【理系団体取材】大阪府立大学 理系女子大学院生チーム「IRIS(アイリス I am a Researcher In Science)」
理系学生団体紹介。
今回は大阪府立大学理系女子大学院生チーム「IRIS(アイリス)」をご紹介します。
IRISとは?
IRISは大阪府立大学の理系女子大学院生チームです。
大阪府立大学の女性研究者支援事業の一環として、理系学部への進学に関心のある女子中高生に自身の大学生活や研究について紹介したり、小・中・高校生に科学の楽しさを伝えるサイエンス・キャンパスを実施しています。
IRISの活動は学内にとどまらず、学外のイベントでも幅広く活躍しています。
主な活動内容
・サイエンス・キャンパス
子どもたちと一緒に実験をすることで、子どもたちに科学の楽しさを伝えています。
これらの実験の題材や企画、運営も全てIRISのメンバーが考え、実施しています。
・めざせ!理系女子コーナー 先輩と話そう
理系を目指す、進路に悩む女子中高校生・受験生を対象にIRISのメンバーがグループトークで、大学生活や研究紹介を行う他、悩み相談やアドバイスを行なっています。
・IRIS企画実施講習会
サイエンス・キャンパスなどのイベントの企画やプレゼンテーション、実施についての勉強会を行なっています。
・企業研修
企業や研究機関をIRISメンバーが 訪問し、女性研究者・技術者のワークライフバランスや、仕事内容についてお話を伺っています。
・IRISカフェ
IRISのメンバーが幹事となり、お菓子を持ち寄って、気軽に理系学生同士交流を行なっています。
研究の悩みを相談したり、女子トークしたりすることで、専攻や学年を超えたつながりを作っています。
・IRIS広報活動
IRISの広報活動や、イベントの告知などで使うフライヤーやノベルティーなどのデザインもIRISメンバーが考え作成しています。
・IRISカフェ
IRISのメンバーが幹事となり、お菓子を持ち寄って、気軽に理系学生同士交流を行なっています。
研究の悩みを相談したり、女子トークしたりすることで、専攻や学年を超えたつながりを作っています。
・企業研修
企業にIRISメンバーや大阪府立大学の理系学生が訪問し、女性研究者・開発者のワークライフバランスや、仕事内容について学んでいます。
・IRIS広報活動
IRISの広報活動や、イベントの告知などで使うフライヤーやノベルティーなどのデザインもIRISメンバーが考え作成しています。
IRISのメンバーについて
IRISは今年で結成7年目。年々メンバーが増え、2017年度は約40名で活動しています。
博士前期課程1年から博士後期課程まで、様々な専攻の理系女子大学院生が集まっています。
早速メンバーのみなさんにインタビューしました。
IRISメンバーインタビュー
生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 博士後期課程1年 森さん
ーー現在どのような研究をされていますか。
植物のホルモンについて研究をしています。
植物のホルモンというとあまり馴染みがないかもしれませんが、人間でいう女性ホルモン、成長ホルモンなどと同じで、植物にも、ホルモンがあります。
例えば、最近発見されたホルモンですと、枝の数を減らすような作用をもたらすホルモンがあります。
このホルモンが植物の中にたくさん入ると枝の数が減るのですが、これを上手く利用することで農業への応用が可能です。
野菜も葉が小さい方が好まれる野菜もあれば、焼肉を巻くような葉ですと大きい葉の方が好まれるなど、それぞれあります。
葉が大きい方が良い場合は、このホルモンを制御することで、枝の数を減らして大きく育つようにすることができます。
こういったホルモンの制御について研究をしています。
ーーIRISに参加されたきっかけは何ですか。
IRISのメンバーの方に「お茶会に出てみない?」と誘っていただいたことがきっかけです。
とても楽しかったので入りました。
ーー活動してみていかがでしょうか。
他の同年代の研究者であるIRISのメンバーと集まって話すことが楽しいです。
女子の強いところって、話しながら共感することだと思っています。
研究室では、自分一人のテーマなので、黙々と考えて研究を進めています。
黙々と研究すること自体はとても好きなのですが、人と話したくなります。
IRISの活動を通して、メンバーと何気ない女子トークができるだけでとてもリフレッシュでき、楽しいです。
