育児とキャリアの両立を実現。自由度の高い環境で燃やし続けるものづくりの情熱

生産技術

生産本部 樹脂技術部 樹脂材料管理グループ

Y.O / 2014年入社 
工学研究科 物質制御工学専攻

#新卒 #LIXILでの働き方

樹脂原料の技術構築を担当。在宅勤務と周囲の理解に支えられ、柔軟な働き方が実現

私が所属する生産本部 樹脂技術部は、サッシなど樹脂製品の成形加工、具体的には原材料を押出機と呼ばれる成形機に入れてかたちづくる工程に関する技術開発やコスト管理などを手がける部署です。メンバーは15名ほど。私が携わっているのは、樹脂原料に関する技術構築で、今は樹脂リサイクル原料について主に担当しています。

樹脂技術者の教育も私が任されている仕事のひとつです。新しく入ってきたメンバーらに研修として樹脂の成形に関わる基礎知識を教えているほか、業務上で必要となる統計学について学ぶための環境の整備も行っています。

現在は在宅勤務が基本で、出社するのは週に1、2回。出社時は、試作や実験のほか、現物の確認など在宅ではできないことをするようにしています。

また、出社時にはメンバーと積極的にコミュニケーションを取ることも心がけてきました。これは、普段の何気ない会話の中で情報交換したり、課題解決のヒントをもらったりする機会がコロナ禍を機に減ってしまったと感じているためです。自分のほかにも出社しているメンバーがいれば、持ち場を訪ねて声かけするようにしています。
育児しながら働いていることもあり、在宅勤務ができ、かつスーパーフレックスタイム制度が活用できるメリットをさまざまな場面で感じています。たとえば、子どもが急に発熱してもすぐに迎えにいくことができますし、仕事の状況に応じて子どもが寝た後に少し仕事をするということも可能です。とても柔軟に対応させてもらっています。

そんな自由度の高い働き方ができているのは周囲の理解があってこそ。子どもの体調がすぐれないときに私を気遣うメールを送ってくれるほか、上司のほうから進んで休みやすい雰囲気をつくってくれています。「この時間は仕事をさせてほしい」とお願いすれば快く聞き入れてくれるなど、いつも助けられてきました。

また、働きやすさを感じるこんな出来事もありました。別の部署の方が妊娠して産休に入られた際、「めでたいね」とポジティブな言葉が部内に飛び交い、誰ひとりとして後ろ向きの発言をしていなかったんです。それを聞いて、安心して休める環境があることをあらためて再認識しました。

研究室からものづくりの現場へ。暮らしを支える商品に貢献できていることに手ごたえ

大学院では化学を専攻し基礎研究に従事していました。就職先を探すに当たっていくつか工場見学をしましたが、その多くは素材メーカー。工場を案内され「ここでこういうものをつくっています」と説明されるのですが、なかなか私が思う「これだ!」というものに出会えなくて。もっと生活に馴染みのあるものに携わりたいという気持ちが徐々に大きくなっていきました。

日々の暮らしを支える商品に研究や開発の面から貢献したいとの気持ちで就職活動する中で知ったのがLIXIL。さまざまな商材を扱い、事業の幅がとても広いところに惹かれて入社を決めました。

入社後に配属されたのは岩手県にある一関工場の押出課。サッシなどの樹脂形材を押出成形する製造工程です。化学の専門的な知識を活かしてものづくりに関わりたいと考えていたものの、研究職に就くと思い込んでいたので、意外な配属先に当初は驚きました。

ただ工場では樹脂を扱っていたため、基礎的な化学の知識を活かせる場面が多くありました。本部に異動してからは原材料の新しい配合を決めるときなど実験をする機会があるため、学生のときに学んだ実験の進め方や考え方がとても役に立っていると思います。
工場勤務時代で印象に残っているのが、樹脂材料がサッシの形材として押出されるところを初めて見たときのことです。大学院ではものづくりをした経験がなかったことから、ペレット(粒)だったものがかたちを変え、自分が良く知るものになって出てきたのがうれしくて、とても感動したのを覚えています。

大学院の研究室では、なかなかかたちにならないものに長く関わっていました。10〜20年先の成果に向けて地道に積み上げていく研究の意義も十分に理解しているつもりですが、そうやって実際にものができあがって商品となり人の役に立てていることに、学生時代には得られなかった手ごたえを感じています。

一関工場には2年半ほど在籍し、現場での作業やコスト管理、業務改善などひと通り経験することができました。次のステップに進みたいと考えて異動希望を出したところ、2014年に樹脂材料管理室 樹脂製造技術グループへ。それ以来、現在に至るまで本部で勤務しています。

本部に異動して広がった視野。そして、仕事と育児の両立への挑戦

本部所属となったことで、仕事との向き合い方が大きく変わりました。工場では自分が所属する課の業務をメインで考え行動をしていましたが、本部では樹脂押出の製造工程を担う国内外工場すべてを俯瞰し全体最適化を図らなくてはならないからです。

