自分を変えたLIXILとの出会い──個性を理解し支えてくれる仲間と共に成長

生産技術

LHT 加工技術部 新規事業創造G

T.Y / 2021年入社 
産業技術学部 産業情報学科

#新卒 #障がいのある社員

わからないことは理解できるまで質問し、周囲に助けられながら、日々成長

私は加工技術部で、主に3Dプリンターやインクジェットプリンターを活用した商品開発支援を担当しています。商品開発部と連携して商品サンプルを作成しているほか、機械の部品製作を行うのが主な業務です。LIXILでは自社製品を製造するための機械も一部、内製しているので、3Dプリンターを活用してその部品を製作しています。

加工技術部の私のグループでは6人が働いているのですが、私を含めて聴覚に障がいのあるメンバーは3人。手話や口話、筆談などによってコミュニケーションを行いながら、業務に取り組んでいます。他部署との会議に参加する際には、発言を文字に変換してくれる音声認識アプリを使って対応しています。
私が仕事をする上で難しいと感じるのは、専門用語を理解することです。初めて触れる言葉だと、口の動きを読み取ることができないため、仕事を始めたばかりのころは何度も聞き直していました。先輩に手話で通訳してもらったり、インターネットを活用して自分で調べたり。そうやって少しずつ、専門用語に関する知識を身につけています。

音声認識アプリを使う際にも、難しい専門用語は正しく変換されないことが多いため、他部署との会議に参加したときに内容が理解できないこともあります。そういうときは、わからなかった部分をきちんと記録しておき、会議が終わったあとに必ず不明点をすべて確認します。質問することを遠慮せず、わからないことは理解できるまで尋ねる。そのことを常に心がけています。

そうやって私が積極的に質問できるのは、一緒に働く仲間たちが、どんなときも親身になって快く対応してくれるからです。手話や筆談などでコミュニケーションを取るには、普通に会話するよりもどうしても時間がかかってしまいます。それでも嫌な顔一つせず、いつも丁寧に説明してくれる──そうしたLIXILの仲間に助けられながら、着実に成長することができています。

安心して働ける環境と、人を育てようとする姿勢に惹かれ、LIXILへの入社を決意

学生時代は産業技術について学んでいました。私がLIXILに興味を持ったきっかけは、私と同じく聴覚に障がいのある大学の先輩が紹介してくれたこと。会社について詳しく知りたいと考え、インターンシップに参加しました。担当の方は、私が聞き取れなかった内容を文字にして書いてくださるなど、一つひとつ丁寧に業務を教えてくださいました。この会社でなら、障がいがあっても安心して働くことができる。そう実感することができました。

また、業務だけではなく社会人になるために準備しておくべきことなども、採用担当の方が親切に教えてくださり、人を育てようという採用担当の方の姿勢にも心を打たれ、LIXILへの入社を決めました。
実際に働いてみて驚いたのは、困ったことがあればいつでも相談できる環境があるだけでなく、解決に向けて会社がすぐ行動を起こしてくれるということです。私が所属している野田事業所には、職場のD&I推進や、従業員エンゲージメント向上を目的としたワクワク向上委員会という有志組織があります。

Zoomで会議に参加する際、音声認識アプリを使用するため会議室が必要になるのですが、予約が埋まっていて会議室が使えないことがありました。そのことをワクワク向上委員会に相談すると、事業所内にいくつか個室が設置されることになったのです。従業員が働きやすい環境を実現してくれる会社に入社でき、心から良かったと思っています。

また、休暇が取りやすいことも働きやすさにつながっています。女性特有の不調でとてもつらい時、上司が男性のため最初は言いづらさを感じていました。それをインターンシップでお世話になった女性の先輩社員に相談したところ、「上司は理解してくれるから安心して休んで大丈夫」と言ってくれました。それからは必要な時に、遠慮せずセルフケア休暇を活用し、自分の体をいたわることができています。