「サイエンス・キャンパス」というイベントでは、小学生を対象に理科教室を開催しています。
このイベントでは、伝えることの難しさを実感しました。
理科の実験でも、自分が一番わかっているはずの研究分野でも、「人に伝える」ということはとても難しいと感じていています。
初対面の方にどうやって説明しようか頭の中で考えて、試行錯誤しながら進めています
理学系研究科物理科学専攻 博士前期課程1年 黒田さん
ーー現在の研究内容を教えてください。
私は「電波」という波を使って宇宙をみるということをしています。
銀河を観測するには光でみたり、赤外線でみたりするいくつかの方法があるのですが、私はパラボラアンテナを使い電波を集めて観測しています。
大阪府立大学にも3.8メートルのパラボラアンテナがあるのですが、私の研究では長野県にある国立天文台と共同で開発をしている45メートルのアンテナを使っています。
大学にいながらリモートで、長野にある望遠鏡を動かすこともできます。
電波で観測すると、目では見えないガスを見ることができます。
ガスが集まると星ができるので、このガスを観測することで、銀河のどこで星が作られているのかがわかります。
ーーなぜ今の分野に進まれたのですか。
中学生の頃、自由研究でペルセウス座流星群をみたことがきっかけで、星に興味を持つようになりました。
高校の時はそれで、理系を選択し、宇宙を勉強したかったので、理系科目は物理を選択しました。
大学には理学系の他に工学系にも宇宙のことを学べる学科があります。
工学部の場合は、ロケットを作ったりする分野になるのですが、私は星の観測に興味があったため、理学部に進みました。
ーー現在の研究室では女性はどのくらいいますか。
研究室には13名院生がいるのですが、そのうち女子は3人です。
学部時代になると、物理課程は女子が少なく、30人中女子は3人なので、10対1の割合ですね。
もっと女子が増えればいいなと思います。
ーーIRISに参加したきっかけを教えてください。
学部時代に物理の授業の一環で、小学生向けに授業を行う機会がありました。その授業では、どんな実験をするかを自分たちで考え、実験に使う装置も全て自分たちで作ります。
その時、小学生に実験を教えることがとても楽しくてまたしたいなと思っていました。
IRISでは、「サイエンス・キャンパス」といって、小・中学生向けに実験をするイベントができるので、参加したいと思い、入りました。
現在は次のイベントに向けて、準備や予備実験を行なっていて、とても楽しいです。
ーーIRISの活動は多岐にわたると思いますが、役割分担はどのように決めていますか。
活動の内容が一覧となっていて、やりたいメンバーが立候補して集まっています。
なので、自分の研究と日程を調整しながら活動することができるので、学業との両立ができています。
研究室の先生にもIRISの活動をしていることを伝えているので、活動にも理解していただき協力してくれます。
ーー今後IRISの活動を通してどのようなことをしていきたいですか。
高校生に自分の学校生活や、研究のことを直接話しながら伝えることで、少しでも理系女子を増やしていきたいと思います。
イベントレポート:オープンキャンパスでIRISが女子高校生にアドバイス
この日は大阪府立大学のオープンキャンパス初日、IRISでは、女子高校生との交流イベント「めざせ!理系女子コーナー 先輩と話そう」を開催しました。
一日目は、理学系及び農学系のメンバーが、二日目は工学系のメンバーが集まり、進路のこと、将来のことなど女子高校生の相談にのったり、疑問に答えたりします。
こちらはメンバーお手製のポスター!! 知りたいことがわかりやすく説明されています。
会場には多くの理系をめざす女子高校生が訪れ、IRISのメンバーも休みなしのフル稼働!!
高校1年生、2年生の参加も多く、みなさん熱心に話を聞いていました。
「理系に進みたいけれど数学が苦手でどうやって勉強したら良いのか」
「やりたいことはぼんやり決まっているのだけど、これからどうすればいいのかわからない」
「理学部と工学部はどう違うの。」
様々な質問が飛び交います。
IRISのメンバーも、自分の専攻と違う話の場合は、他のメンバーを紹介するなどして上手に連携しながら進めています。
チームワークもバッチリ!
今後もIRISさんの活動を通して理系に進学する女子が増えると良いなと思います。
IRISさん取材にご協力いただきありがとうございました。