業界は「高付加価値産業」で、またAI・自動車・データセンターなどあらゆる産業に半導体は不可欠で「需要が拡大」しており、あわせて「高度人材の不足」のため、年収が高くなる傾向にあります。

半導体業界と他業界との違い

半導体業界と他の業界の大きな違いは、下記です。

  • IT業界:ソフト中心 vs ハード中心
  • 自動車業界:製品単体 vs 部品供給
  • 化学業界:材料中心 vs デバイス中心

業界を比較することで、希望や就職適性にフォーカスでき、就活のヒントになることがあります。

半導体業界で就活する場合、ESでの志望動機の書き方

■ 基本構成

①なぜ半導体業界を選んだのか

②なぜその企業でないといけないのか

③自分自身の専攻・専門領域がどのように活かせるのか

■ 高評価のポイント

・技術への興味を明確にする

・自分自身の専攻・専門分野との関連を示す

・成長市場への関心

■ 例文①(基本的な書き方)

「私は◯◯の研究を通じて電子デバイスに興味を持ちました。中でも半導体はあらゆる産業を支える基盤であり、貴社の技術力に魅力を感じ志望しました」

■ 例文②(技術志向)

「情報工学を学ぶ中でハードウェアの重要性を実感しました。貴社の半導体技術を通じて、社会の基盤を支える製品開発に携わりたいと考え志望しました」

■ 例文③(将来性志向)

「AIや自動運転の発展において半導体の重要性が高まっている点に魅力を感じました。成長産業で技術力を高めたいと考え志望しました」

半導体業界の就活で、理系のガクチカの書き方

最近、就活においてよく言われている「ガクチカ」。

ガクチカは、「学生時代にチカラを入れていたこと」ですが、ガクチカはESの専用枠、履歴書や面接での深堀に使う場合の例文をケース別に紹介します。

半導体業界の就活で理系のガクチカの例文①
研究開発職(院卒向け)

私は、○○材料の特性向上に関する研究において、従来比20%の性能改善を達成しました。

当初は実験結果にばらつきがあり、再現性の低さが課題でした。そこで、原因を工程ごとに分解し、温度条件や前処理工程を一つひとつ検証しました。特に、測定条件の微細な差異が結果に大きく影響していることに着目し、測定プロセスの標準化を行いました。

その結果、安定したデータ取得が可能となり、最終的に性能向上を実現しました。

この経験から、仮説検証を粘り強く繰り返す力と、プロセス全体を俯瞰して改善する重要性を学びました。

■ 評価ポイント

  • 仮説検証のプロセス(半導体R&Dへつながること)
  • 再現性へのこだわり
  • プロセス改善志向(数値など具体的に記載)

半導体業界の就活で理系のガクチカの例文②
技術開発職(院卒・学卒)

私は、研究室での装置開発プロジェクトにおいて、測定精度の向上に取り組みました。

既存装置ではノイズが多く、データの信頼性が低いという課題がありました。そこで、回路設計の見直しとシールド構造の改善を行い、ノイズ発生源を特定しました。

さらに、部品配置の最適化と配線の再設計を実施した結果、ノイズを約30%低減し、測定精度の向上に貢献しました。

この経験を通じて、課題を構造的に捉え、技術的に解決する力を身につけました。

■ 評価ポイント

  • ハード×課題解決(半導体との親和性を高める組み合わせ)
  • 定量成果あり(数値を示す)
  • エンジニア適性が明確なエピソード

半導体業界の就活で理系のガクチカの例文③
半導体材料メーカー向け

私は、化学実験において反応収率の向上に取り組みました。

当初は理論値に対して収率が低く、その原因が不明確でした。そこで、反応条件(温度・濃度・触媒量)を変数として整理し、実験計画法を用いて体系的に検証しました。

その結果、最適条件を特定し、収率を従来の60%から85%まで向上させることに成功しました。

この経験から、データに基づいて条件最適化を行なう重要性と、地道な改善の積み重ねが成果につながることを学びました。

■ 評価ポイント

  • 材料×条件の最適化(仮説検証)
  • 実験の計画性・データ思考(業界適性のエピソード)
  • コツコツとした地道さ(適性)

半導体業界の就活で理系のガクチカの例文④
半導体商社(技術営業職向け)

私は、ゼミでの共同研究において、異なる専門分野のメンバー間の調整役を担いました。

プロジェクトでは、電気系と情報系のメンバー間で認識のズレがあり、議論が停滞する課題がありました。そこで、双方の専門用語や前提知識を整理し、共通理解を促す資料を作成しました。

さらに、定期的なミーティングで進捗共有を徹底した結果、チーム全体の意思疎通が改善し、研究を円滑に進めることができました。

この経験から、技術的な内容を分かりやすく伝え、関係者をつなぐ力を身につけました。

■ 評価ポイント

  • 「技術×コミュニケーション」(業種の親和性が高い能力)
  • 橋渡し能力(商社で最も重要な能力)
  • 調整力(営業として重要な能力)

半導体業界の業界研究まとめ

半導体業界は、デジタル社会を支える中核産業であり、理系学生にとって最も人気の高い業界の一つです。

高年収・高成長が期待できる一方で、技術力が求められるため、専門性を活かしたい理系学生に適した業界です。


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