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理系出身女性国家公務員が語る仕事のやりがいとキャリア 防衛省・国土交通省

防衛省・国土交通省で働く現役の理系出身女性国家公務員に理系女子学生が直接インタビューしました。


「防衛省」「国家公務員」と聞くと一見堅そうなイメージをもたれる方も多いと思います。
そこで、実際の仕事内容や働く環境、部署の雰囲気などを、ざっくばらんに語っていただきました。

彼女たちが直面する挑戦、果たしている役割、そして感じている達成感に迫ります。


職員紹介

防衛省

防衛省熊本防衛支局建築課 
(平成30年度入省 総合職工学区分(院卒相当)    工学部建築学科 )
・建設工事の発注業務
・工事・設計の監督業務
・建設工事にかかる関係省庁や自衛隊との調整業務


国土交通省

国土交通省都市局街路交通施設課 
(令和2年度入省 総合職工学区分(院卒相当)  工学部地球総合工学科社会基盤工学専攻)
・公共交通と連携したまちづくりに関する計画・予算制度のとりまとめ
・都市における自動運転技術の活用に向けた検討


国家公務員を目指したきっかけと試験対策

(学生)国家公務員を目指すきっかけや理由を教えてください。


防衛省 :
きっかけは防衛省に入った先輩がいることを知ったことです。より多くの人々の生活を支えることができる防衛省や国家公務員の仕事に魅力を感じて目指しました


国土交通省:

土木工学を専攻していたので、将来は公務員か建設系のコンサルかなとぼんやり考えていました。就職活動を進める中でスケールの大きな仕事ができる国家公務員に魅力を感じ、国家公務員を目指しました。


(学生)面接や官庁訪問の練習で緊張してしまうのですが、緊張や本番に向けた対策はどのようにしていましたか。


防衛省 :

面接対策の練習では最初は緊張して先生の目も見られないほどでした。練習を重ねることで緊張が軽減され、自分の伝えたいことを話すことに集中できるようになりました。また公務員の他に、民間企業の就職活動をしていたことも経験として良かったと思います。
面接にも慣れてきて、実際の防衛省の面接では和やかな雰囲気で緊張せずに話すことができました。面接は自分のやりたいこととマッチするかどうかを見極める過程だと思うので、気負わずチャレンジしてください。


国土交通省 :

私も民間企業の面接を通じて、異なる立場から国家公務員としての働き方について考えるきっかけが得られたと感じています。

面接において、緊張するのは仕方がないことで、面接官も学生が緊張していることを理解してくれます。はじめのうちは緊張していても、面接を重ねるうちに成長していく姿が、面接官に良い印象を与えることもありますので、緊張することは自然なことでマイナスではありません。


私が受けた官庁訪問での面接は、温かくフラットな雰囲気でした。官庁訪問は単なる面接だけでなく、我々の仕事を理解してもらう機会でもありますので、心配せずに臨んでください。


全国転勤の捉え方

(学生)国家公務員の全国転勤について、家族を持った際に、女性として働くという点で勤務先を転々とすることに少し不安があります。実際、転勤についてはいかがですか。


防衛省 :

就活の際には全国転勤についてはあまり深く考えていませんでした。全国転勤の可能性は知っていましたが、行く先々で楽しめると思っていたので、マイナスには捉えませんでした。


実際、1年目は本省で、2年目と3年目は広島に転勤し、4年目に本省に戻り、5年目からは熊本に配属になりました。これまで3回ほど転勤していますが、その度に新しい場所で出会いや発見があり、転勤生活を楽しんでいます。


赴任先で馴染めるかどうか不安な気持ちもあると思います。しかし、"住めば都"という言葉がある通り、一度馴染んでしまえば、全く縁もゆかりもない場所でも、仕事仲間や周囲の人々との交流を通じて充実した時間を過ごすことができています。


国土交通省 :

就職先を決めるにあたり、大きな仕事に携われるかどうかが重要な要素でした。一方、転勤については最後まで悩みました。最終的にいろんな場所に行けて楽しそうだなと感じたことが国家公務員を目指した大きな決断の一因です。


私は入職4年目ですが、1年目から岐阜、2年目が名古屋、3年目から本省と、3回ほど転勤を経験しています。個人的には岐阜に帰ると「ただいま」と思える感覚があり、転勤によって全国各地に故郷が増えていくのは素晴らしいと思います。


家庭を持った後の働き方ですが、周りの女性職員を見ていると、旦那さんと協力して子育てをされています。人事異動もその人の事情に合わせてくれており、転勤があってもきちんと家族との時間を過ごしながら働き続けられる環境だと感じます。


仕事内容と職場の雰囲気

(学生):今まで、どのようなお仕事をされてきたか教えてください。


防衛省 :

1年目は本省に配属され、大臣官房文書課で省内の取りまとめ業務を担当しました。省内の全体を見ることができ、将来のキャリアパスの理解が深まりました。


2年目と3年目は中国四国防衛局に転勤し、工事監督官としての業務に従事しました。工事監督官として、防衛省が発注した工事が適切に実施されるかどうかを確認し、必要に応じて設計変更や予算の調整を行いました。


4年目には再び本省に戻り、自衛隊基地とその周辺の地域社会との共存を目指す部署に配属となりました。


5年目からは熊本防衛支局にて、再び工事監督業務に従事しています。


防衛省は、建物や港湾、滑走路などの施設を民間企業に委託して建設していますが、私たち工事監督官は発注者側の視点からその整備過程のチェックを行います。また、民間企業とのやり取りや自衛隊員との調整も、工事監督官の業務の一環です。