「障がいがあるから」と一度は失った自信。仲間と接する中で積極的な自分に変化

私は幼いころから大学生になるまでずっと、聴覚に障がいがある人たちの中で育ちました。そのため健常者の方とはコミュニケーションを取る機会がほとんどなかったのです。このままではいけない、もっと多くの人とコミュニケーションをとりたいと思い、大学生のときに居酒屋でアルバイトに挑戦することに。もともと人見知りということもあり、私にとっては大きなチャレンジでした。

注文を取ろうとするのですが、相手の言っていることがわからず、何度も聞き返すと、あからさまに嫌な顔をされてしまって……。その経験から、健常者の方と接することにいっそう臆病になり、挑戦する気持ちを失ってしまいました。

将来社会人になっても、どうせ「障がい者だから」と、簡単で単調な仕事しか任せてもらえないだろう──そんなふうに考え、臆病な自分のまま変わることはできないと、どこかであきらめた気持ちになっていました。
でもLIXILに入社して、私は変わりました。周りの人が積極的に話しかけてくれ、私がわからないときに聞き返しても、誰一人として嫌な顔をしない。そうした環境のおかげで、少しずつ心の壁が崩れていき、コミュニケーションの苦手意識がなくなっていったのです。そして今では、わからないことがあればすぐ、「教えてください!」と自ら手を挙げて、質問できるようになりました。

この会社でなら、安心して自分から質問したり、発言したりできる。そう感じられるようになった私は、積極的に業務の改善提案もするようになりました。たとえば定期的に行われている社員教育でのこと。理解度を確認するテストに、毎回紙が使用されていたのです。

それをスキャンして保存する工程も大変ですし、資源ももったいないので、Web上で管理できるクラウドツールの活用を提案。実際に提案が採用されることになり、担当者の方の業務を効率化することができました。

もちろんうまくいくことばかりではなく、経験不足から失敗してしまうこともあります。それでも、失敗した自分が否定されるということはこの会社には決してありません。そのため同じ失敗を繰り返さないように原因を確認して学ぶことで、一歩ずつ自分のキャリアを積み重ねることができています。

人から頼りにされることがやりがいに。お互い敬意を持って働き、成長し続けたい

現在は3Dプリンターとインクジェットプリンターを中心に、機械の特性や活用方法を習得していますが、今後は新しい機械の知識やスキルも積極的に身につけていきたいと考えています。そして尊敬している先輩方のように、何事も自ら率先して取り組めるような人になることが目標です。

たとえばある先輩は、上司が朝礼でチームに向けて話した何気ない一言でも、きちんと自分事として受け止め、改善できることがないかを考えてすぐ行動に移します。私も先輩を見習い、職場で何か課題だと気づいたことがあれば、誰かが解決してくれるだろうと思わずに、自ら改善する姿勢を身につけていきたいと思います。

そして、もっとみんなから頼りにしてもらえる存在になっていきたいです。障がいがあると周囲のサポートが必要になるため、どうしても人に頼る機会が多くなります。だから逆に誰かから頼りにされることは、とてもうれしいことです。最近では先輩からインクジェットプリンターに関する技術的な相談を受ける機会もあるなど、頼りにしてもらえていると感じることが増え、大きなやりがいにつながっています。
LIXILに入社する前は、自分がこんなふうにやりがいを持ち、何事にも積極的に取り組めるようになるなんて想像もしていませんでした。ここで出会えた仲間たち、そして一人ひとりの個性を大切にするLIXILに感謝しています。

LIXILには、「正しいことをする」「敬意を持って働く」「実験し、学ぶ」という3つの行動指針である「LIXIL Behaviors」が根付いています。その中でも、とくに私が仲間と接していて実感するのは「敬意を持って働く」です。みんながこの行動指針をいつも大切にしているからこそ、障がいの有無にかかわらず、お互いを尊重しながら働くことができているんだと思います。

人それぞれに会社を選ぶ基準は異なると思いますが、少しでもLIXILで働いてみたい、LIXILの商品に携わりたいという想いがあれば、入社してからでも大きく成長することができる環境です。これまでの殻を破り、新しい自分へと変わってみたい。そんな想いがある方と、一緒に支え合いながら、LIXILで働くことができるのを楽しみにしています。

*所属・内容等は取材当時のものです。