また、工場では工場内で完結する事柄が多いのですが、本部では他部署や原材料を扱う原料メーカーなど他企業と連携しながら仕事を進めることが少なくありません。一段と視野を広げ、視座を高くする必要がありました。

異動を経験して、LIXILは多様性のある職場であることを実感しました。工場に勤務する方の多くは地元の出身だったため、アットホームで温かな雰囲気。働く場所としての安心感があり、一体感が醸成されていました。

現在の職場は、出身はもちろん、これまで違ったキャリアを歩んできたメンバーで構成されていて、日々新鮮な意見が飛び交い、お互いの考え方を知る機会があります。

環境は違いますが、どこで働いていても、お互いを尊重し、斬新なアイデアを生み出せるように協力し合う文化が根付いていると感じます。
本部勤務となった6年目の2022年から、約1年にわたって育休を取得しました。いまでも忘れられないのが、妊娠したことを初めて上司に伝えたときのこと。職場に負担をかけることになるためどんな反応をされるかと不安でしたが、とても喜んでもらえてほっとしたのを覚えています。おかげで負い目を感じることなく育休に入ることができました。

「おめでとう」と言葉をかけてもらうなど、同僚たちの前向きな対応にも助けられました。いまの部署には私を含めて女性がふたりしかいませんが、小さなお子さんがいる男性社員が何人もいます。職場に理解がある背景には、そうしたこともあるのかもしれません。

2023年の4月末に職場復帰を果たしました。産休前は樹脂材料の新配合の開発が主な業務でしたが、現在は樹脂リサイクル原料を再利用するための技術構築や技術者教育、コスト管理などに携わっています。出張の必要がないことに加え、キャリア形成の面から新しい業務を経験できるようにと配慮してもらえたかたちです。

復帰後、時短勤務や、子どもが病気やケガをしたときに取得できる看護休暇を活用してきました。有給休暇と同じく気軽に取得できる柔軟な環境があり、とても助かっています。

このように仕事と育児を両立できているいまの環境で、仕事のやりがいもしっかりと感じられています。たとえば、こちらでできる実験・検証を行って工場へフィードバックして実機で確認してもらうなど、出張ができず工場に足を運べない中でも、工場と連携しながら進めていくことができています。また、材料を設計しラボで実験を繰り返して自分なりに試作したものを工場に持ち込み、スケールアップ後も品質などの面でさまざまな基準をクリアして量産に至ったときは、技術者として大きな喜びを感じます。

挑戦機会が多いのがLIXILの魅力。新たな仲間と多様性によって紡ぎ出される未来へ

当社では環境に配慮した取り組みに力を入れています。限りある資源の持続的な利用を見据えて、金属・木材・樹脂・セラミックなどの原材料の調達から製造、使用・廃棄、さらに再利用までの製品ライフサイクル全体において、原材料の持続可能な利用や再利用に配慮した設計などの資源循環の取り組みを推進しています。樹脂リサイクル原料にまつわる仕事をしている立場として、今後は循環型社会を見据えながら環境問題の解決に貢献できるような技術構築をしていきたいと考えています。

それが実現できるのは、チャレンジできる環境が整っているLIXILだからこそ。LIXILには、「実験し、学ぶ」というLIXIL Behaviors(行動指針)があり、挑戦する理由や意義を上司に説明することができれば、「やってみよう」と背中を推してくれる社風が当社にはあると感じています。
以前、こんなことがありました。新しい製法の原料が導入されることになった際、経験も実績も少なかったにもかかわらず、私が新配合の立上げを任されることになったんです。

わからないことだらけでしたが、原料メーカーにヒアリングしたり工場見学したり、またアドバイスをもらいながら実験計画を提案。ラボで実験を繰り返して自分なりに試作したものを工場に持ち込み、スケールアップ後も品質などの面でさまざまな基準をクリアして結果的にLIXILの仕様へと落とし込むことができました。材料設計したものが量産に至ったときは技術者として大きな達成感があります。

また、入社6年目には海外工場に1カ月ほど滞在し、原料設備の立ち上げ支援を行ったことも。ほかにも展示会や研修のために海外に行く機会があるなど、多くを学ばせてもらいました。早いうちからいろいろな経験をしたいと考えている人にうってつけの環境が当社にはあると思います。

私がいま携わる樹脂の押出成形には、長年その道で経験を積んできたスペシャリストが多く関わっていますが、新たな技術を構築していくためには、異なる知識やバックグラウンドを持った方々の力が欠かせません。樹脂成形のプロセスをさらに進化させていくためにも、キャリア採用で入社した方や性別を問わず、多様な視点や考え方、価値観を持ったメンバーと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

*所属・内容等は取材当時のものです。