国土交通省 :

初年度は中部地方整備局の岐阜国道事務所に配属となり、岐阜市内を走る国道21号岐大バイパスの立体化事業を担当しました。設計業務や地質調査、地元での説明会などを経験しました。

2年目は名古屋港湾空港技術調査事務所にて、伊勢湾環境モニタリング事業に従事しました。

3年目は本省の大臣官房技術調査課で技術系の採用など人事業務を担当しました。

4年目からは都市局街路交通施設課でまちづくりと公共交通が関連した取り組みを支援する業務に従事しています。自動運転技術の活用についても担当し、まちづくりに自動運転を活用できるかについて検討しています。

また、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)として、能登半島地震の復興支援活動に関わり、現地に入って被災状況を調査しました。現地では住民の方から声をかけられることが多く、国家公務員として、国としての立場を保ちつつ、被災者に寄り添う姿勢の大切さを改めて実感しました。


(学生): 職場の雰囲気について教えていただけますか。


防衛省 :

現在の職場である建築課は半数が女性で、和やかな雰囲気で楽しく仕事をしています。普段はアットホームな感じで、和気あいあいとしています。上司とも、報告時には資料を作成・持参してしっかり説明しますが、オフィス外ではざっくばらんに様々な話ができる関係です。とても働きやすい環境に感謝しています。
部署によっては雰囲気が異なるかもしれませんが、私がこれまで転勤してきた部署は堅苦しさがなく、チームワークを大切にする風土があります。


国土交通省 :

現在、私の課では出向者が半数以上を占めており、自治体の方や民間企業の方、地方整備局の方とも共に仕事をしています。年代も近い方が多く、和気あいあいと楽しく仕事をしています。
以前の事務所では年上の方が多かったのですが、優しく教えていただきました。若手の意見も尊重する雰囲気で、働きやすかったです。


(学生)これまでに経験した失敗や難しかった課題などがありましたら、教えていただけますか。


防衛省 :

失敗は日常茶飯事で、トラブルも日々起こります。印象に残っているのは、1年目の頃のことです。防衛省の文書管理に関する問題の再発防止策をまとめる業務に携わりました。きちんと国民に対する説明責任を果たすため、省内での意見収集や取りまとめ、国会での報告など、遅くまで仕事をすることがありました。とても大変でしたが、チーム全体で一つの目標に対して取り組んだことで、やり遂げた時に達成感を感じました。


国土交通省 :

1年目には突然のコロナ禍の中でテレワークが始まり、その過程は大変でした。
また、国土交通省の業務の1つとして、災害時の対応があります。私は1年目の岐阜での経験と、能登半島地震でのTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を経験しました。岐阜では、事務所の職員が現場最前線で働いており、大雨による国道の通行規制時には、若手職員が道路に立って対応します。災害時にはイレギュラーなことも多く臨機応変に対応する必要があります。難しいですが、国家公務員としての使命感を持って取り組んでいます。


国家公務員としての役割と仕事の達成感

(学生):先ほど使命感という話も出ましたが、どのようなやりがいを感じながら仕事をされていますか。


防衛省

防衛省の建築の技官は、民間企業や自衛隊、米軍の関係者など、さまざまな人々と関わりながら仕事をします。
時には計画通りに進まないトラブルもありますが、そうした状況でもコミュニケーションを取りながら少しずつ前進していく感覚があります。状況が進展した時は、仕事が楽しいと実感できます。
また、以前、上司から、「日々の業務からは見えにくいけれども、私たちのやっていることはいつか誰かの幸せや笑顔に繋がっている」という言葉をいただきました。私も、今すぐには目に見えませんが、必ず誰かの笑顔に繋がると信じ、やりがいを感じながら仕事をしています。


国土交通省:
国土交通省の事業を進める際には、民間企業や現地の方々、国土交通省の関係者や議員など、さまざまな方々が関わっています。それらの関係を調整する役割が、私にとって一番大きなやりがいです。特に、地元の説明会では、現地の方々の顔を直接見ながらお話できることも充実感につながっています。年数を重ねるうちに、様々な方々と関わる中で得た知識や人脈を活かしながら仕事ができるようになるので、楽しく仕事ができています。


(学生):お仕事をされている中で、特に注意していることや心構え、大切にされていることは何ですか。


防衛省 :

公務員として、私たちは工事やプロジェクトに使われる資金が全て税金であることを常に意識しています。そのために無駄のないように取り扱い、国民に対して説明責任を果たすことが重要だと考えています。上司や同僚ともそうした共通の認識を持ちながら、建築した建物を通じて自衛隊員の方々によって守られる国民の幸せや笑顔をイメージし、日々の仕事に取り組んでいます。


国土交通省 :

国土交通省の事業の成果に対する受け取り方は人それぞれです。私たちは、インフラの恩恵を受ける方とそのために生活が変わってしまう方々双方の立場を理解し、仕事をする上で意識することが大切であると考えています。
また、普段の仕事においては、周りの方々が気持ちよく仕事できる環境づくりに努めること、仕事を分担する際には周囲の状況を考慮しながら行動することを意識しています。


(学生):本日は貴重なお話をいただき、どうもありがとうございました。

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